23時の目覚め
「気が付きましたか?手術は終わりましたよ!」
オペ室のナースが俺の体を揺すった
体中に宇宙遊泳のようなチューブが施され
夢をショートカットして
俺は昼から夜へ一気に移動した
 ....
山が燃えております
勢子が駆けております
楽しいばかりで得た物は帰り道におきます

あんたなんと思いよ
私の運ぶものよ
稗粟を炊いて帰り道で食べます

病が流行っております
人も死ん ....
運命があるなら
それは
いつまでも結ばれない靴紐に諦めを与えるような
ただの呼称だ
追いつけないレースや
焼き上がらないパンや
届けられない手紙や
呼ばれない名前に諦めを与えるだけの ....
奥深い森のなか
大蛇のような泥の河を下り
僕が猿の真似をする
ヤノマミがそれを見て笑う
彼らはよく知っている
人間がそのむかし猿の王者であったということを

僕は踊る。覚えた ....
海岸沿いに見えた風景の中を
走り抜けて行く ネズミ色のトラックや
何も無い 瓦礫の街の壁を
背景に 街を彩ろうとする
青い海の観光地が 見えている


思い思いに 空の中へと どこま ....
青を背景にまっすぐな道路が
斜面を登っていくのだけれど
いずれ天に触れそうなところで
消えてしまうとわかる

長い橋を渡りながら
巨大な甲殻類の内側で
対になる脚を数えていても
韻律は ....
覆い尽くそうとするビルに負けず
ただ泰然と空はあった
眩しい交差点を抜けると再び
空は切り取られてしまうけれど
工場の音さえ微笑ましく
あるいは無表情に
空はそこにあるだけだっ ....
祈り捧げる
オリオンの夜に

わたしはあなたの首輪となりましょう

締め付けて
もっときつく

わたしの憂欝は
すでに蛇のようにわたしに絡まり
両手を合わせるのさえ
まるで機 ....
薄い靴下に 冷気が渡ってくる
凍りかけた土に 残る雨水
青につらぬかれた 空が濁る

遠い所で カラスが鳴いた
歩く頭上を 羽音がかすめる

振り返ると 朱色の実が いく粒か
 ....
ふと覚めて梨の皮剥く午前2時 今日の終わりの夕暮れに
街は開店前の呑み屋のようで
ぽっぽっ ぽっぽっと
灯が灯る

昌平橋から見上げる高架
縄のれんのような柳の木
ぽーっと灯る提灯脇に
昭和の夕暮れ 宵の口

 ....
朝焼けの美しさの前で途方に暮れるたび
あらかじめ失っているものの大きさを思い知る
それでもこのまま進んでいくことしかできない
アルゴリズムに沿ってできるだけ

ループから消えた数字は
 ....
空よ 月よ と 鳴くばかり
空よ
月よと
鳴くばかり

わたしは芋虫
かえるの 子

明日を夢見て
明日

棄て
られ

それでも
 ....
柳の木の下で
若い女が泣いていた
亡くした夫の遺影を抱いて
帰ってきてよと泣いていた
しょんぼりとした後ろ姿は
しだれた柳の枝のよう
風だけがそよそよと
後ろめたそうに吹いていた

 ....
誤解されて

ひとの役に立てなくなるようなとき

この詩を口ずさんで

しずかな気持ちになるのが好きです

脱力して

まるではだかで抱き合うように

お喋りしながら

ま ....
 
