虚空に延びる重機の
股間が避けて
爪が大地をかきむしり
破壊された生きものたちの
未来
お風呂で、血にまみれた私を洗い流す。

ごみ袋には 死体
どこに 運ばれて行く

どこかに 運ばれて逝く

浴槽が、いった。
まだ、お前が、片付いていない。

出しっぱ ....
種を蒔く人よ
太陽が目覚める前から 満月が挨拶するまで
私を耕してきた人よ

私は情けない文字でした
いつも 対角線から汚いコトバで罵り
そして 平行線に並べられた
多種たち ....
まばたきは
シャッターだから
夜になると
わたしのなかは写真だらけになる

そうやって
撮り続けた
日常のいくつもの場面を
夜の川に流していく
笹舟のゆくえを追えないように
それら ....
夜の{ルビ静寂=しじま}が
私を思考の世界へ誘う
仄暗い豆球がシーツの海を照らして
波打ち際には夜光虫のように
ラメ入りマニキュアが光るから

私の思考回路は小舟に乗って
大海原へと漕ぎ ....
飲み干したコーラの瓶に
ロケット花火を立てて火をつける
爆発したらどうしよう
私は怖かったけれど
夏のあんちゃんは張り切っていて
怖いとは言い出せず
耳をふさいだ
そのいくつかは
湿気 ....
7月
銀と銅が錆び付いた海
夜の埠頭は鉛の影をちらつかし、張りつめられた石板に重奏が刻まれる
圧力で押しつぶした風/
/蒸れを嫌う羽虫
ヘッドライトの灯りが波を照らす/閉じた垂直窓
 ....
目覚めれば記憶の波から押し寄せるからと
まぶたには花びらのような匂い立つ手が
幾重にも重なりあって 私の瞳は閉ざされる
脳髄の薄皮を玉ねぎを擦って剥ぐように 
捲ってはならない
球 ....
言葉を持たない
ほどけゆくはなびらに顔を寄せる
月曜日のこんにちはが
金曜にはさようならになって
まだ夏は来ないというのに
固い棘に触れた
わたしの指先に
染みのような血だけを残して
 ....
空き地にはヒメジョオンの花盛りラブアンドピースアンド猫

     ヒメジョオンってその名のとおり、可愛らしいいでたちで
     あるのですが、群生していると、なんだかガールズトーク
    ....
土産店で買った小鳥のおもちゃは
出来は良くないものの軽快に飛びそうに思えました

不器用ではありますが羽ばたいたのです
ただ天をさしてではなく

いまは誰かが踏んづけたのかもしれませんが
 ....
 
見えている未来に うんざりし

見えない未来に 不安を覚える

どちらも本当ではないのにね



 
月光に色彩を失った体温がナイフを研ぐ
知恵は分裂と融合を繰り返し
情欲に肥大した心が沸騰している
突出した眼が揺れて
生じた眉間の隙間にナイフが潜り込み
矛盾にゆれる知性を切り裂いていく
 ....
寿退社する君へと
パッションフルーツを
プレゼントする昨日
月末に送別会があるようで
退社するときに演説する
練習をまたしている

揺りかごから
墓場までと云う言葉を
知っている?と ....
こころの透明な日に海がやってくる
あてどもない迷いに逢いにやってくるのだろうか

迎えるすべをしらない私はとおい砂浜で貝を観察したり
でも思い出に似た貝殻をさがしてみる

光沢を失った風景 ....
波打ち際

ビー玉大 小ジャリ拾う

口にふくむ


「私 見張り番をしたのよ」


「何の? なぜ?」


「砂泥棒の・・・コロッケを買うお金欲しかったの」
 ....
私は関西人だけど
納豆が大好きです!
けれど頑固な関西人の旦那は
決して納豆を口にしない

蛸を食べる日本人を見る
欧米人の眼
豚を食べる民族を見る
イスラム教徒の眼

彼にとって ....
飛ぶ
ということを手放して
風を作る
ということを手に入れた
君は無口なプロペラ

人間が涼む
猫が涼む
テーブルの上のうすい紙切れを
宙へ舞い上げる
いたづら

わたしに見え ....
奇数行 長谷川忍
偶数行 鵜飼千代子


時々は嬉しいこともあって
蛇の目に注ぎのぼる酒を見遣ると
それでお酒を呑む
波立つおもてにやがて 習ったよう ....
【水だ】

空が、しだいにコーラルブルーに
かすむ

骨だけになって、鯨は
今日も尾頭付き

水族館の いっかいから 
          二階にかけて
       ....
雨が降ったあとだけ
わたしは
この世に生まれます

黒い空から
産み落とされたというのに
見上げれば
 ――おもいわずらうことなど最初からなかったように
 ――おもいわずらうことは誰で ....
ひと押し
ふた押し
み押しするたびに
深いところから
吸い上げられてくる
手応えがあって
ほとばしる
夏でも冷たい水、水、水

