ある日、あなたの背中に
窓があるのを見つけた
開けてみると
普通に外の景色があった
眩しければ鳥になるといいよ
とあなたが言うので
わたしは鳥になって
空へと飛びたつしかなかった ....
ガラスの壁に、手が触れて、彼は見る、音もなく、蠢く、群衆を。一人一人に、足音はつかない。そうして、忙しなく、いつまでも、蠢いている。真昼の、静かな都会。鳥が、空を、飛んでいる、ような気がする。駅のホー .... 友達が海辺だった。ぼんやりと暗い真昼の部屋で、どこから迷い込んできたのだろう、蟹が蠢いていた。冷たく静かなベッドの上で、蟹の群れが、友達の中へ滑り落ちていく。少しだけ話をすると、友達は用事を思い出して .... ながいこと逢えずにいたら君の死が逢えない事のつづきに想えて 欠けたようなよろこびが
胸におちるたび
あなたのかたちになってへこみました

愛だと言い切ればよかったね
宙にうかべたまま
少しずつすりへって
もう見えないのにここにある気持でい ....
春が来た、カーテンを閉めよう
落ち着きのなさを気付かれぬように
行く人、とどまる人、帰る人
私の行く場所はどこかと、心が騒ぐ

花をつけ始めた桜は堪える
激しい雨風に打たれても
花の散っ ....
所詮物語は自分の中にしかない
物語をどう書き換え
幸せな終わりにするかは
自分次第
所詮物語は自分の中にしかない
その頃 俺は
ピコピコハンマーを ピコピコさせていた

夕暮れが また通過していく

コンビニに行く

コンビニは24時間 コンビニやれてるから すげえな
俺は 24時間 俺をやれてる ....
たしかな春の日差しを得ました。土曜日、風は必要以上につめたく、でもそれよりも空気のなかに溶けている季節がしきりに春を叫びます。わたしたちは指先をひんやりに染めながら、ねえねえ来たよね、これだよね、と笑 .... 春は
自然ですよというふりをして
人にしか聞こえない言葉で話している
下に行くほどきりがなくて
上に行くほど見苦しい
そんな場所がここにあるよ
三月に降る小雪をつかまえようと
手のひらを天にむかって
差し出せば
どの子もふわり、
風にひるがえりながら
上手にわたしをよけて
アスファルトへと着地するから
こんにちはも
さようなら ....
目覚めは1人ぼっちの朝に始まり
誰もいない街を歩く1人きりの昼
終わりは明かりも音もない孤独な夜
1つや1人はたくさんあるのに
私は私だけ
食べてすぐ横になると
牛になって
川まで来ていた
晴れたら洗濯をして
布団を干そうと思っていたけれど
雨も降り出して
残っているものもない
これからの人生どうなるのだろう
いや牛だ ....
発せられた愛が受容されるまでに変質するってことだろうか
降る雪がしだいに霙になるように
ふつうの家に住みたかった
屋根があって壁があって少しあたたかくて
窓があって扉があって好きなときに出 ....
ぼんやりと立っている
つり革に掴まって 
結露した窓に
街明かりが滲む
あの灯火の向こうに
届かない温もりがある

ぼんやりと揺れている
つり革に掴まって
この手を滑らせる
誰かの ....
なかなか雨はやまない
僕は夢想する
星空模様の傘をさして
君のところを訪ねたい
ジャム一瓶ほどの幸福をたずさえて

なかなか雨はやまないから
君のもとへ辿り着くまでに
傘も溶けてしまう ....
声をかけずに
放っておいたら

影も形もなくなっていた

扉が開く音はしなかったので
窓から吹いていったのだろう

これでようやく
名前がつくかな

はじめまして
お気に入りのコンバース
とうとう底が抜けちゃったな
くるぶしがぬるりとつめたくて
出来たての靴擦れを二月の風が撫でて過ぎる
お気に入りのスニーカー
ぼろぼろになっても一緒に歩いて行きたかった ....
また体の向こうがわで文字が跳ねている。戻っておいで、戻っておいでって思いながら見つめていると溶けて行ってしまう。さきに起きた娘が炭酸水をのみながら、まだ眠ってていーんだよ、と言う。やさしい。朝から .... どうして
こんなに平穏なのか
冥土へと導く と信じられたホトトギスも
いまは五月の鳥

