言葉にならないことを
言葉にする
しなければならない
そんな時
壊れやすいものを
投げつけて
壊してしまった
そのことを
生きてるだけでいいのだと
ゆるしてくれた
生き ....
 
 
土曜の朝から
日曜の夕方まで仕事をして
家に帰ると
妻と息子が家の前で
途方に暮れて立っていた

買い物に行こうとして
鍵をかけて抜いていたら
鍵が折れてしまったのだと言う ....
 
 
わたしのように
書いたものが
ここにある

わたしのふりをして
必死にわたしになりながら
わたしになれたのか
なれなかったのか
後悔してる
わたしを見てる
わたしがいる ....
 
 
朝から晩まで働く
とはいうけれど
この頃は
朝から朝まで
働くことも多くなり
今日などは
昨日の朝から翌深夜まで働いて
今こうして
わずかばかりの自分の時間を
ひとり過ご ....
 
 
よちよち歩きの頃から
そう呼んでくれた
近所の酒屋の父さんが
亡くなった

いつか帰省した時に
店にタバコを買いに行くと
タバコよりもたくさんの
缶ビールをくれながら

 ....
 
 
雨で薄められた絵の具で
空を描く
夏はまだ来ない

君もクレヨンで
空を塗りつぶす
それでも夏は
まだ来ない

夏が来ないから
母さんを探す旅に出る

灰色しかない ....
 
 
宇宙の規格が
地球の法則になる
出来事として行われたならば
街の片隅に残る
擦り切れたビデオテープを
永遠に焼けばいい

ノスタルジックな伝統が
息づく吐息は
乾ききらな ....
 
 
牧場の匂いがする

牛がいる
馬がいる
羊がいる
柵がある

のではなく
わたしが一人
ここにいる
 
 
 
 
ひざの上で
猫が
ねこっ
としてるので
私も
ひとっ
として
喉を撫でる

ひざを離れ
ねこっ
としたまま
窓から出ていくと
ひとっ
として
さみしくなる
 ....
 
 
このお話の続きです
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=123535



今年も自動販売機の季節がやってきた
きんきんに冷えた飲み物を ....
 
 
夜空を見上げると
あの人が
瞬いている

あの頃の輝きで
あの頃の若さのままで
バスを待っている

今はもう
どこにもいない
あの人が
今もそこで
待っている
  ....
 
 
知らないことは
罪ではない
知らないふりをするだけで
憎悪に気づかずに生きていける
わたしたちの
暮らしもあるけれど

あるいは
あった
とも言える
今あるものは
す ....
 
 
なぜ空は
わたしを見てるの

言葉なくして
命に
なりたいみたいね

なぜわたしは
空を見てるの

言葉だけで
空が
あるみたいね

あんなに美しく
見えるか ....
 
 
夏をください
お金なら持ってます
お金ではだめですか
嘘です
お金なんか
持ってません

夏をください
命なら持ってます
命ではだめですか
嘘です
命なんか
持って ....
 
 
猫だとばかり思っていた
真夜中の道を歩く
白いものは
風に漂うポリ袋だった

と気づくまで
ほんとうは
猫だったのかもしれない
全ては過ぎてしまった
真実のように

 ....
 
 
この雨は
誰の涙なのでしょう
傘もささずに
わたし
悲しいほどに
濡れてます
 
 
 
 
メモらないと
覚えられない
言葉がある

メモっても
覚えられなくて
見直すたびに
ぼんやりしてしまう

詩人になればよかったのに

その人の仕事だけが
いつまでも ....
 
 
鞄と間違えて
父さんが
枕をかかえて会社に行く
目を閉じたまま
夢を見てるんだろう

父さんは
目を閉じたまま電車に乗り
目を閉じたまま
タイムカードを押す
目を閉じた ....
 
 
今年もまた
団扇の群れが
空を渡ってやってくる

地上では
とぼとぼと
室外機が歩いてる
生ぬるい息を漏らし
家々を訪ねてる
血のつながりや友情
愛よりも大切な
絆の ....
 
