築十八年になる
カステラハウスと呼ばれる
小さな三階建ての家に住んでいる
毎週日曜日になると
潔癖症の夫と二人で掃除をする

掃除機を抱えて 嬉々と
バトルスーツをきた戦士のように
家 ....
他人は全員他人なのに
世界の総人口-1人の他人がいて
それでも僕は自分だった
寂しい
他人になってしまいたい

でもきっと
そう感じるのは僕だけではないはずで
それが少し悲しいけれ ....
『戦場』

弟はベッドで戦っている

私も家で戦っている

主人は形は違えども戦っている

病院は戦場だ


弟から返信が来た

「もちろん、がんばろう!」

この短い文 ....
左手で書いた鏡文字 かたるしす
溶解して揺れる かくざとう

しっぽを振っているにもかかわらず
熱帯魚の水槽みたいな胃
汗まみれで凍結した手紙は私のために詩を唄わない


     ....
;" "ヾ; ; ; ゞ゛;ヾ:.y.ノヾ ; ;ヾ ; ;ヾ ;" "ヾ; ; ; ヾ゛;    `
ヾ ;" " sakura pin ....
   ○
  。 o
 。  

○ ポテトチップスをせがむ女はいないほうがいい

 手を伸ばしてしまう

  o .     ○  うすしおでも   o 
.     ○  ....
透明な柵の中を回り続ける鼠には
幻覚的な麻酔の恍惚が必要
生態系を逸脱した個体を繋ぐ夢は
遥かなる進化の虹を跨ぐのだろうか

水を与えれば開く鑑賞物のように
出窓に愛でられること自体が存在 ....
もう、疲れてしまった。
美しいものは、等しくコトバにできない、ことや、
瞼を瞑ることでしか、思い出せないと言うことを、
眠らない心が捉えてしまったのだ。

夕焼けすら 同じように見え ....
スクール水着にしてるのは 萌えるから燃えるから
              o         °
学生時代からスタイル変わってない
             °        °   ° ....
じゃりじゃりになっている
蜜のあわれを
さじで救い取る

瓶の中で
結晶になった
白い彼女はきれぎれになり

焼かれたパンの熱でそれは
ふたたび脆弱に溶かされてゆく
朝の甘い官能
 ....
メガネをかけた店員が私を緑のサツマイモだと言った
もう一人の店員は私のことを赤いキュウリだと言った
どの棚にも私の居場所はなく、
北海道の男爵やクイーンが
同じ棚には並びたくない、と言 ....
{引用=たくらみを実らせた花はもう、少女ではない
女になれば脆弱な季節から嫉妬だけを学ぶ
かなしみ、は 夜を壊し牙をむく
いつも、淋しい姿で佇んではいない、と
教えてくれた あなたの沈黙は深く ....
古い本を開いたら
あったはずの文字が
ところどころ喰われていた
くいしんぼうの羊のやつめ
紙より文字が好きときている

古いインクは美味らしい
いい具合に熟成していて
ひと噛みすれば口 ....
すくってもすくっても水溜まりにうつった虹をすくいとれず、ぽたぽたとおちるのは汗と涙ばかり。最近、元気のないかあさんに見せてあげたかったのにとぼくは途方にくれ高い空をみあげた。もちろん虹はとっく .... 名付けなさい
君を縛る暗闇を
君を閉じ込める闇の正体を見極め
君自身が
名付けるのです

例えば
「コウモリ」
と名付けたら
君の闇からコウモリが
切りとられた影絵のように
現れ ....
秋空には

はぐれ雲が多い

悠々と明るい

残骸のようでもある

切られても切りつけられても

青空があるからこそはぐれ雲


約束をしてもはぐれ雲

予定を告げてもは ....
キャンバスにぶちまけられた
黒い染みは
ロールシャッハテストの染みではなく
怒りの沸点を超えた悪意の染み出たものです

俯瞰して眺める自分の視点は
この惑星の遙か三萬キロ上空にある
季節 ....
パーティーには 有名な中華料理店が選ばれた
難しくて名前が覚えられないメニューたち
箸で触るだけで肉汁が溢れ出すシューマイ
自宅に独り私を待つ母に
到底食べさせてやれない、そのシューマイ

 ....
待つということは
ときに苦痛をともなう
その時間を
固いベンチで過ごすのならば
背中は痛むし
柔らかなベッドの上だとて
安らかともいかない
点滴につながれた腕は夢の中でも痛むからだ

