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キーツが本の中から語る
細い川の流れが、視える

道を歩くわたしの影にも
細い川の流れが、視える

時代も国も
異なる二人の間を
結ぶ
ときの川のせせらぎに
耳を澄まして歩けば
 ....
私が今、ここに立っているのは
素朴な一つの謎であり

今日の場面を、静かにみつめ
掌にのる
小さな巻物を開いて
設問を解き明かしながら
歩きたい

重力に支配されるこの世界で
私は ....
日々の舞台で、僕は自らを奏でよう。 わたしは回る器

道を歩くとき
佇むとき
疲れた夜、布団を被り目を瞑るとき
いつも
わたしの存在の中に立つ芯は、回転している

目には見えない陶芸家の
血液が流れる透明の手に
ふれ ....
やがて夜は更けゆき
恐れと不整脈は
徐々に…消去するだろう

私はゆっくり「扉」を、開く
(微かな光は隙間から洩れ)

まぶしい彼方から
誰かの影が
一通の手紙を携え
こちらへ歩い ....
あの頃
布団に包まりながら
小さな糸口を探していた

抱えた頭の中で
絡まる悩みを
こねくりまわしては
豆電球のぽつり、灯る
薄暗がりの部屋で
見上げた
時計の針はすでに 午前一時 ....
わたしの骨がぎくしゃくと、鳴る
肯定的な歌
1+1=人間じゃない

不恰好な日々のつまずき、こそ
しんしんと軋み泣く骨の{ルビ声音=こわね}、こそ
人間の調べ

すけるとんよ
ぎくし ....
誰も自分の正体を知らない

一生、気づかぬ人もいる
思春期に一度気づけど、
結局まぼろしの人も

ひとりの部屋で
鏡に映る自画像は
右と左が逆だし
ああ俺は!
一生涯、己の姿を視れ ....
あなたに貼られた
〇×□ etc.
無数のラベルを
べりべり…剥がす

天然のいのちの顔が
出てきたよ

曇った周囲を
仄かに照らし出す
世界にたった一人の

電球の顔  
 ....
あなたが歌を歌う時
あなたは歌そのもの

僕が言葉を語る時
僕は言葉そのもの

僕等が一人ひとりの日々の旅路を
ゆったりと加速して…歩めば歩むほど
人間は歩行になる

――あっ 真 ....
林の中を歩いていたら
3ヶ所を蚊に、刺され
むず痒さを耐えながら
ぎこちなくも、歩いた。

(もう会うこともなかろう、蚊の腹は
 僕が痒い分、充たされたのか?)

思い巡らせ歩いていた ....
或る授賞式のホールにて
首を回して
天井の鏡を仰いだ、遠くに
(もう一人の僕)と目があった。


おーい  
フォーク歌手があこーすてぃっくぎたあを
掻き鳴らす、ある夜のライブハウスで偶然
隣り合わせたお洒落な婆ちゃんが「じゃあ」
って店内から出てゆく、繁華街のネオンの
合間をゆっくり抜けて小さくなっ ....
コップに入った残りの水を
もうこれしかない…と、思うのか?
まだこんなにある…と、思うのか?
私の受け取りようである。

底深い・・・・・井戸にも似て
汲み尽くせぬ

あたりまえの日々 ....
――あなたは、聴くだろう。
日々の深層の穴へ
ひとすじの{ルビ釣瓶=つるべ}が…下降する、あの音を。

――漆黒の闇にて
遥かな昔に創造された、あなたという人。
遺伝子に刻まれた、ひとつの ....
自分の中に、経験が{ルビ溜=たま}ってくると
いよいよあなたと私に、別々の顔が現れる。

背が高いとか、低いとか
体が太いとか、細いとか
頭が良いとか、悪いとか

線を引くという行為の、 ....
「一」という字の、地平を
我が胸に…刻む

「一」という字の、地平から
熱い湯気は…立ち昇る。

「一」という字の、念力で
切り拓かれる、明日。

いつの日か
ふり返った背後に
 ....
オランダのチューリップ畑の{ルビ畔=ほとり}に
浅い川は緩やかに流れて
カーブを描く辺りに
一人の風車は立ち

やがて赤と黄色の無数の{ルビ蕾=つぼみ}は
過ぎゆく風に身を傾げ
遠い風車 ....
法事の後に、故人を偲び
「献杯」してから口に注いだ{ルビ麦酒=ビール}により
みるみる僕の顔は真っ赤になり
吐き気をもよおし
頭痛の額に少々冷えた、手を添える。

そうして僕は平手で
白 ....
浅草のそば屋の座敷で、酒を飲む。

年の瀬の店内は無数の会話で、飽和して
向かいの席に数分前、若いふたりが坐った。
隣の机で、三人家族は静かに語らい
幼い息子はパパの{ルビ腿=もも}に、じゃ ....
どっかーん…!

