キミが折った舟が
わたしを載せて
すべるように小川を下る
冬にさしかかれば
時間が凍らないようにと
祈る
どこへ向かっているのか
きけばよかった
それはたぶん大切なことだったのだと
 ....
自称詩人が
冬を越せるのは
ひとえに日本政府と
真面目な納税者のお陰であることを
忘れてはならない
本来なら
春を待たずに
花が咲く(正確には手向けられる)
ところなのだ

ここで ....
大学に居着いた野良猫のチャッピー

理系の癖に高校の全国実力テストで現国全国1位だった君

わたしの事も野良猫のチャッピーの事も書かないよとあなたは言った
結構繊細だよね。

わ ....
私は、書かない。一文字たりとも書かない。何があろうとも、絶対に、絶対に書かない。

あの春の出会いについて書かない。
あの夏の思い出について書かない。
あの秋の大喧嘩について書かない。
あの ....
クリスマスだよ
プレゼントをあげよう
私はクリスチャンじゃないけど
クリスマスの五日前に
サプライズでぬいぐるみをあげよう
大きな黄色いひよこの僕の
頭の上にちょこんと小さいピンクの
君 ....
放り出された左手は
ゴロンと転がったまま
流血することもなく
その細長く美しい五本の指が
微動だにすることもなく
ただそこにそうしているだけで
いついつまでも眺めていたい
芸術作品のよう ....
日々の舞台で、僕は自らを奏でよう。 ほんのりが合間を縫ってココアを持たせた
降らない結晶を望みながら 
20年前の手の艶やかさを思い出しながら
ハンドクリームを細かい溝に落としてゆく
心は歳を取らない
鎧の全ては時間に ....
すべてのジャンクの山のなかからあなたを掘り起こす
随分と埃はかぶっているがすぐにでも使えそうなんだ

すべての汚れたもののなかから抽出された血液だけが
あなたを再生させるものなのかもしれないの ....
俺前後の年代の夫婦率が高かった

桑田佳祐のコンサート

ダメもとで申し込んだら当たった

一人エントリーが競争を回避したのかも

京セラドームはひとひとひと

開演まであと20分 ....
太陽の繭玉を紡ぐ朝

 風景も 音楽も
 ひとつ心に溶けて
 対流する
 かたちのないものたちは
 かたちのなかでふるえ
 ただ惹かれていた
 扉の向こう
 音と意の翅を得ることに
 ....
木枯らしが冬を引き連れて
醜い獣を呼び覚ます

魚の腹は濡れた月
涙は水底真珠となりて
ころころ転がり心と成った
夜更けに泣いて震えてる

か細い枝に三日月刺して
滴る孤独の蜜舐める ....
わたしは回る器

道を歩くとき
佇むとき
疲れた夜、布団を被り目を瞑るとき
いつも
わたしの存在の中に立つ芯は、回転している

目には見えない陶芸家の
血液が流れる透明の手に
ふれ ....
 佇んでいる。
 びたりとも動かない水だ。
 この夏、そんな水を見た。
 早朝、いつものように堤防道路をのったりと散歩している時だった。ぼくは、不意に気づいたのだ。音がしない! いつもの音がしな ....
やがて夜は更けゆき
恐れと不整脈は
徐々に…消去するだろう

私はゆっくり「扉」を、開く
(微かな光は隙間から洩れ)

まぶしい彼方から
誰かの影が
一通の手紙を携え
こちらへ歩い ....
あの頃
布団に包まりながら
小さな糸口を探していた

抱えた頭の中で
絡まる悩みを
こねくりまわしては
豆電球のぽつり、灯る
薄暗がりの部屋で
見上げた
時計の針はすでに 午前一時 ....
帰る家は夫の独身部屋のままゆえに迷い猫のような日日


蝉たちの歌を覚えぬ朝が来て夫の書棚にサキを見つける


厨房はわが城というわが夫にわかってほしいのサルモネラ菌


夫はいまチ ....
きれいなうそをつくひとでした
ぼくも苦手だと云い乍ら
わたしが飲めないシェリー酒を
こっそりひとりで飲むひとでした

きれいなうそをつくひとでした
ぼくの夢だと云い乍ら
わたしがせがんだ ....
憧れる街は いつもディスプレイの中
モニターに入って人混みに紛れてみると
誰かの指で私はデジタル文字にされたり 欠けた映像として 
スクロールされておぼれて消える

明日の浮遊物が明後日の沈 ....
都会に行けば田舎に帰りたいと泣き
田舎に帰れば都会が忘れられないという
両親と恋人を秤にかけるくらいの、
推し量れない淋しさと重さを見ていたら
安住の地は無くなった

