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あまりにも抽象的な像だった
根も葉もない花 詩のように咲いている
ぱくぱくとパクったパンを食った犬
印象が印度象的な象だった
温かい光の深く眠る骨
花 ....
控室 空手家の手が空いている
数珠つなぎ一つづつつづいた月日
水に揺れている誰かの泥だった
ころころとこころを語呂で転がした
星光るタンスの奥に猫の国
風の夜メロンの飴を売りに来る
ねじれてる瞳の中のお菓子箱
裁縫を教わる度に消えてゆく
梅雨のこと傷つけ ....
お酒飲む代わりに短歌を書いている
大抵の紙たちは底へ昏れていく
俳句やん俳句やんこれ俳句やん
植え込みの中身を下見してみる犬
真っ白な世界にセミの声がある
言葉たちがぼくらの中で暮らしてる
みたことのない風景を聴いていた
いつもよりくだけたきみが笑ってる
日々を流れた時間たちと、また会いたい
「生きるのは辛いよ」それで当たり前
無くさない人生なんてないわけで
辛いなら逃げる用意を万端に
辛いなら本気で駄々をこねてみろ
{ルビ幸=しろ} ....
なめらかなあなたの肩はバニラ味
すんとした風来坊になりたいな
音しない地球の自転速すぎて
秋のきみ産地直送されてきた
無理を言う机の角を15度に ....
むらむらとするよあなたのたんこぶに
脱皮して甘いスープを飲んでいる
予知力に翳りが見えて冬支度
うかがった先生宅で池にポチ
お人形に羽が生えたの ....
猫転ぶ転んだ先の恋かわいい
東北はいかにもらしく曇りをり
田舎てふ恒常不変なま欠伸
緑なす山野に怯ゆ吾義眼
青森は遠しJALに乗るがマシ
にのへ駅乗降ゼロのセンセイ臭
あぷぷれが参個ひゃく円マジっすか
海 ....
鴨のキス蛇の断腸新幹線
連結部哀し小町と{ルビ疾風=はやて}かな
お行儀のサンド右剃り左爺
ビジネスのおやぢとPC長考中
山襞のプールの中の日本なり
GDP越されて後は沈むかな
....
誘う手のさみしさに似て 誘蛾灯
宙返りしてみても秋深まらず
空腹に飴をあてがう午前2時
鈴虫よ鳴くは勝手、泣き止むな
ぱ
兼好もパソコン閉づる月夜かな
チャリ停めて私も月とパソドブレ
休閑地パンパスグラス 南米かっ
ら
まろまろと夢見る女ほどの月
夜の深さすいっちょ優しく刻みいる
こおろぎの ....