古い地図をひらくと
あの日のわたしが
チャリンコ漕いで走ってる

高校と家の
片道十キロの距離を
毎日通った

部活は一年で
辞めてしまったけど
片道十キロの
距離は ....
 
 
お冷をいただくと
無数の気泡がうずまいて
星々は銀河となる
宇宙である

隣の客が
飲み干している
その隣の客も
今日はとても暑いから

死んでしまった
命の行き場が ....
やさしさを踏み潰して
戦車が行く

威嚇射撃する
よく狙って
決して当ててならない

愛する人のために
愛する人を殺してしまう
テーブルの上にある
君からの置き手紙 ....
 
 
人がいる
渇いた街に

人がいる
湿った街に

二つの温度差によって
街の正しさが
計れるというならば
正しさとは何でしょう

涙に暮れて生きる人と
泣く意味もなく ....
 
 
手をつないで歩く君が
息子である前に
恋人のような気がしている

生まれた時に一目惚れして
キスしたり
抱っこしたり
一緒にお風呂入ったり
この頃は肩車がお気に入りの
恋 ....
 
 
父さんと
子吉川で釣りをしていた
海の近くだったので
時々川が逆に流れていた
時間は正しく流れてるのに
潮が満ちると川だけが
昔へ還っていくようだった

父さんは
いつも ....
 
 
ひとごとのように
じぶんをかんがえたい
XさんはYさんに
やさしいことばを
かけてあげたかったのに
ふたりのあいだにもうひとつ
アルファベットがあるきがして
そのけんきゅうに ....
 
 
まだよるかもしれない
あさのおばけが
しろいかげをおとしてる

またよるかもしれない
おうとうきのころ

よるのつぎにきたあさの
とてもはやすぎた
かるたあそび
 
 ....
 
 
つうきんちゅう
きれいなひとと
たくさんすれちがった

かえりみち
きれいなこいびとたちと
たくさんすれちがった

いちにちのうちに
こんなにたくさんの
こいがうまれて ....
 
 
ごむとびしてる
おねえさんとよんでいた
おんなのこは
いまはそこにいない

きんじょでくらすときいた
たんしんふにんの
おっとをまついえで

あいにいきたいけど
きょり ....
 
 
バスをおりて
はしをあるいて
ははとわたる

なぜかは
おぼえてないけど
たしか
こうじかなにかだった

はしをわたると
またバスにのって
となりまちへいった

 ....
 
 
ふとおもう
そのときの
ふと、が
ひとなのだ

あきのこおろぎも
たちどまり
しょっかくをのばしたまま
ふと、をしてるのだ
ひとのしくみのように

ふとおもう
この ....
 
 
めをつむってると
どこなのか
わかりませんでした

おとがしました
においみたいに
ふるいかんじでした

めをあけても
よくわかりませんでした
ここがどこなのか
パン ....
 
 
だれもいないものおきで
ほんをよむのがすきでした

だれもいないものおきで
わたしもいつかものとなり
おかれるものになるものと
おもってばかりおりました

そのいえで
く ....
 
 
くもひとつない
おそらから
あめがひとつぶ
おちてきた

なにかの
まちがいかもしれぬ
おそらのしたで
ねむってる
ぽちがみちの
まんなかで

おはなに
あまつぶ ....
 
 
ひとをまつと
もうこない

わすれていると
ひとはまた
まっている

まつということを
わすれた
ひとのことを

あんなに
ことばしか
なかったのに

うまれ ....
 
 
からのおけに
こえをみたしていく

みあげるとあおいそら
おなじいろのふくをきた
しょうじょがわらってる

かぜのちょうじょうから
おちてくる
そのそくどで

うまれ ....
 
 
なにもたべないひとになるのだと
きりさめのかえりみちに
わたしはおもう

くりかえされるはなしばかり
しんじてるから
しんじつをおきざりにして
わかりはしない

あまあし ....
 
 
つきあって一月たちました

クリスマスイヴの夜
二人は別れました

それから二人は
それぞれの人生を歩み
やがて死にました

二人が死んでも
世界はあり続けました

 ....
 