 ....
(どうしたら、お父さんは元気になるのだろうか?)
東京に行く前の晩

少し細くなった父の右足を揉みながら
二人並んでテレビを観る。

「大丈夫だよ、少しずつ良くなっているから。」
 ....
空眺め
君なに想う
まなざしは
星々に抱かれ
明日の夢みる
今日は日曜日なので家族と駅ビルにでかけた
ちびやろうが駅ビルのはじっこにあるスムージーとパスタの店がきにいっているのでいつもそこに行く
ちびやろうはミートソースしか食べない
飲み物はブルーベリー ....
夫と言い合いになった日の深夜
冷蔵庫の前に這いつくばって
冷たい床に雑巾で輪を描いた
何度も何度も同じ輪郭を辿って
ただ一心不乱にひとつの輪を描いた

怖い顔で子供を見送ってしまった朝は
 ....
ひきちぎられたこころたちが
あきのてんじょうを
およいでいる

うめつくされて
ひしめいている
ちいさないきもののように
おびえながら
むれている

ねてもさめても
どこへにげて ....
朝がくることを待ちこがれるほどではないが
ちょっと陽がさす

古い集合住宅の一階の湿気のこもりがちな
鉄筋コンクリートで仕切られた空間が
僕のすてきな居場所だ

教会の鐘はどこからも聴こ ....
いない人だからちょうどいい 「下を見て暮らしなさい」
下には下が、
その下には下がいるということを
赤いちゃんちゃんこを着た人は
底なし物差しを振りかざす

下を見て暮らしていけば辿り着く
プラスチック ....
突然の地震で硝子戸から こけしや人形のたちが落ちて
首と胴体が切り離されて 頭がどこまでも転がっていった

電子レンジがガガガガと 上手く喋れなくなり
冷蔵庫は大鼾をかいて 安眠した
 ....
一匹の青むしが
道路を横断している
ゆっくりと
ゆっくりと
(小さな青虫だから)
這っていく

きっと
道路を渡りきってしまう前に
あの青むしは
車に轢かれてしまうだろう

そ ....
昔 そこに畑があった
住人たちは種を蒔き苗を植え
野菜を作り花を作り 少しばかりの木を植え
土に汗をおとした
笑い声も聞こえた

主が亡くなった畑を 子供は捨てた
未亡人は独 ....
あおい満月さんのおすすめリスト(1230)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
【_払拭_】- 泡沫恋歌自由詩29*15-10-21
冷たい破片- 凍月自由詩7*15-10-20
戦場- 小川麻由 ...自由詩4*15-10-20
パルスなし- 北大路京 ...自由詩1915-10-18
sakura_pink- 北大路京 ...自由詩14*15-10-18
ポテトチップスをせがむ女はいないほうがいい- 北大路京 ...自由詩715-10-18
◎瞑想- 由木名緒 ...自由詩15*15-10-18
喪失- 為平 澪自由詩20*15-10-16
潜る- 北大路京 ...自由詩2115-10-15
冬のはちみつ- そらの珊 ...自由詩20*15-10-15
メガネの店で- 為平 澪自由詩1415-10-14
哀歌- 為平 澪自由詩1015-10-12
羊とともに眠る夜- そらの珊 ...自由詩1415-10-11
空が落ちてる_ - 阿ト理恵自由詩3*15-10-9
名付けなさい- Lucy自由詩24*15-10-7
はぐれ雲- 吉岡ペペ ...自由詩515-10-7
老人の悪意- ……とあ ...自由詩6*15-10-7
晩餐会- 為平 澪自由詩13*15-10-5
死を待ちながら- そらの珊 ...自由詩15*15-10-5
かわいそう。- 梓ゆい自由詩3*15-10-5
漆黒の空- レタス短歌315-10-5
ライフ- モリマサ ...自由詩215-10-4
磨くという行為- 夏美かを ...自由詩48*15-10-1
不慮の詩- そらの珊 ...自由詩21+*15-10-1
for__you_- 梅昆布茶自由詩2015-9-30
そうがいいと言われて- 鵜飼千代 ...自由詩11*15-9-30
あげぞこ- 為平 澪自由詩10*15-9-29
家霊- 為平 澪自由詩915-9-29
【_青むし_】- 泡沫恋歌自由詩24*15-9-29
無断投棄- 為平 澪自由詩615-9-24

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