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双児の肉片を
野良猫が咥え
片鱗に花を咲かせて
モリアオガエルを
抱き寄せる

ふと夜空に顔を上げて
星の瞬きを見つめても
あなたは落ちてこない

赤が赤があることに
素直に頷け ....
 
 
 
 
 
  空に浮かぶ
 
  白い雲たちは
 
 
 
  地上の山に
 
  ぶつかる
 
  風の抜け殻
 
 
 
 
 
 
  雲は ....
{引用=




深まる夕闇の中で
水底まで透きとおった
滑らかな黒の湖水に
斜めにさし通した櫂から
膨らむ波紋 滴る雫が
清澄の音階に流れつづけ・・

静かに進む二人きりの小 ....
朝みた空が
あまりにも白かったから
空を突き抜けて太陽を殴りにゆきたかった
気持ちよく生きてこうって決めた朝なのに
なんでこんな灰色の空なのか腹がたったから

ぱらついてきた雨に どうにで ....
やけどみたいに広がった傷跡は
消えないこれからも私からは

生まれたこと
生きてきたこと
ここまできたこと
に どんな意味があったのか
まだわからない

生きる意味がわからないから
 ....
     俯いている
  
     苛立ちはこころを駆け
     涙は机に下垂る

     ー愛に育まれた女たちは
      夜は眠る時間だと
      知っているから
   ....
髪の毛を切ってもらう


ばさり、ばさり、



あぁ、この人の芸術品になってゆく


ワタシ
ぼくの偶然にきみがつながる

きみの必然にぼくがつながる

ねえ、だれか、教えてくれよ


行為の河ははんぶんに出来るの?

海ってほんとうに存在してるの?

こんなぼくできみを ....
違うけど 違うけど うまく言えなくて
黙っていたから そうだってことになる
ほんとは違うって言おうとしたら
ほんとってなんだろうって思って話せなくなる

私はこう思ってるって言いたかったけど ....
行間に迷子になったままで
閉じてしまった本に
過去まで戻されました 
あの日のあの廊下の隅で
自分を閉じ込めてる
自分を見つけて解放したくなった

その道を歩いて
今にいるのだけど
 ....
{引用=




見上げた月は 皓々として
雪景色の深い谷の 底にまで
光を落としていた

白い中空の湯のなかで
魚のように戯れたね






紺青の空に 雲

 ....
えー… ちょっと待ってよー…

これはないでしょう。ねぇ。

もっと別の場所はなかったの?

終わったわ。私。

今世紀最悪だよう、神さまのばかー。


こんな、こんな、

 ....
ぼくの町の
冬と春の境界は
一日で線引きされたように
唐突に 暖かな風が吹き抜ける

山に一方を封じられているものの
海からは潮の匂いとともに
サイタ川をさかのぼり
荒んだ寒風を
穏 ....
彼氏を家に呼んだ


彼氏を見たおばあちゃんが


「幸せね」と言った


私と彼氏は


「ありがとう」と言った




数日後おばあちゃんが死んだ


遺品 ....
延長コードをひっぱってきた
先はどこにあるのか知らない
足りない気がしたから充電したいんだ

長く繋がっていることで
安心できたけど
先はどこにあるんだろうと不安になった

見えないこ ....
{引用=




午前の森の中に
七つの池を巡った
エメラルド色を湛えた 太古の静寂は
やさしい風をふくむたび
燦めく微笑みを見せた

僕たちの前の 永遠の現場

蒼空の中に ....
春は私に重いので
春にあわずにゆきたいの
柔らかい風をさけるよに
夜の無音の中をゆく

春は私に重いので
春の言葉をきかないの
すべてを包むあたたかさより
ときおりの冷気がちょうどいい ....
がんばって がんばって
がんばってるのに
なにやってんだって言われる結果になって

その結果に傷ついてるのは自分なのに
ごめんなさいって言っている

がんばればいいって みんな言うけど
 ....
墨いろの街道

放たれた欲望は

雨上がりの夜にさえ

涙ながして飛んでゆく

飛んでゆく


好きだけじゃ

足りないみたいだ

このせつなさを

春の切実と名づけ ....
ごめんといったきり
黙るあなたの前で
私のすることは
許すことじゃないんだよ

私には あやまらないでいい
あなたと 私 ずっと
一緒に笑ってきたじゃない

昨日の私の失敗を
肩た ....
人というのは辛いときであっても

いつも同じテンションで他人と接しなければならない

いつも変わらず笑っていないと

人は寄って来てはくれない

だから無理して過ごしてはいるけれど ....
青白く光る 脊椎に

透き通る 鎖骨に

規則正しく並ぶ 肋骨に


指をつぅと這わす

吐息をほぅと吐きながら


その 

冷たくて怪しく光る写真を眺めながら

私 ....
誰もいない 夜の草原を

あなたと二人で 歩いていた


それも 手をつないで


だけれど むこうから

あの子が 歩いてきたから


繋いでた手を振りほどいてしまった
 ....
{引用=

水面の きらめきが 遠くから 広がった
扇のように くりかえし くりかえし

君の 遠い視線に ささやく
はにかんだように とりとめもない

風の言葉…




 ....
給食費を払いたくない親がいるらしいけど
その子供は大食いらしいよ
なにより給食がすきなんだって
おかわりっていう声が明るいんだって

教室とろうかの隔たりが なくなって
オープンスペースに ....
日が長くなってきた
暖かい日がちらほらと
そろそろ学生遍路が道に迷い
路傍で空を見上げる頃か

蝉の鳴き声が聞こえる
まだ冬の終わりだと言うのに

耳鳴りだろうか?
幻聴だろうか?
 ....
窓に手の平押し付けて
冷たいですねと笑いました
うすい うすい 笑いでした
唇の色も失くすようでした

窓あけて 二度振り返る
あなたがいるように期待して
夜風は ふわりと舞っています
 ....
「ねぇ、悩みを聞いてくれない?」

始めはうんうんって聞いてた彼女も
もううんざりしたみたいで

あー うん へー そうなん

そんな返事しかしなくなった


だから切り出し方 ....
メールという
文字 記号 形
好き

メールが来るということは
わたしの楽しみが増えること

めったにメールなんて来ないから
メールが来た時は
思わずにやけてしまう

今度は ....
あのころあたし失恋したら

生き方までかえなきゃ気がすまなかった

だから名古屋で派遣してやった


カレの親友が好きだった

カレも親友も研究なかまだった

カレに結婚してって ....
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