森を抜け
砂の砦みたいな監的哨跡にのぼって
海のまえに出ると
もう詩に出会った気がした

壁 ....
長い信号に引っ掛かった
本当に長くて
五十メートルくらいはあった
長いものには巻かれろ
という言葉があるけれど
何かを巻くほどの
柔軟性はなさそうだし
それならばいっそのこと
 ....
光の中で見えるものを見て
闇の中だけで見えるものを見て
いまそのどちらでもない
薄暗がりだからこそ見えるものを
見ている君の瞳が
葡萄のように熟れてゆく
すっかり変わってしまった

十年前とも
二十年前とも

百年前とは
何も変わっていないかも
どうやらひとつの
物語を生きるらしい

月、日、星
月、日、星

二度と会えないこ ....
ところで
説明のつく恋などないのだと
言ったところで理解しない
あなたのかわいい肌から放たれる熱をまにうけながら
生まれ変わったら 工場になろう
と思う
頑健な 灰色の
工場にな ....
鞄の中には
ひと握りの青空と
昨日捕まえた飛行機
微かなその羽音
生きていく毎日の走り書きは
遺言のように積み上がって
夏、という言葉だけが
いつまでも
うまく書けなかった
 ....
名前を削除したから
夏が終わったんだね

君に借りていた記憶も返せないまま
静かな夜中の改札口
後悔を嘔吐する
虫たちだけに聞かせた
僕の呪詛は
たぶん『好き』って感情から生まれた
 ....
 どうして先生なんかに

 進路相談しなきゃいけないの?



 自分の好きに生きていくのに

 だれかの許可がいるみたい



 つまらないから

 夕焼けの空ばかり ....
 
 明日は単元テストがあるから

 警報でないかなって

 雨乞いしてる

 夜



 ぼんやり頬杖つきながら

 化学のノートに詩を書いて

 一行空けたり

 ....
きょうび 灰に花に 煙に霞に
忙しくて
あなたの影ができない
光さんざ降る 窓の外にも
薄暗いお家にも
心の 海原にも 大地にも

忘れないで 忘れて 忘れないで
あなたの声が
不快 ....
水宮うみさんのおすすめリスト(1495)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
不在- たもつ自由詩17*24-3-23
虫籠- 鳥星自由詩6*24-3-21
友達- 鳥星自由詩8*24-3-21
一瞬- 原田たけ ...短歌424-3-20
よろこび- はるな自由詩624-3-19
急ぎ足- ヒロセマ ...自由詩8*24-3-18
所詮- 渡辺亘自由詩124-3-18
ピコピコ- 鯖詰缶太 ...自由詩4*24-3-16
メモ- はるな散文(批評 ...324-3-11
- かち自由詩124-3-8
たどり着いた- リィ自由詩2*24-3-6
人は何処へいくのだろう、命ひとつ抱えて- そらの珊 ...自由詩15*24-3-2
異形の人- リィ自由詩5*24-2-29
波紋- たもつ自由詩8*24-2-28
- はるな自由詩524-2-26
つり革- まーつん自由詩4*24-2-23
長_雨- 塔野夏子自由詩6*24-2-23
風歌- やまうち ...自由詩5*24-2-22
スニーカー- 福岡サク自由詩10*24-2-20
メモ- はるな散文(批評 ...524-2-19
離島- 形代 律自由詩1024-2-18
信号待ち- たもつ自由詩4*24-2-17
obscure- 塔野夏子自由詩5*24-2-15
ものがたり- やまうち ...自由詩224-2-11
排熱- はるな自由詩524-2-9
走り書き- たもつ自由詩624-2-3
苦虫- トビラ自由詩4*24-1-13
進路相談- おやすみ自由詩223-12-15
降水確率10%- おやすみ自由詩223-12-12
念う- 印あかり自由詩523-12-10

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