ちらかった部屋で
宝物を探していた
いつからか欲しいものは直ぐにテノヒラはを開いたら
そこにあった
暗い独りぼっちの部屋で
僕は人形と一緒に住んでいた
いつも鉄の檻 ....
電車はもう乗り終えた
飴の袋もからっぽ
歩き出す
足元の道はごつごつしている
日の光は花や木にばかり当たっている
ような気がする
水が飲みたい
と思った矢先に
湧き水の立て札
山深く ....
落ちた数を数えるよりも
水滴の生まれた場所が知りたかった
ささやき声も空気を振動させるような
ぎりぎり均衡を保っているこの小さな空間で
破裂する寸前の風船みたいな緊張感の中
今、きみが生 ....
{引用=嬰子の褥
闇のひとつ奥に蠢動する白光体がたしかにあった
血に焼かれた嬰子が視えない手のひらに止まって
私の身体に続いている
いやへその緒はぜんまい状に闇に溶けて
それはもうわ ....
あらゆる権威よ
去れ
私を鎖で繋ぐ
ふくみ笑いの権力よ
この楽園を追放だ
テレビのニュースを見ている
各々に語られた事象
もっともらしい前提を否定する
国とか天皇とか
作 ....
たとえば
私が小学生の女の子でも
あなたは愛してくれますか?
いつのまにか
ポプラ並木に新緑が色づいて
みどりの筆が並んでいます
青空の画用紙に
描いたものは
なぜか白い
飛 ....
鏡は反対にうつるから
鏡の中なら、ほら
私はとってもビューティフル
素直な私
かわいい私
でもね
反対だったら私
あなたがキライってこと?
それは嫌
一番許せない ....
一針
また一針
言葉の
日向と日陰を
縫い合わせる
一針
また一針
自分の
頂点と底辺を
縫い合わせる
ときどき痛くて
たびたびくすぐったくて
ちょくちょく嘘で
....
突き抜けた青天から目をそらし
振り返ってしまうことがためらわれ
気付かなかったことにした
水滴ひとつ浮かばない箱を抱えて
所在を見つけようともしなかった
抜けた羽毛を一枚入れて
ふたを ....
買いものの途中
「ちょっと 待ってて」 と
ふいキミはどこかへ
子犬みたいな笑顔が
走って もどってくる
その手には
青いリボンをかけた小さな箱
....
廃墟の街に静かに降り積もる
白を見ていた
痛いほど乾いた空に輝く
白を見ていた
歩く度に重く足を取られる
白を見ていた
風が吹く度に頬を叩きつける
白を見ていた
君の睫毛に降りかか ....
ホワイトデーの3日前
クッキー屋の前に立ち
義理チョコレートのお返しばかり
虚ろな瞳で探してる
もの欲しそうな、男がひとり。
若い女の店員から
硝子ケース越しに
手渡さ ....
チェーン店のカレー屋で
「グランドマザーカレー」
を食べていた
自動ドアが開き
ヘルパーさんに手を引かれた
お婆さんが店に入り
隣の席にゆっくり
腰を下ろした
....
ヘミングウェイじゃないけれど
何を見ても何かを思う
この街は体に毒だ
記憶の濁流に押し流されて
立ち尽くしたまま泣きそうになる
冷たい風が刺す中で
涙だけが生温かった
....
電車の窓は
みんなの空が
輝いていたんだ
座席と吊革の
旅人は
小さな液晶の
窓を開き
自分の空に
話しかけている
僕は僕で旅の途中に
....
・夜中の話
機械音に身を捩じらせて
母が咳を漏らす
その光景に
何か言葉をかけそうになる私が
ひょこりと顔を出した
しかし
少しだけ、しか浮かばない謝罪な ....
抱き枕のような男の子を
連れて来て
抱きしめて
眠った。
その夜は
とても寂しくて
地震の夢を
何度も何度も
見た。
どんなに抱きしめても
やっぱり
寂しかった。
罪の報いは死
ゴルフの帰りみち
そう教会の看板にあった
こんなことを言葉にしてみた
裁かれていることに
人の命は鈍感なのではないか
きみは神を選ぶのか
き ....
大きな声を上げて喜ぶ子どもと肩車する父親
隣でカメラを構える母親
恐らくまだ若いのであろうカップル
日曜日の動物園は賑わう
君の口からは
たくさんの刃物のような言葉が発せられ
こん ....
あの時
何を見ていたのか
白い紙の皮膚の上を
一度だけすれ違う
その時の
微風 に
時間が揺らぐのを
万年筆の
筆跡を見ていると
それは
痕跡のように
美しい
ブルーの濃淡 ....
思ったより簡単に得られた評価に
少し戸惑いながらも
ほくそ笑みを浮かべてみる
あぁ なるほどこうすれば
良かったのかというよりは
たまたま天邪鬼だった日に
思った事と逆の事を
口 ....
090318
このこここにとつぐといわれて
ときのたつのがやけにはやくかんじられ
ふたつへんじでひきうけてしまった
3分間スピーチは
2分ぐらい ....
(地下の喫茶店ではジャズが流れ)
しかし、あれですな。
どうしました?
最近の禁煙推進運動にはほとほと困り果てております。
そうですね。
我々喫煙者の肩身がとんどん狭くなっておりますよ。 ....
いったい誰が誰に言った
言葉だろう
清よく 正しく 美しく
繰り返し 繰り返し
つぶやいてみるのだ
清よく 正しく 美しく
これこそ真の言葉 真言
時代は
産業廃棄物を ....
疲れてしまって
なんだかうんざりして
胸に空気が溜まって
ふうっと吐き出した
楽し過ぎても疲れるし
つまらなくても疲れるし
何も無くても疲れて
下り坂だけど
足がくたびれた
みたい
....
余命いくばもない
彼 ヘブ イアリーモーニングへの 死去
遺言を 砂漠に咲かせる
あれは 青空?
とある人のために ぼくは 一式で 逃げた
又 誤送で たましいが 花についても
....
君の友のために 空を あげてしまいなよ
午前の方角に 行くように
朝の日が 残っていくように
過去が そこにあったのか
君の 性別かい
友は 君の 民家を 見るように
コンドルが 二羽 ....
カレー・ライス
ながいことかけて
カレ―をつくった
カレーカレーカレー
カレーはおれだ
今日一日は
このカレー・ライスが
すべてである
何も分からない
普通の女の子も
カレ ....
ゆらゆらと歩く空中で
カメラのフラッシュでできた影が
一人で先にあるいていった
僕は世界の呼び声で起きる
僕はここにいるけど
世界は何処にある
昨日の事 ....
ずっと一緒にいられないことは
わかっていたから
いちどだけ一緒にいようと思った
あなたは青臭くて
わたしはそんなあなたが好きで
わたしの知らないところから来て
知らないところへ行く ....
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