 
あるひわたしは
さかだちしてることにきがついた
うまれたときからずっと
あたりまえだとおもっていた
さかだちをやめると
ちちもははもいもうとも
しらんぷりしてさっていく
しか ....
 
 
ごぜんにじ
よだれをたらしてよろこんでる

どたばたあしぶみして
きせいをあげて
きんじょめいわくだってかまわない

おとうさんとあそびたくて
おきてたんだね
ねむるふり ....
はじめてみるものばかりでした
はじめてきくことばかりでした

やがてはじめてではない
ものやことばかりがふえていくと
いきることやものとは
そのようにあるのではないかと
おもうように ....
 
 
競技場の水飲み場で
水を飲んでると
排水口の辺りで溺れてる
蟻がいる

この水飲み場は
いったいだれが作ったものなのか
母に聞いてみる

この街の
誰かが作ったのでしょ ....
 
 
わたしは幼い頃
祖父のことを
タキモトさんと呼んでいた

しばらく年を経て
生まれた妹も
タキモトさんと呼んでいた

時は過ぎ
わたしの息子が
わたしの父を
タキモト ....
 
 
好きなものばかり追いかけてると
好きではなかったものがばかり
追いかけてくる
わたしは猫が好きなのだ
犬に追われながら

犬を撫でようとしたら
噛まれてしまった
猫に引っ掻 ....
 
 
海辺を散歩して
耳を拾う
かつて貝殻と呼ばれた
それを耳に当てて音を聞く

波の音が消える
大きなその音が消える
代わりに
もっと大きな
大きな音が聞こえてくる

何 ....
 
 
やっと一人になれた
一人になることばかり考えていた
私は味噌ラーメンを注文して
食べながら美味しいと思っていた

やっと一人になれた
向こうのテーブルの女も
もはや人の形をう ....
 
 
ついに人だけになって
飛んでいる
はたしてそれを
飛行機と呼べるだろうか

翼も動力も
無線さえ持たずに
たどり着く先を失って
空飛ぶそれを
人と呼べるだろうか

私 ....
 
 
一人だけ居残って
いつまでも待ってたけど
母さんは
迎えに来なかった

ふと考えてみたら
僕は高校生になっていた
幼稚園じゃあるまいし
なぜあの時
そんな勘違いしたんだろ ....
 
 
哲学の猫が
書物に足跡を残して
そこで終わってる

残されたページには
いつもの海と
青い空
さえ何もない

私は猫を探しに行く
足跡を残して
そこへ辿り着くまで
 ....
小川 葉(1581)
タイトル カテゴリ Point 日付
地図自由詩409/7/1 1:42
コップ一杯の宇宙自由詩009/6/30 0:22
置き手紙自由詩109/6/27 7:14
乾湿球自由詩1+*09/6/24 22:46
恋人自由詩309/6/23 3:56
子吉川自由詩409/6/21 21:56
グラフ自由詩409/6/20 4:52
夏至自由詩1*09/6/20 4:14
こいのはて自由詩109/6/19 0:39
まご自由詩209/6/18 2:45
うかい自由詩409/6/17 3:16
ふと自由詩409/6/16 1:18
ほんとうのパンツ自由詩1*09/6/15 22:54
ものおき自由詩209/6/14 5:49
ぽちとあめ自由詩409/6/13 4:04
まつ自由詩109/6/12 4:50
マリーのうた自由詩209/6/12 1:58
かえりみち自由詩409/6/11 0:45
一つの夜散文(批評 ...009/6/10 3:42
さかだち自由詩209/6/10 1:52
おもいで自由詩4*09/6/9 3:35
ア、雨自由詩209/6/7 23:22
水飲み場自由詩209/6/6 23:48
タキモトさん自由詩109/6/4 8:25
素敵な片思い自由詩109/6/3 3:34
偽物賛歌自由詩1*09/6/2 1:50
昼休み自由詩209/6/1 1:09
飛行機自由詩409/5/31 6:58
泣かない人自由詩209/5/30 3:04
自分哲学書自由詩3*09/5/30 0:43

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