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以下、私の友人である故中川路良和君の処女作品集でもある『頭變木』所収の全詩篇です。
初対面より間もないころ、人には見せたことがないのだが、と中高生時代に書き溜めた作品をなぜかひそかに読ませてくれ ....
文=まどろむ海月 絵=彩也香・M
{引用=
二人の人間が死ぬと、一匹の猫が生まれる。だから
猫の目は 時々 左右 色が違う。
....
{引用=
誰が投げたか
空の底に小石が一つ
果てのない青い花の野に
生まれたばかり白の風紋は旅立つ
それは水溜りに揺れる夏の楽譜
硝子のまぶたに透け ....
{引用=
? 薔薇中毒
愛しい薔薇の
深紅の花びらが
狂おしく息もつけぬほど
降りそそいだ
あの頃
夜毎の夢の中でさえ
貴女の馨りは
深く ふかく
....
{引用=
? 彼
味噌っかすの子でありました
家での安らぎの場所は押入れの暗闇
たいていそこで うつらうつらと
青空と雲
黄昏の風と 夕焼け
を眺めている ....
るる は ねじ式
ぎこぎこ
いぜんは そうじゃなかった
いくない魔法使いめ
しどいめに あわせるじゃあにゃいか
ぎこんぎこん
鼻をかじったぐらいでなんだい
あたちはあ ....
散りゆく影を追い
夢は螺旋を描く
振り向かれることも
交錯することもなかった
微笑みが蘇る
たゆたう まなざし
銀は舞い散るのに
光りは指から
こぼれる
触れられず ....
夜がやって来た
挨拶がわりに
手元にあったまたたびをさしだすと
なんと 長い舌を出して べろっとなめ取った
裏返しになってよだれを流し
でろでろになったところを見ると
どうや ....