量り売りが ....
夕凪の浜で拾ったビードロの小瓶で眠る誰かのいつか


流木と貝殻たちの沈黙の傍らの海を見るガガーリン


お昼寝を漁師にとわにうばわれたお魚たちのしょっぱいなみだ


地平線越えゆく ....
肉体の、
肉体の檻が邪魔だ
空間をよぎって その声は
いつも私を焦らせる

部屋を暗くして闇にうずくまる
部屋の心音と私の動悸が重なって
あらゆる、存在に理由を付けたがる私の思考が
膨 ....
シルバーカーと一緒にね
まだ51歳なのに色気ないけど
それがすっぴんのわたし

シルバーカーと一緒にね
会いに行くよ
冥土の土産に

もう、余生だよね
ナイフとフォーク使えなくて ....
風の最中に立つ状況ならば
壁を探したり
穴を見付けたり 

はたまた風そのものを愉しめたりも
するのでしょうね

自然界と隔絶された空間、
例えばガラス張りの室内から眺めると

 ....
わたしの骨がぎくしゃくと、鳴る
肯定的な歌
1+1=人間じゃない

不恰好な日々のつまずき、こそ
しんしんと軋み泣く骨の{ルビ声音=こわね}、こそ
人間の調べ

すけるとんよ
ぎくし ....
誰も自分の正体を知らない

一生、気づかぬ人もいる
思春期に一度気づけど、
結局まぼろしの人も

ひとりの部屋で
鏡に映る自画像は
右と左が逆だし
ああ俺は!
一生涯、己の姿を視れ ....
あなたに貼られた
〇×□ etc.
無数のラベルを
べりべり…剥がす

天然のいのちの顔が
出てきたよ

曇った周囲を
仄かに照らし出す
世界にたった一人の

電球の顔  
 ....
母が母でなくなる時 母の手はふるえる
乗り合わせのバスは無言劇
親切だったおばさんは 母の乗車後には夢になる
向かう先はお山の真上の病院で薬をもらえば
また手が ふるえる、ふるえる、大量の薬を ....
ヒバリの翼が目覚めた日
空ゆく雲は祝福して座を明け渡した
囀る声も高らかに
大きな舞台を謳歌する

揺らぐ柳の影は濃く標され
その枝は優しく枝垂れる
薄桃色の花吹雪に霞む路を
黄色いカ ....
鉛を擦った袖が
すっと高い
青空にひらめいて

手を振りかえすと
穂波へ消えていった
あなたを
好いていたんです


あなたの骨の中には
あの青い光が詰まっていて
きらきら き ....
あおい満月さんのおすすめリスト(1230)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
紙の舟- そらの珊 ...自由詩13*17-12-29
冬に咲く花- 花形新次自由詩1+17-12-25
ねぇ_チャッピー- 鵜飼千代 ...自由詩12*17-12-23
書かない。- 水宮うみ自由詩10*17-12-22
私達のクリスマス- 狩心自由詩117-12-21
滑稽な話だ- 坂本瞳子自由詩3*17-12-20
一行詩_5- 服部 剛自由詩117-12-20
ココア色の雪- 朝焼彩茜 ...自由詩1317-12-19
ジャンクソング- 梅昆布茶自由詩6*17-12-19
がらくたライブ- 吉岡ペペ ...自由詩217-12-18
溶媒- ただのみ ...自由詩12*17-12-16
その女、不足につき- 黒崎 水 ...自由詩317-12-15
陶芸家とわたし- 服部 剛自由詩117-12-14
わがままな水- 草野大悟 ...自由詩1117-12-9
自らを脱ぐ- 服部 剛自由詩917-12-8
小さな箱- 服部 剛自由詩217-12-8
「夫の居る風景である厨房の片隅にだけ描かれる吾」_七首- もっぷ短歌1117-12-6
そのひとは- もっぷ自由詩717-12-5
何処- 為平 澪自由詩417-12-4
おいてけぼり- 為平 澪自由詩5*17-12-3
「誰かのいつか」_五首- もっぷ短歌617-12-3
家出娘- 為平 澪自由詩917-12-2
シルバーカーと一緒にね- 鵜飼千代 ...自由詩10*17-11-27
スパイス- 藤鈴呼自由詩1*17-11-25
骨の歌- 服部 剛自由詩817-11-20
鏡に映る人- 服部 剛自由詩317-11-20
電球のひと- 服部 剛自由詩217-11-20
ふるえる手- 為平 澪自由詩917-11-19
飯を炊く老婆- もっぷ自由詩4*17-11-17
- 印あかり自由詩12*17-11-16

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41