水という命を手に入れるために
用意された
一連の単 ....
独身中
    家と家の間の狭い庭に居着いたアマガエル一匹
    今年も紫陽花の葉に上にあらわれた 

眼 さましたか
やせたな

ひとりか
女房はどうした
子ども ....
小さな靴の愛おしさを
ときおりこうして取り出してみる
小さな足はもう消えてしまったけれど

バーゲンセールは年々前倒しにやってくる
梅雨が明けてもいないうち
夏服には割引の赤いタグがつけら ....
    コンパス

―家でコンパスを使って円を描く練習をさせて下さい―
先生から届いたメール

 さあ、早速コンパスを使ってみよう!
 こうして物差しで半径の長さを測ったら
 紙に針を刺 ....
30歳

そんな自分が結構好きだったりする
それは本音かい?
それともただの思い込み?


あのメジャーリーガーは 25歳にして
161億円の 価値を与えられたんだ
その ....
服を脱いだら 頭だけになりなさい
そのあとは 感覚だけで
頭と身体を 切断される痛みを知りなさい

君の目に見えるモノの 向こう側をえぐり取り
頭で覚えた文字を身体に刻め
君の唇 ....
その会が開かれたのは 誰も知らない下町の
赤提灯の中だった

自己紹介よりも先に 大皿に盛りつけられた
大量の鮮魚の切り身や貝の盛り合わせが
次々と 運ばれてきた
私たちはその魚たちが ど ....
ちゅんとしか
啼けないでなく
ちゅんとしか
啼かない

くちばしの
下にある
君の発音器官が
そう決めたから

多くの言葉を持つ人は
たくさんの選択肢を持つけれど
ほんとうに伝 ....
夏野菜をピクルスにする
間引きのキュウリと
大根と
色鮮やかなパプリカと



あなたの傍にいつもいられますように、と
ピクルスは今日も味わいを醸す
あおい満月さんのおすすめリスト(1223)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
排水工事- イナエ自由詩9*14-7-26
かたづける。- 為平 澪自由詩214-7-25
種を蒔く人へ- 為平 澪自由詩8*14-7-25
小鳥の歌_【詩人サークル群青・七月の課題『歌』へ提出作品】- そらの珊 ...自由詩27*14-7-23
【_思考する夜に……_】- 泡沫恋歌自由詩15*14-7-21
花火- そらの珊 ...自由詩20*14-7-20
コンテナの夜- アラガイ ...自由詩8*14-7-20
デリート、デリート、デリート、- 為平 澪自由詩4*14-7-19
おもかげ- そらの珊 ...自由詩12*14-7-18
梅雨の晴れ間にミスターハロー- そらの珊 ...短歌10*14-7-17
小鳥- 梅昆布茶自由詩1314-7-16
未来- 殿上 童自由詩25*14-7-13
寒い夏の情景- イナエ自由詩11*14-7-12
ラストメッセージ症候群- りゅうの ...自由詩14*14-7-11
- 梅昆布茶自由詩1914-7-11
潮(うしお)- 芦沢 恵自由詩23*14-7-11
【_納豆_】- 泡沫恋歌自由詩17*14-7-10
やさしいプロペラ- そらの珊 ...自由詩28*14-7-10
交錯詩_「お酒」_____長谷川忍___鵜飼千代子- 鵜飼千代 ...自由詩16*14-7-9
【水】引き潮- るるりら自由詩22*14-7-9
水たまりのひとりごと_【詩サークル群青_六月の課題『水』への ...- そらの珊 ...自由詩14*14-7-8
古井戸__【詩サークル群青_六月の課題『水』への提出作品】- そらの珊 ...自由詩13*14-7-7
アマガエルー独身中- イナエ自由詩10+*14-7-4
バーゲンセール- そらの珊 ...自由詩1914-7-3
コンパス- 夏美かを ...自由詩36*14-6-30
30歳- itukamitanij ...自由詩3*14-6-26
ファントム- 為平 澪自由詩614-6-25
赤提灯の音- 為平 澪自由詩314-6-24
はずれくじひいたみたいなすかすかのオレンジを憎んでみたりする ...- そらの珊 ...自由詩20+14-6-23
ピクルス- 鵜飼千代 ...自由詩12*14-6-22

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