すべてのおすすめ
    「今日」
   足許が 冷たい
   濡れた路面に浸む夜の訪れ
 
    こんな日も
    あるのか
   早く帰って お風呂にでも入ろう。
 .... 
生きることを
生活を
一生を
大事にしていきたい
母に抱かれ
あやされた
その日の私は
何を思ったか・・・
父の背に
孤独が
見えた日
私は何を感じたか・・・
 .... 
何も言わない
誰かとすれ違っていく
夜の街灯の 道を 僕は
歩いていた 
誰かを追い越していった 
もう
どうでもいい
と
放てば
満ちる
*
またね
っ
て
言える
ありがたさよ 
明けて静かな正月
少し笑顔の戻ってきた母の顔を見て
また あの青空を思いだしてしまい
それから
僕らのパイロット・プラントを吹き抜ける風は
いつでも同じ音になった
 .... 
時には
仕方無いこともあるが
私は
選んだのだ
命を 
 すすきの穂が暮れ終わって
 秋が もはや殆んどない
 御寺の緑に
 ふとこぼした涙は何処へ行ったのか
 荒々しい血汐のざわめきが
 遠い日のことであったと
 気附いたのか
 一 .... 
寂れた町の匂いのする
季節外れの席でビールを飲む
砂粒だらけの赤い足で、
板張りの床を踏んでいた
濡れた髪の女の子が
ハンバーガーとポテトを運んだ
台風が去った跡の景色が、
そのままこの .... 
そよぎゆらぎ
煌めく葉群れ
ひかりの匂い
引き締まる気
囀ずる鳥達の
響きに絆紡ぎ
界の木霊に人
震わせる言葉 
 
 慈悲とつれあって深夜のスーパーを歩いた
 あるいは慈愛とつれだって萩の花をばらまいて歩いた
 おれたちにとっての幸運が猫のしっぽであったような、
 あるいは取り残された者たちの最 .... 
ありがとう
空よ
私の至らない部分が
人のこころを傷つけてしまうのは
私が至らないからです。すると
みんなが至らないよ、と
空は
青ざめてくれる
空よ
ありがとう
いくつかの雲は  .... 
ライナスのナイフは安心ナイフ
あの時ナイフがあったから
血は流れなかった
ライナスのナイフは安心ナイフ
言葉は役立たずだったから
血は流れ続けている
ライナスのナイフは安心ナイ .... 
リハビリ中
リハビリなか
なか‥‥シホ 
 苦悩というものについては、ぼくは、よく知っているつもりだった。しかし、じつはよく知らなかったことに気がついた。ささいなことが、すべてのはじまりであったり、すべてを終わらせるものであったりするのだ。た .... 
  
あの日の雨は
もう降らないのかもしれない
もう降っているのかもしれない
明日
海を見にいこうと思う
海を、見にいこうと思う
辞書の文字が夕焼けに溶け .... 
何でも無い午後の風と
悲しい思いがする そんな
毎日の中を流れている
公園の前で
何でもない日々にある
今は そんな 感覚と
意識の中で生きている
電子工作の手を止めて
 .... 
 
 その朝
 半開きになっているリビングのドア
 玄関廊下の床に外からの光が
 もれ込んでいた
 
 あわてて玄関へ目をやると
 鉄扉は大きく開き
 こちらを見詰める背の高い人影、
 .... 
リズムから溢れる符牒符合をかき集めては
かき集めてはため息ばかりついていないで
今にさよなら半歩先昨日にあばよと階段を
詩を書くことの出来るよぼよぼ歩く老人の
ご老体の影のマス席で韋編三絶繰り .... 
〇
玩具のミニカーに乗りたい、と
息子が言うので
助手席に乗せてあげた
エンジンが無いと動かない仕組みを
なるべくわかりやすく伝えた
息子は勉学に励み
大人になって
ミニカーに .... 
{引用=直視できない静物}
しっとりした朝だ
一夜で山の色味はずいぶん変わり
黄ばんだ光の川底
紫陽花は
くすんだ化粧の下
よく肥えた死を匂わせる
寡黙な季節の形象を前に
ついこと .... 
手はさわり
落ちていく
あたらしく
たどりつく波
その波のかたち
平日の空気を
涼しい寝台特急は泳ぎ
車体を残して
溶けていく
あなたは積木の
手本をしている
手は繰 .... 
日の暮れ方の川辺り、{ルビ湯女=ゆな}の手の触るる神の背の傷痕、
  ──その{ルビ瘡蓋=かさぶた}は剥がれ、金箔となつて、水の中を過ぎてゆく……
({ルビ魚=いを}の潰れた眼が、光を取り .... 
すべての夢が燃え尽きたあと
僕と君とはふたたび会うだろう
そこには静かな風と
穏やかな光があるだろう
そして僕は
もはや語らないだろう
叶った夢のこと
叶わなかった夢のこと
た .... 
観葉植物に餌をやり忘れて
餌はやらなくていいんだよ、と
言葉で教えてくれた人がいた
階段のよく晴れた踊り場のあたりにも
エタノールの匂いがしていて
その間、何本かの準急列車に
乗り .... 
 或る 雨の朝
 しぶきに打たれる鋪道の
 流れる水の勢いを 感じながら
 あなたを久しぶりに思った
  夏の始めの山は緑だから
  美しいし
  君は 緑の年 .... 
あの人の まなざし深く静かな
群青色は列をなして
宙を見つめている
人類の亡んだ地球の岸で、
あの人の亡霊が釣りをしている
風はそよそよと光り
空には雲が
ぽっかりぽっかりと浮かんで .... 
いつしか秋の色もしみじみ深く
高くさはやかな空のすきまには
うまれなかつた光のかなしみなど
きよくちいさくはりつめてゐる
 こんな日はきみとはなしてゐたいなあ
 いつしよにあをぞ .... 
からっぽの手紙が積まれてゆく
借りてきた言葉ならまだしも
狩られているものは人の心じゃないのか
彼との間さえも誤魔化し
軽んずるためだけの言葉が連なる
綺麗なつもりでいて
嫌いとい .... 
洗濯物は洗濯機が創る。
噂は風が創る。噂話は君が創る。
伝わる。沈黙が伝わる。宇宙は大騒ぎだ。
技術は待っている。手探りを。
呪縛。
人生はproject。Mission。何処に産まれようが .... 
{ルビ蟇蛙=ひき}よ、泣け。
泣くがいい。
ぎやあろ、ぎやあろと
泣くがいい。
父は死んだのか、
母は死んだのかと
泣くがいい。
 .... 
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46