冷たい直線が
流れていく
今日は朝から
ろれつが回らない、
白い紙へと
その先に長く続く
生物の住めないプール
それは時計にある
二つの瞳孔
人が唇を触りながら
ゆっくり ....
三つのマッチを一つ一つ擦る夜
始めは君の顔を一度きり見るため
次のは君の目を見るため
最後のは君の唇を見るため
残りの暗闇は今の全てを思い出すため
君を抱きしめながら
骨を飲み込んだ壁の絵は
歩けるようになった
かすかに影をいだいて
陽をひきずり
音を避けて
草の渡れぬ反対側へ
道に線をのせた

ぽとり と雨が
さほど濡れない
ひさしのついた壁の ....
どうも長生きしたいらしい
こんな家の猫なのに

あそこの猫は野良だから
こないだ急に死んだらしい
犬の野良はさいきん見ないが
どこかで食われているのか知らない

お前は家の ....
甘い香りに全てを奪われ
何から伝えたらよいのかわからなくなった


不意に瞳に触れるのは
隅に佇むすべりだいと
少し汗ばむわたしの右手


人の手では作ることは出来ない
きっと生ま ....
雨音ちりちり
夜風に揺れて

不思議な傷を
道にバラまく

白線縫われた東関道を
削りながら
鳴きながら

明日も同じ帰り道
水泡が曲がれば
いいんだろうが
バスがかわりに
 ....
朝早くから
ショベルカーが稼動し
小人は井戸のところにいた
ちり紙でつくられた椿
丸一日をかけて
取り壊されていく母屋を
いつまでも見ていたい小人に
昼過ぎに雨が降る
小人がかけ足で帰 ....
月に着いて4日目に信じられないものを見た

そらを覆う、巨大な 黄色いクジラ

音もなく 空を泳ぐ

僕と目が合い

一粒の涙を流し

また泳いで 月の地平線に消えていった、
俺は君とSEXするとき
毎回やり方を変えてる
同じように思えても
毎回微妙に違うんだよ
たとえば舌の絡め方とか
乳首への愛撫の具合なんかが違う

毎度おんなじやり方じゃあ
実力のないボ ....
昨日の雨は上がって
今日はよく晴れた日だ


大きな音楽をかけて通り過ぎるのは
灯油屋のトラック
たくさんの鳩が止まった電線は
重たげに弓形を描く


当たり前の朝だ


 ....
比喩よ!ああ比喩よ!
あなたはなんて偉大なのだ!
私のような小さな人間をも大きくしてくれる!
ああ!そしてなんと使いやすいのだ!
あの歌も!この詩も!あの人も!皆があなたの虜!
もし触れるの ....
言葉って何なんだ

僕は此処にいるのに

何にも聴こえないじゃないか。




カイパーベルトの海を越えて




ぱいおにあ10ごうへ


わたしは、うちゅうが ....
 
 
象といっしょに
列車を待ってる
朝からの温かな風が
服の繊維をすり抜けて
僕のところにも届く
こうして春になっていくんだね
明日はまた寒くなって
雪が降るそうだ

昔、象 ....
 
たかのり君
と呼んでしまった
生姜焼き定食のことを

もちろん
たかのり君が
生姜焼き定食であるはずはなく
けれども
一度そう呼んでしまえば
そのようにも思えてきて
こんがり ....
飲み干したハーブティを
テーブルに置き
ちいさな階段の曲がり角を
抜けたら そこは草原です

季節に富んだ草花が
貴方を歓迎し
その先にぽつりと浮かぶ
新緑の家を案内します

草棚 ....
壺内モモ子さんのおすすめリスト(435)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
23時のトラック競技- subaru★自由詩7*11-5-24
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一片- さつき自由詩410-10-21
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夜中- トキハ  ...俳句4*10-10-20
街の灯- ……とあ ...自由詩14*10-10-20
プログラム- 高梁サト ...自由詩7*10-10-20
よわむし- アラガイ ...自由詩4*10-10-20
木情絵巻- Akari Chika自由詩3*10-10-20
八木重吉の『雨』- 吉岡ペペ ...自由詩710-10-19
副題- たもつ自由詩1210-10-19
マッチ- 一 二自由詩110-10-19
雨小石- 砂木自由詩15*09-3-18
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ばらいろ- あ。自由詩5*09-3-18
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カイパーベルトの海を越えて- セルフレ ...自由詩109-3-3
はるまち- たもつ自由詩2709-3-3
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