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返還された軍用施設跡を覗きに
まだ子供だった僕らはフェンスを越えた

建物はまだ残されていて
バーらしき場所には
ボトルが転がっていた

中途半端に積まれたパレットに腰掛 ....
ダイヤモンドの針をそっと置く

行っておいで

想い出は遠くなるばかりで
美化されたがっているのはなぜだろうか
この溝は
なぞられれば現れる道だ
ふたたび
さみしさの琴線に音を咲かせ ....
指先を太陽に翳して
陽の光の中を着物の着崩れを直しながら歩く

隣町まで足を棒にして歩いてみたら
少しはこの気持ちが楽になるだろうか
茶色い茅葺き屋根の家を過ぎて
長屋を横目に見て
空き ....
蛍の明滅だけが知っている
かすかなぬくもり
かすかなのこりもの
まるで映写機のように
今だけはおもいださせてそっと瞳をとじて
舌の肥えた過去が焼け落ちた瞬きを拾い上げ
  同じ口を借りるまで、垢を吹き混ませて
    足を酌み交わしてつないだ中心から
      私は死にゆくのかと思いながら

        (飢 ....
 澄んだ山の彼方に
 何がある と
 希望して良かったのは
 遠い年代だけの事だったのか

 暗い中をぬけていくと
 ふいに光の中に出て
 あたりは竹、の林
 散りしいた藁に埋もれて
 ....
ふらふっと
溢れ流れ出て
浮遊から跳躍へ
飛び立つクラゲ

穏やかな飛翔にて

濃密に暗まる
空の青みに
明るむ灯を点し

羽ばたく花と為り
咲き開き咲き誇る

  *
 ....
 女が 路地裏に居るのを見た
 
  雨が 降るのを見た
  ライトがいくつか点いて
  薄暗さの充ちてくる

 音の ころがる時
 夜の始まるのを見た

 
 おかもち提げた女子 ....
  十九



 土間のかおりが濃い風の中で
 今もまだ鏡を磨くその人は
 母方の大叔父だった
 茶摘みが好きな
 ハモニカの上手が
 無口な夏の
 終わらぬ波の狭間へ
 時の流 ....
子どもたちの夢は
入道雲とともにあった
貧しかったけれど
夢があった

時は瞬く間に過ぎて
もう戻らない

今は夢にうなされる日々
私たちは畔にいる
この川に隔てられ
あなたとわたし
大空の下 太陽の下
絶え間なく絶え間なく
落ち続けて昇り続けて

洋上で過ごすように
日がな一日、
畔で待ち続けて
絶えず思い出 ....
 ふしあわせ というものが
 とくに こころ美しく
 あたまのするどい ひとに
 みいる のでしょうか

 はんぶん いろづいた林檎の
 つめたい甘酸っぱさを
 あなたは こころ ....
出逢いと別れという
イメージがある三月

友達に誘われて
この時期にはあまりやらない
手持ち花火をやっている

日々の忙しさを静めるような
魅力に触れて感動

打ち上げ花火ばかり見 ....
 水死人の捜索船が
 大声でどなり合い
 そして 声の沈まり
 ぞよめく


 夏も終わって
 浜辺も空虚で
 そのさざめきが
 かえって救いの様だ

 この付近の人々には
  ....
国道沿いの店が
またひとつ閉まるらしい

馴染みの店ではないから
暮らしに困ったりはしないが
こみ上げてくるのは
素直な寂しさだ

どうすることも出来ない
寂しさだ

こ ....
西の空に日は落ちて
仄かに明るむ茜色
富士は威容を際立たせ
茜の地平に黒々と
聳える巨大なシルエット

すべて静かさの内にあり
遥かな遠さを落ちていく

わたしもあなたも別々に
遥 ....
汗が目をつたい
塩辛さが痛い
草は水を失い
根無し草を被っている

ミンミンゼミは狂い鳴き
一日のはじまりから終わりまで
命の終末まで生を主張する


夏は終わろうとしていた
 ....
水分が奪われてゆくので、
たすけてください、
夏野菜さま。

あなたがそんなに潤うわけは、
あなたが夏を生きるため、
単純明快です。

なれど、
お恵みください、
干からびそう ....
濃い青の空に
白い雲の城砦がいくつも立ち
なかぞらを埋めつくす蝉時雨
他のどの季節にもない濃密さで
夏は君臨する

けれどその夏の中に
巨きな空洞がある
夏のあらゆる濃密さが
そこで ....
私の人生退屈知らずで
色々な物事が
毎日起きる
合間にほっとして
こころで零す涙


涙の成分には
悲しみ
喜び
色々なのがある
人生の味わい
小さな手花火
火をつけられたら 
そこからはじまる
儀式
一瞬燃えたあと
丸く赤い心臓が生まれ
酸素を吸って
チカチカと
この世ではじける
火の花
いっときの命
えいえんには続か ....
ポリフォニックな音群が
時を切り刻んで持続する
僕らは没頭しながら従う
開ける光景は予感を帯び
明るんだり暗んだりして
いずれもそこは極北の地
いずれもそこは極楽浄土
あなたはすっと泳ぎ ....
 
 京都三条大橋から
 どう歩いたのか 黄昏時
 そこは照明も暗めな地下の酒場
 会社で 見かけたことのある
 顔が目につく

 チケットが一枚余ったんだ、と言う
 上司から強引に誘 ....
いつから、

あそこにゐるんだらう。

日溜まりの向かふに、

声がする。

日溜まりの向かふに、

声がする。

わたしの声だ。

それは、
 ....
画集の、印刷の匂い、
――――――――――
私はもはや空っぽで、
何も求めてはいない。

何もかもとお別れして、
真っ白な風の中を消えていくのも、
そう遠くはないだろう。

画集の印 ....
          - impromptu +



          前略


ドライヤーで空氣猫に冷風浴をさせてる


と 思ったら自らの蓬髮だったよ {ルビBaby, ba ....
窓の外からプラハの音がする
かつて愛していた人や物も
眠たい砂鉄のように
廃屋に降り積もっている
少し押し込むと
そこで手触りは行き止まり
肉体は肉体たちのメニューとなり
旧市街 ....
夜明け前のベランダからきみが飛ばした紙飛行機が
雨の匂いのする湿った風に乗って海辺までたどりついて
疲れた顔で煙草をふかす港湾作業員の肩に着陸した
薄紫色の空気を震わせるパナマ船籍のタンカーの汽 ....
あまたのことばが虚空を削り
ひとつの卵が残された
閉じ込められた海の幽霊は
体積も質量も持たずに時化たり凪いだり
おのれに欹てることに不自由はなかったが
鳥が縫うような眼差しのおしゃべりに
 ....
 林檎を むきながら想う
 貴方の目
 どうしても思い切れない
 あなたの声

 リトルシガーの煙
 うすく立ちのぼる果は
 頼りない指の先
 もはや 希望の色はなく

 何か ぼ ....
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