太陽の砕けた花火の如く 
あの日、きみと出逢った歌舞伎町の夜。

厚化粧のきみは
難聴のハンディをもろともせず
くらしっくをBGMにくるくる
地下の舞台で乱舞しなが ....
赤い羽根の天使はリュートを抱き
ふくやかな指を、無数の弦に滑らせる
世にも美しい音楽を探るように  
修善寺の源泉で
足湯に浸した
両足は
鬼の如く真っ赤に染め上がり
旅人は心に決める。

――この足で、日々を切り裂こう

娑婆の世を生きるには
時に…鬼と化さねばならぬ
が、赤い仮 ....
修善寺の蕎麦屋の座敷にて
{ルビ熱燗=あつかん}を啜り

天せいろを食した後の
油が浮いた器のつゆに
喰い千切られた、桜海老の顔

白い光の小さく宿る
黒い目玉

{ルビ茹=ゆ}で ....
生きていれば
心配の種の、一つや二つ
指折り数えりゃ、きりがない

もくもく…不安の煙は募り
揺れ動く心を
丸ごと!
天に投げ入れよう

まことの生の劇場は
ゆっくりと、幕を開き
 ....
或るロシア画家の
画集をぱらぱら、捲っていたら
苦悩する女の肖像画に
薄っすら滲む
イエスの顔があらわれた


神や仏はいつも隠れている
画家の描く、キャンバスに
彫刻家のほる、木の ....
公園広場の人だかりに囲まれて
学ラン姿の少年は、笛を吹く。
指をぴろぴろ躍らせて
黒い瞳は{ルビ魚=うお}のよう。

楽しいメロディ奏でつつ
耳はだんぼに開いてる。
身も心も空っぽにして ....
ある朝、霧の中に立つ少年に 
旅人は声をかけました 

「何をしてるの?」 

「霧の向こうのお日様は
 銀の鏡のようですね 」 

「私も銀の色をした、一つの石を持ってるが 
 あ ....
もし、知性が裸になったなら 
目は目として 
歯は歯として 
足は足として 
一つの人格を持ち 
僕等に口を開くだろう 

からだの数え切れない 
それぞれの部分を 
一度ばらばらに ....
愛する{ルビ女=ひと}と結ばれる前 
この手は一度、天にあずけた 

働く場所が決まる前 
この手は一度、天にあずけた 

これから家族3人で 
叶えるたった一つの夢の為に 
妻のぬく ....
あおい満月さんの服部 剛さんおすすめリスト(41)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
足音- 服部 剛自由詩918-1-25
歩く本- 服部 剛自由詩318-1-13
一行詩_5- 服部 剛自由詩117-12-20
陶芸家とわたし- 服部 剛自由詩117-12-14
自らを脱ぐ- 服部 剛自由詩917-12-8
小さな箱- 服部 剛自由詩217-12-8
骨の歌- 服部 剛自由詩817-11-20
鏡に映る人- 服部 剛自由詩317-11-20
電球のひと- 服部 剛自由詩217-11-20
SPIRITS- 服部 剛自由詩517-11-7
ある日の献血- 服部 剛自由詩416-6-17
呼び声- 服部 剛自由詩216-6-13
頬の赤らむ夜の恋唄- 服部 剛自由詩116-6-13
コップの水- 服部 剛自由詩316-5-9
零の世界- 服部 剛自由詩516-4-18
麺麭の顔___- 服部 剛自由詩316-1-15
「一」___- 服部 剛自由詩616-1-12
異国の夢___- 服部 剛自由詩516-1-12
手を添える- 服部 剛自由詩616-1-11
年の瀬のそば屋にて___- 服部 剛自由詩715-12-29
赤い糸―結婚の祝辞―- 服部 剛自由詩515-12-13
無題- 服部 剛自由詩415-11-2
鬼ノ涙___- 服部 剛自由詩615-10-27
海老の目- 服部 剛自由詩315-10-27
日々の劇場- 服部 剛自由詩515-6-17
遍在する顔_- 服部 剛自由詩314-8-30
笛を吹くひと__- 服部 剛自由詩614-8-23
銀の鏡_- 服部 剛自由詩412-3-8
きせきの人_- 服部 剛自由詩112-2-11
明日のドア_- 服部 剛自由詩12*12-1-6

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