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お気に入りの毛糸のベストが
母が赤いいちごを編み込んだベストが
もう入らなくなってしまったと気付いた十二の春
すこし悲しいと思ったのは
自分が大きくなってしまったからなのか
ベストが小さ ....
今さらながら驚いてしまうのだけど
あなたはまだ生きているのだった
毎日とんでもない数の人が死んでゆくというのに
あなたより年若いバカが自殺するというのに
あなたが死んだという連絡はまだ入らない ....
青いタイルのベランダに降り積もる羽蟻の死骸
雨のない夏 睡魔に襲われる夕刻
ゆっくりと旋回しながら
飛行少年が落ちてくる
脚を尖らせて私は歩く
あなたはコンパスで地球を計り
風 ....
歌舞伎役者は
立っているだけで美しい
その凛とした立ち姿は
長い鍛錬の賜物だ
私の言葉よ
おまえは立っているか?
インターネットの言葉の荒野で
おまえは立っているか? ....