冬隣電気ケトルが歌う部屋


虫鳴くや猫の目光るほどの闇


パンを焼く窓辺に今日も小鳥来る
ひかりのうたは
やみのなかで
うたうのがいい

いつも  
はにかむようにわらう
あなたのえがおに
かげがない と
きづかれないように

きょう
まんかいのさくらのなか
はれつ ....
綿密な一昨日について思い出す
言問橋を素知らぬ風体で
通り抜け
あなたとすれ違った事になる
アリバイを持たぬことの難しさよ
または容易さよ

池の水面に光が待っている
公園で子どもたち ....
さようならは

何色ですか
真っ青ですか
真っ黒ですか
それともあの日の夕焼けの
だいだい色ですか

さようならは

どのへんですか
指先ですか
つま先ですか
それともア ....
中秋の名月でした。おとついは。
君の街にも月は出たかな。

過ぎてからわざと教える。
昔から「いい性格」の、そんな僕です。

雨降りの月でもそれはそれでいい。
雨月(うげつ)の月も、たま ....
玉ねぎを切ると涙が出て
しまう泣きながら微塵切りを
するのに不思議と気持ちが凪いでいく

玉ねぎを切ると鼻水まで出て
手が離せないから切り終わるまで
我慢している気持ちは晴れ晴れとして
 ....
僕はふりかえる
そして世界が軽くなる
僕はふりかえる
すると悲しみがあふれだす
僕はふりかえる
すると喜びがあふれだす
僕はふりかえる
ふりかえることによって
世界は騒がしくなる
ふ ....
計算が苦手と話す恋人の数字に満ちた広い世の中

優しさは純粋なほどよく響く押しつけ感は見受けられない

夕陽見てベランダで酒飲み干した夫婦の会話これからのこと

夕陽が沈むの見ながら食事す ....
木たち 花たち
さまざまなプラスチックたち
混ぜ返される色色の
日々の泡立ち

いくつもの
あらゆる種類の
嘘をついて来た
そうして私が
出来て動いて居る

触れる
も ....
一般に言って人間は
醜く
愚かな存在とされる
しかし本当にそうだろうか
人間は醜くも
美しい存在ではないのか
人間は愚かでも
賢い存在ではないのか
その生命を生きる人間は
なにものに ....
句読点が降ってきて会話が途絶した

遊歩道にひしめく感情が

拾われない末路を想像して枯れていく

秋を踏みしめている

この靴も

服もすべて

私への期待値を担保として
 ....
いま一度読み方を確認して
次の行に進む
心が文字を走って行く時
読みもまた適当である
声に出して読もうと意識しなければ
意味だけで飛ぶように走る

意味すら入って来なくなった時
眠りが ....
昼間だけど電気をつけないといけない昏さで
どうということはないけど
しみじみと低いこころをつくえのうえにうかべている

あたまの向こうには
昔からずっと同じ時計があって
何時かわかると ....
正直なところ、たしかに生活することは悪くない。湯を沸かし、布を洗い、床を磨き、花を飾る。娘の髪を梳き、夫の靴をそろえ、ときどき、外で花を売ることは。
どうしても今日死ななければいけないのに。とい ....
昼間には昼間の魅力がある
夜は夜の魅力に逢える

星がはっきり見える
都会で暮らしていれば
星の存在すら忘れてしまう

夜が待ち遠しい
都会での生活は止めて
田舎暮らしに変えて良かっ ....
内臓を引っ掻き回されるような
そういう心地と戦っている
耳から入る情報は氾濫して
いつだって整理整頓の壁紙が剥けている

愛のことを
暴力と呼ぶような人間には
なりたくなかったよ

 ....
一つづつひとつづつ
少しづつすこしづつ
慎重に丁寧に
焦らず急がず
積み重ねる努力が
花を咲かせて実を結ばせる

学校の教室で担任の先生が教えてくれた

でもね
だけどね
この人 ....
あー
ギター弾いて歌ってると
空っぽになるなあ
あたしの身体にサウンドホールが空くんです

寂しかったら
ここに飛び込んでおいでよ
鮮烈な響きに身を震わして
泣けばいいよ

君のこ ....
外宇宙から海の近くの君のアパートを結んで
山なりのゆるいボールを投げてみる
猫のあくびより遅くてまばたきよりは速いやつ
うっかり心地よくなってしまいそうな
次の季節の風がカーテンをふくらませる ....
屋根の下の終わらないうた星月夜