 
白球が
バットをかすめると
息の仕方を忘れる
真空状態の後
こみあげてくるものが
目に見えない
傷に滲む
涙は血のように熱く
まだ若い
 
 
 
 
梅雨明けが近づくと
朝焼けが色っぽい
夕焼けも色っぽい
一日のはじまりと
おしまいが色っぽい
夏が来るのだ
待ちきれずに染まるのだ
桃と橙を
混ぜたような
絵の具がしたし ....
 
 
同郷の人と
東京で会った
訛りが残っていた
変わりなくて
安心した
けれどモカマタリを注文する時
様子が違っていた

また昔のように話す
しばらくして
モカマタリが運ば ....
 
 
いつもの帰り道
交差点の角に
見たことのない洋館が建っている
あんな建物があっただろうか

交差点を過ぎた
突き当たりのT字路の先に
見たことのない道がある
あんな道があっ ....
 
 
いつも少し
とだけ言うから
わかってる

いつも少し
としか
かけてあげる
言葉がないのだから

それ以上は言わない
どんなに
悲しく見えても

言わないことで
 ....
 
 
今を指差すと
今ではない
指先がやって来る
するとこの指は
たちまちおばけになる

今を指差す
ことしかない
少しでも
過去や未来ではならない
今だけを
指差すしかな ....
 
 
曖昧な
水平線を見つめてる
曖昧なわたしは
空の青と
海の青の
見分けがつかない
ひとすじの
線となり
その向こうに
糸で縫い閉じられていく
待ち針を抜きながら
今日 ....
 
 
五番線で
月行きの船が
雨と海をまちがえて
、が多い作文の
乱れた心理を誇張して
れっしゃのふりしてゆれている
 
 
 
 
 
次の駅は
笑顔です

乗客は
思い思いに
笑いだす
思い出の中にある
幸せを
思い出して

笑顔になって
降りていく
降りない人は
まだ降りない


 ....
 
 
うんちくんが
おそらから
やってきました

けさぼくが
おといれでした
うんちくんでした

おそらのむこうに
うんちしてる
ぼくがいるのです

うんちくんに
さよ ....
 
 
縁日で
祖母が買ってくれた
空色の風船が
手のひらを
するりと抜けて
空高く舞い上がっていった

東の空へ流れていく
風ははるか上空
西から東へ吹いている

お日様と ....
小川 葉(1581)
タイトル カテゴリ Point 日付
夏の命日自由詩409/8/19 4:51
愛鍵自由詩709/8/11 3:18
わたしのように自由詩309/8/6 8:49
小雨綺談自由詩2*09/8/5 4:53
よちぼ自由詩409/8/3 3:14
誕生日自由詩309/8/2 5:17
AV女優自由詩509/8/1 3:31
輪郭自由詩2*09/7/30 10:55
ねこっ自由詩709/7/29 1:54
再会〜それから自由詩109/7/27 5:00
残像自由詩209/7/26 17:57
草刈り自由詩609/7/26 6:10
言葉なくして自由詩309/7/24 4:11
夏をかう自由詩3*09/7/23 2:09
白いポリ袋自由詩409/7/21 5:42
俄雨自由詩409/7/20 0:58
詩言葉自由詩209/7/18 6:25
父さんの夢自由詩809/7/17 6:10
夏群像自由詩309/7/16 5:56
真空にかすり傷自由詩2*09/7/15 0:27
夏のカプセル自由詩209/7/14 6:07
モカマタリ自由詩409/7/11 8:48
帰り道自由詩009/7/10 6:37
いつも少し悲しい自由詩2*09/7/9 2:47
指先自由詩309/7/7 4:11
水平線自由詩309/7/7 3:27
五月雨、乱れ自由詩0*09/7/4 2:42
命の駅自由詩309/7/3 3:27
うんちくん自由詩109/7/3 2:27
空色の風船自由詩409/7/2 2:36

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