境界線が張り巡らされた世界
行き場を失ったやり切れない気持ちは
どこに行けばいいのだろう
どういう結末がまっているのか
誰も知らずに塊になって行進する
過ちも間違いも悪意も誠 ....
{引用=小鳥のあおいへ}
君の目の
レモンのかおりするかたちで青い輪にふちどられた高く清んでいる空
少女だった
君は、
妻になり
母になり
私の恋人でもあって
今日、{ ....
少しづつ はぐれるようにして
息のつけるところまで
霧雨が 庇う様だ
陽射しが吠えていた
ハンドル握りながら
ひとすじの 血脈が
太陽に かかると思っていた
そして 同じくらい ....
回転木馬で日が暮れた
ふらり立ち寄る若侍は
ガキ大将に殴られては
顔を赤くして騙す日々
照れたふりして歩く
風来坊の雷が落ちて
足下に火がついて
石油缶に引火して
部屋中が火事だ! ....
妻とふたりで
人生ゲーム
眠れないふたりは
お酒も飲めないから
ルーレットを回して
ひとコマすすんだり
一回やすんだり
思い通りにいかない人生の仕組み
結婚したらピンクの車にの ....
月の夜道を行ったって
どこに辿りつく訳でもない
ただ
視線を先へと伸ばしても
あの光は遠すぎて、見えない
月の夜道を歩いたら
立ちすくむ銀うさぎ
あそこから来た訳ではない、と言う
....
母は優しい
兄貴より遥かに出来が悪い俺は、
絵が好きで詩が好きで、なんだかいろいろ中途半端で、
でも、
生まれてきてくれて本当に嬉しいのだと
臆面もなく言うから
俺はいつもあなたの目を真っ ....
ぼくは詩人
広大なマクロの世界
繊細なミクロの世界
今日もまた
朝の散歩をしていると
窓枠に出会いました
ガラスはなく窓枠だけ
両手で持ち上げ
そこから見えるさまざまな ....
歌舞伎役者は
立っているだけで美しい
その凛とした立ち姿は
長い鍛錬の賜物だ
私の言葉よ
おまえは立っているか?
インターネットの言葉の荒野で
おまえは立っているか? ....
眠りから覚めると真っ白い世界が待っていた
黄金週間の真っ只中
僕には予定なんかありゃしない
こんなに神々しい日においてけぼり
こんなに喜びに満ちた日に喜びを感じない
い ....
静寂
深夜二時の公園
誰もいないブランコが揺れる
錆び付いた音は私の足音に重なる
朝焼け
午前五時の窓の外
眩しい光がカーテン越しに見える
あまりの腰痛に私は起き上がれない
....
雑貨屋で見つけた黄色いとんがり帽子。
絶対似合うはずは無いんだけど、買った本人もびっくりの衝動買い。
タンスから黒いタートルネックと青いパーカを引きずり出して
とんがり帽子で目元を隠せば
私の ....
空がほつれ 花になり
空を淡く照りかえす
むらさきになり 羽になり
まぶしく逆さの金いろになる
廃屋がひとつ
いつか走り出す列車のように
窓だけをにじみかがやかせ
少 ....
ゆうぐれの中でじっと目をつむっていると
血ではない何か温かくて
液体の優しさの
何かとても温かくて
カンケリの音が通り過ぎるまで
永遠のはんぶんの時間で
空は焚き火のよう ....
ちょっと寝不足
コーヒーを飲みながら
スズメの鳴き声
子供たちの黄色い歓声
隣のおじさんの洗車の水音を耳にする
休日の朝
今日は晴天だ
光がこぼれてる
ゆっ ....
ぼくは詩人
目で見ているのは実像
心で感じるのは虚像
なのかもしれない
実像は倒立だが虚像は正立である
今日もまた
朝の散歩をしていると
青空に出会いました
この空の下 ....
星飛雄馬のお父さんが
ちゃぶ台をひっくり返したのは
実は
たった1回らしいと
誰かがブログで話してた
怒鳴って
声を荒げて
破壊して
それは新たな怒りを呼んで
そうして
本質は ....
?.
(脱皮中の大蛇が、ぐるぐるするめまいのなかで想いました)
眉間のあたりがパキパキいってらあ
白黒の国にいこうかな それとも
クリーム色の国でやさしく暖かく生きてゆくか
....
性的な意味でギャンブラー
性的な意味で英国紳士
性的な意味で後先考えない
性的な意味で暴露本
性的な意味で天才ジョッキー
性的な意味で麻薬中毒者
性的な意味で小学校教諭
性 ....
川縁の土手に根を生やした蒲公英たちは
うららかな春の陽射しを浴びて
いっせいに背を伸ばす
夏になったら向日葵になるの
ダンデリオンが通りかかると
みんなで声をそろえて問い ....
君と
君の子供と
駝鳥牧場に卵を買いに行く
大きな鳥に
君も
君の子供もはしゃいで
{ルビ接写=マクロ}切り忘れて
携帯で駝鳥と撮った写真は
すべてがぼやけて
僕らの風景 ....
ここに居てもいいですかと訊いてしまうのはとてもこわくて
悲しいこたえを知っているような気がして
言い訳ばかり思い浮かべては
泣いてしまいそうで
きっと許されてはいけない、
何 ....
窓から窓へ
動くものを追いかけている室内猫
視ることだけが 世界で
ごめんね猫
室内から室内へ
動くことだけが世界の私も同じだから
触れずに着けてきた匂いだけ持って
ただいま猫
....
いま大音響でロックを聴いている
のめりこんでいい気持ちだ
向こうの部屋では
気持ちよさげに
彼女が寝ている
真空パックや魔法瓶で
この白い時間を閉じ込めたい
部屋に白いちょう ....
まるで
まるでなにごとも
なかったかのように
空をあおく塗り
海をあおく塗り
水平線もあおでひき
青い浜辺を少しだけたして
仔犬をいっぴきかきそえる
首に首輪がいくつか ....
ぼくは詩人
孤独を感じたとき
それは自我への認識である
今日もまた
朝の散歩をしていると
少年に出会いました
1人ぼーとして
土がむき出しになっている
広大な畑を眺めて ....
追いかけてきたものは、何であったか
追いかけるべきものは、何であったか
あの蒼々 あの爽々
届くはずもないと{ルビ諫=いさ}められても
羽ばたく自由まで
奪われたわけじゃない
....
ぼくは詩人
自分では新鮮な考えと思うことは
他の人も考えていたり
また昔から思われていることが
多いかもしれない
今日もまた
朝の散歩をしていると
猫に出会いました
ぼ ....
気持ちのいい場所で
気持ちのいい格好で
吹かれていたい
風に
ただ、風に
傲慢なアロエが花開き
狼煙が上がれば
いけないものが
ひとつ ふたつ みっつ
投げ入れられた天然の業火によって
焼却され始める
炉の中で
いけないものは
極上の白く澄んだ水晶の球に
....
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