ずすこんと茄子を切る音だけを聴く 動かない川の水に、
漆黒と銀白の陰陽
濃密に混じり輝いている

対岸の雑木林、
淡い陽光に照らされ
そよとも揺れず
枝絡み合い重なる奥に
白い空間 ぽっかり開く

凝視されている気 ....
勾留されて取り調べを受けた。一日めでいちいち真剣に返答していたら体もたないことに気づいた。取調室に向かう際かならずロッカーを通る。そこでだけしばらく時間が潰せる。ロッカーのなかにノートを広げて今日のこ .... 画面の外の半分は淡い光で
覆われていた
手を洗いながらずっと
考えていた
冷たい風が金属製のゴミ入れを擦るときの
音のことを

スクリーンの前には誰もいない
ついに解くことのなかった結 ....
童話のように優しいあたたかい詩
読者を拒絶していると怒られる詩
多分どちらもたいせつ

甘い物と
お野菜
ほっこりとしゃっきりに感謝を

日常の大切さを素直に現す詩
心の風景を婉曲で ....
  ずるい 壁のなかに
  流砂めいた音がしまって
  わたしへ近づいて こない
  明け方 俯き 烏龍茶をのみながら
  アンナ・カレーニナを読んでいるわたしへ
  響け おおきな ....
夫婦は人生のパートナーだ
二人で乗り越えてきたものが
どれだけあるかである
(ねむっているように、うつろに開いて
 よこたわっていても、私には見えてる)

瞬きで合図をくれていた
感情もなぜかくみ取れた
そんなにあふれていたんだね
枕元にたくさん落ちていたよ

 ....
反転した
薄暗い影の
なかに
取り込まれて
居た
なんだったかな
何処だったかな
うちゅうの窪みに
休らって
然るべき場所に確保され
受け留められて
ふんわりと明るみ目覚めた
 ....
口だけやんか
とか 言うけれど
言葉にするって
けっこう大事やぞ
言葉が引っぱってって
きみが信じきれていなかった
場所へ
夢、とか名付けていた場所へ
たどり着ける
こともあ ....
ぼくの身に止まった蝶が

羽根をやすめることができる速度と

やわらかさで生きていく


だまされても理不尽に遭っても

戦争になっても

失意のときも得意のときも

その蝶 ....
ひざまづいてしまおう
 ーもういっぱいいっぱいのときは
ゆだねてしまおう
 ーもうなすすべがないときは

こうべを垂れ土の上に額を擦りつけ
自らの血と熱を地球の青さに流し込む

秋口が ....
ある日
歩いて近くの図書館に行った
詩集を一冊取り出して
椅子に腰掛けて
読みだした
十五分もたたずに
なんだか瞼が重くなってきて
あれれ
ふんわり
文字が
二重三重に揺ら ....
 海を見ていた。
 あなたと私の隔たりをどうしたら埋められるのか考えていた。
 夢にあなたが現れてその時は号泣していたのに
 朝目が覚めてみると枕はほんの少し滲みているばかり。

 海は ....
ただ泳ぎたいだけ
ぷかぷか浮いてたいだけ

どこの海かは問題じゃなくて
夏の海こそが
帰りたい場所なんだ

泳げば忘れる
いいことも悪いことも

自分が生きてることすら
赤々と燃える送り火を眺めながら
今年も夏の終わりが近いことを知り
一抹の寂しさが、胸を過る

盆が過ぎれば間もなく
朝の空気が変わる
早朝、太陽が昇る前
ほんの少しだけ
軽くひんやりと ....
 噂話で伝わる

 いい人ね

 食事御馳走になった

 荷物持ってもらった

 話を聞いてくれた

 過去形で

 未来への言葉がない

 やさしい人

 いつま ....
空に

宇宙が染み出している

秋だ

白い夏の空に

虫や風よりもはやく

秋の光が走る


人間の美しさは髪形だけになる

匂いや陰毛が鼻や歯にはさまる

晴れて ....
私の瞼に咲く花は
いつも明るく黒い色をしている
明るい黒い色は
ナイフで切り刻まれた
唇の笑顔になって
翼のようにひろがっている
空を見上げては
飛びたがっている
私の明るく黒い花は
 ....
花びらを握りしめた
手のひらをそっとほどく
花びらは蝶になり
夜明け前の赤い空へむかって
円を描きながら飛んでいく


