詩のことを考えながら
エアコンのファンを掃除
ファンの羽根に手が届かない
割り箸でちまちま
カビがぽろぽろ
夏は皿洗いが楽しいとされる
水遊びみたいという理由
明日は分かりにくい詩を ....
わたしの波長は沈む陽に重なり合って
ポチの波長は雑踏の音を消す
あなたの波長は銀河の渦から生まれ
冬の波長は生まれいづる幹の芽
わたしの波長はノイズのようで
あなたは綺麗 ....
何も知らない芽吹いたばかりの新芽のように
何も考えずに生きていたい
何も考えずに死んで
何も考えずに天国へ行く
不安で圧し潰されそうな日には
無機物に生まれなかったことを後悔して
喜びに満 ....
地御前の牡蠣は大きく甘味強い全国的な知名度低い
旅雑誌見て情報収集し気になる場所に印をつける
もう一人自分がいれば面白い仕事も趣味も分担出来る
和菓子店似たり寄ったりの饅頭が並び新し ....
いつもの公園で待ってるから
ガラクタみたいな行進曲
ツギハギだらけの人生だ
くるまに轢かれてもラチられても
なんともならなくたって
なんとかなったって
悪意しかない ....
壁にも 空いた、うすぐらい
あることに気づかれず
探せば見つけ出すことができる
半ズボンが壁から抜け出してくる
小学校のひび割れた校舎
蹴られる背
水の張った校庭
町工場の錆びたトタ ....
栗おこわ祝いの膳や敬老日
柿食べて今年の秋よこんにちは
野分晴銀杏拾いの人集う
臭うから踏むのはやめて銀杏の実
避けながら歩くのキツいからいっそ銀杏拾いかな
うろこ雲恋しやしふねき残暑去れ
....
槍、
眼球突き刺す
空、
紫の光芒放つ
刻まれる私の運命
刻まれる世の運命
私は行き止まり
世界は進み続け
[貴女は真に美しい]
(進化し続ける意志故に)
私は言う
....
雨の匂いに誘われて
傘もささずに外に出る
空を仰いだ瞳には
雨の涙が降り注ぐ
雨音のリズムに誘われて
身体が勝手に踊り出す
靴を脱ぎ棄て アスファルトの上
裸足でダンス ダンス ダン ....
テンションの上がらない朝
何をやっても上手くいかない
ルーチンワークを片付けるのも面倒くさくて
気乗りがしないまま時間だけが過ぎる
心臓の鼓動も聞こえない
ビートが足りない
ビートが足 ....
旅に出ると
詩が生まれる
人との出会い
風景との出合い
想定外の出来事
予期しなかったトラブルなど
すべて詩の源泉だ
電車に乗っているだけで
詩が生まれる
もっとも僕ののは
単なる ....
努力が足りないのか
家庭が悪いのか
行政が悪いのか
国がやるべきことをやっていないのか
貧困問題もそうだが
秘密保護法問題にしても
じぶんには関係のない話だと
....
あんまり心体しんどくて
行き場を失い裸になる
そうして編み戸から入り来る
秋風ひんやり肌に浴び
生きてるなあ 生きてるなあ
俺は自分を取り戻し
静かに目を閉じ胡座かく
何処にもいかず只此 ....
味噌ラーメンには
ウィンナーとナスが入っていた
土曜日の昼餉に
私はシークァーサーの枝が
伸びに伸び
増えて行った葉も
揚羽蝶の幼虫に
大半は食われてしまったと
思い知らされた
コー ....
東京には山がない
ビルばっかりだ
人ばっかりだ
やっとコーヒーショップに座った
目の前のガラスの向こう側を
ひっきりなしに人が通り過ぎていく
俺と無関係な人たちが通り過ぎていく
何時間眺 ....
1人では決められない優柔不断な彼女は
そんな自分に嫌気が差して
不機嫌な顔で黙り込む
サイズの合わない靴でダンスをするから
優雅には見えないステップを踏んで
足はボロボロ
断ればいいのに断 ....
強い光は孤独だろう
強い光はまわりを焼き尽くす
強い光は頑張ってる
ひとは思い通りにはならない
だけどひととしか生きていけない
無人島で生きるのも味気ない
....
いつも混んでいる待合室
予約時間はとっくに過ぎて
いったい何時間待ちだろう
いい加減疲れた頃に名前を呼ばれる
挨拶もそこそこに
現状維持が出来ているなら
いつものお薬出しておきます
はい ....
コスモが広がる
無限のコバルトの向こう側
ただ一つのスピカを求めて
両腕を力の限りに拡げて
それはまるで翼であるかのように
膝を曲げて
走るように
斜に構えて
疾風のご ....
煽り煽られ踊る火に
鳴りやまぬ枯木林の
奥の奥
紅蓮の幕は重なり揺れて
熾の{ルビ褥=しとね}はとろけてかたい
静かに 微かに
波打つ青い心臓のよう
円くなって まどろむ
火蜥蜴は涼 ....
なんだかなぁ
目は痛むし心は鬱だし
何にもする気にならねぇなぁ
五十七の歳を迎えたこの九月末
外は青空いっぱいで
光が熱持ち降り注ぐ
道を歩けば金木犀の香
甘く甘く漂って
夏と秋と ....
いのちやたましい
こころとかからだ
ニュートンもアインシュタインも
森敦もサルマーンルシュディーも
この宇宙の法則性や人生のからくりを
知りたくて知りたくてたまらなかった ....
まだ暑いね
自販機でジュース買おうよ
100円入れて
オレンジ、グレープどっちにする
コーラよりファンタだろ
「グレープ」
やっぱファンタはグレープだよな
はんぶんこだぞ
ずいぶん ....
夕暮れ時に、私は、その駅に降り立った。
海に近いらしく、磯のにおいがする。駅前の目抜き通りは、さびれていて、シャッター商店街とはこのことか、と思う。閉まったシャッターには、落書きが目立つ。それで ....
会えばぜんぶ吹き飛んでしまうのに
臆病者も恥ずかしがり屋になれるのに
町に吹く秋の風
銀杏のひかりはすっかり黄色いのに
虫の声が星のように瞬いているなのに
どうしてど ....
音楽が辺りを小刻みに震わせる時
からだが先に踊り出す人
静かなうねり 心地よい慣性
グラスの中のブランデーのように
心は 甘く揺らめいて
音楽が辺りを小刻みに震わせる時
暗い片隅に ....
ほんの少しの願望に疲れを感じる昼下がり。
九月の雨は遠く憂いを含んでいる。
彷徨う人は彷徨い、佇む人は佇み。
寂しがり屋の誰かの心は僕を郷愁に誘う。
非日常の中に日常を見つけ ....
静かだなあ
今夜はなんとも静かだ
昨夜からの疼痛が
今は嘘のように収まって
気持ちも
まぁるく落ち着いて
こうして詩の言葉を綴る自分が居る
ちらっと記憶の奥を覗いてみたり
火照る身体を ....
大歓喜せよ
単なる歓喜ではまるで足りない
そうだ
パッパッパッパッ、パッパッパッパッ、パッパッパッパッ、パアッーパアッー、
大歓喜せよ
浅い息
あぶら汗
目を ....
きょうは電磁晴れ
ドイツもオランダも
ギリシャもナガサキも
世界なんて波の調べ
もっと適当でいいよ
意外な感情や答えを
ばっかみたいにトレース
男も女も愛 ....
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