昨日来た手紙は捨てる十三夜


この星の果てをめざした秋の蝶


時の河の流れに浮かぶ木の実たち


「さよなら」と書いたお札でりんご買う
 ....
部屋があたたかいと何も書けなくなった、つま先も踵も地表にはつかず、ふっとうしたひかりになった、七月生まれの人がかに座になって、星座は煮えたぎったあぶくのようだ、部屋があたたかいと何も書けなくな .... 夜を越えて
どこへ行く
朝を待って
何がある
わからないから
荷物を詰めて
明日の海を見に行こう
1.

ベランダのむこうに
海がひたひたと満ちてくる
だから駅前のコンビニも
24時間のスーパーも
どこも沈んでにじんでいる

空の冷蔵庫のなかで
たっぷりと寝た肉を吊り下げて
夜 ....
きみがちいさな黒点につまづいて
細く伸びてみたりさらに縮んでみたり
右手の過去と左手の未来を見比べているころ
困り顔で時間を凍らせたきみによりかかりながら
星たちが残していった虹を見ていたよ
大人は意外と幻の存在を知ってる
自分だけわかっていれば良いと
納得しているから口を噤む
いくつもの不思議を重ねて
君は大人になったから
何もおかしなことはない

細かく震える肌もまた
 ....
コラージュがわが家のポエジー天の川


わが猫の五キロの体躯秋うらら


ピアノ譜に林檎を載せてセピア色


秋の日に往日をしるピアノ一つ


林檎煮るフォークギターの鳴る部屋 ....
八月の靴で家路の最後の日


冷たくて甘酸っぱくて八月よ
登攀する指たちの鮮やかに泳ぐ風景を目の当たりにしては、花を捥ぐ
稲光として照らされるまなざしは避けがたいせせらぎを背なに負うのだ
その熱を委ね夜へと色をうしなっていく様々な病たちがしなだれて
耳 ....
小さな花瓶に朝が冷えている
うたた寝ゆっくり溶けている氷
冷え切った静寂の前に坐る
うすいひかりに夏の感傷吹きつける
パンクした自転車で夏を通過している
みんな同じような愚かさかかえて朝露
 ....
‪夏は初恋‬
気がついたら好きだったし
気がついたら卒業だった
顔もろくに覚えてないけど
優しい人だった

秋はあの人がいなかった
辛くて辛くて
落ち葉を見ても泣くんだ
恐ろしいほど ....
水宮うみさんのおすすめリスト(1486)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
誰も知らない小さな部屋から- もっぷ俳句320-10-9
えむ- 草野大悟 ...自由詩320-10-6
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アラスカ- やまうち ...自由詩420-10-4
中秋の名月- TAT短歌120-10-3
玉ねぎを切る- よしおか ...自由詩120-10-1
ふりかえる- 渡辺亘自由詩120-9-29
日本酒- 夏川ゆう短歌220-9-29
泡立ち- はるな自由詩220-9-28
断片- 渡辺亘自由詩120-9-26
- 消費者自由詩420-9-24
読み方- よしおか ...自由詩320-9-23
雨の塔- タオル自由詩3*20-9-22
メモ(正直なところ)- はるな散文(批評 ...1420-9-21
夜が待ち遠しい- 夏川ゆう自由詩220-9-19
アルカリ性- 鳴神夭花自由詩220-9-18
因果応報の法則- こたきひ ...自由詩420-9-18
ギター_!- 印あかり自由詩720-9-13
SAZANAMI- カマキリ自由詩120-9-13
屋根のしたの宇宙2- もっぷ俳句320-9-12
うそ- よんじゅ ...自由詩4*20-9-11
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キッチン_22- 平井容子自由詩520-9-11
星虹艦隊より- カマキリ自由詩320-9-3
精霊- よしおか ...自由詩320-9-3
屋根のしたの宇宙- もっぷ俳句220-9-2
八月の不思議2- もっぷ俳句220-8-31
簡単なさようなら_- すいせい自由詩320-8-30
HOPE- 直治俳句120-8-30
夏は初恋- よしおか ...自由詩220-8-30

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