指先から聴こえる
川の鼓動をたよりに
目を覚ました足で
鼓 ....
生きるのがキツイ
意志が萎えて
今日を乗り切る
ので精一杯

タイトロープに身を預け
垂直に落ちていく時間を想う
足場を失くし耳切る大気の音は
いつか見聴きしていたリアリティ

遥 ....
抱きしめたもの
全部ひっくるめて
冷蔵便で送るよ



たとえば

 大田・桜公園

{引用=擦り傷だらけの 谷やんの
分厚い両手が 切るネジは  
ミクロの世界で 刻まれて
 ....
今日も雨だね、

そうだね、と返す

季節外れの雨好きよ、

君も物好きだね、

無名のコーヒー飲みながら

僕らの会話は続いていた

湿気と雨が纏わり付いて

苦手だった ....
  乱雑に積まれた古本の階段をうっかりと
 踏み外して雪崩る時間
目眩き
感光した 
 若き夏の日の窓辺
   白く濁る波の音 
         瞑り流されて
     大好きだった  ....
にぎりしめるのは、鉄の冷たさ
弧を描き
風にのり月へ飛ぶ
加速度で剥離した心音
音速の壁で散り散りになる資本社会
札束と金塊を撒き散らし、風になる
摩擦で燃える消費社会
豊かさで枯れる大 ....
雨色の絵具
乾かない涙と癒されない傷のために
散り果てた夏の野の花を
鎮魂に疲れ果てた大地へ捧げる
生者の燃え盛る煉獄へ
死者を捉えて離さない
空砲の宣言と
紙で織られた翼のために
憤 ....
行きたい場所があると思う

過去の感情を大切にしたい
空洞になったとしても
続いてゆく所作に美しさがある

真夏でもひやりと冷たい樹皮のような
さめた しなりとした摘み心地は
暖かくな ....
 深い眠りに就く前にお前の笑顔をもう一度見たい。
 お前の笑顔は私と子供とを優しくさせる。
 たった一度の夜に訪れる魔法の力。
 さあ、私らに笑顔を見せておくれ。

 お前は病床で安らか ....
分かり合えることが
まずおかしいと
おれは思う

わかった
よし、わかった
まず飯食おう
それからけんかしよう
作らん?
わかった
よし、わかった
おれが作る
お湯わかす
 ....
しんしんとして降り積もる雪が
身に染み寒さは体に渡り
涼しさと凍えの境目も
分からないほど火照った体で
観客はいない二人だけのワルツを踊る

取り合った手と手
そのまま凍ってしまって
 ....
星丘涙さんのおすすめリスト(1285)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
茄子- 水城歩俳句317-8-21
原光景〇他者(改訂再録)- ひだかた ...自由詩4*17-8-20
生きざま- 吉岡ペペ ...自由詩417-8-20
スクロール- noman自由詩217-8-20
多分どちらもたいせつ- ふるる自由詩317-8-20
明け方- 草野春心自由詩117-8-20
夫婦愛- zenyama太 ...自由詩117-8-20
瞳夏- 唐草フウ自由詩8*17-8-20
夢の底- ひだかた ...自由詩6*17-8-20
コトアゲ- もり自由詩5*17-8-19
蝶とともに- 吉岡ペペ ...自由詩1017-8-19
後もう少し- ひだかた ...自由詩517-8-19
ある日- 乱太郎自由詩8*17-8-19
海を見ていた- ヒヤシン ...自由詩3*17-8-19
海月- ガト自由詩3*17-8-19
送り火- 忍野水香自由詩617-8-18
いい人- 佐白光自由詩4*17-8-18
秋の光- 吉岡ペペ ...自由詩617-8-17
月のなかの鳥- あおい満 ...自由詩517-8-17
彼岸花- あおい満 ...自由詩517-8-17
異邦のリアリティ- ひだかた ...自由詩4*17-8-17
東京パック__/1997-2007- AB(な ...自由詩217-8-16
冷夏- ムウ自由詩417-8-16
ある感覚の喪失- ただのみ ...自由詩3*17-8-16
ブランコ。- 倉科 然自由詩117-8-14
生者の鎮魂- ただのみ ...自由詩10*17-8-14
お盆休み- ◇レキ自由詩6*17-8-14
一日の祈り- ヒヤシン ...自由詩9*17-8-14
ケンカポエム- もり自由詩2*17-8-14
永遠のワルツ- 這 いず ...自由詩417-8-14

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