あれ、おかあさん

この花火どうしたの、もらったの


今日はけんちゃんの命日だからね

買ってきてもらったんだよ


こんな暑い日だったのですか


いや戦死公報に ....
電車のカベを
明るいデジタル色に塗りつぶし
小さな文字が見える
たくさんならんで見える
隣接する隙間では
カッサンドラ王女が踊る
灰色の塗の粉を踏んで
微かな足音を残す
ひたむきな兵士 ....
西に向かって
連戦錬磨の
新幹線が走る夜

各駅停車で行く
新宿に着くと
黄色い山手線が見える

それは昔のこと
今は見えない昔に
見えない色の
見えない顔して
つながらな ....
ようなし

声がしたので
いよいよ来たかと覚悟した
用がないなら帰るよと
帰り支度をしたら
洋梨の皮を剥いている
たくさん貰ったから
お裾分けだといいながら
たくさん剥いてくれる
 ....
もうひとり詩人が欲しいわね
彼女が言うから
もう一人生むことにした

{ルビ同胞=はらから}は多い方が賑やかだ
哀しいときは
兄と妹で手をとりあって泣くのだ

経費のことはまかせな ....
混むから夏コミ
違うよ
頭をぽかり
兄貴はタバコを吹かしている
そんなことも分からない中学生の弟が歯がゆくて
ため息混じりに煙を吐いて
二階の部屋に閉じこもる

計算機
機関車
 ....
廃墟の街にも雨が降る
さささと落ちる雨音に
残暑見舞いが湿ってる
ポストの中にも雨が降る
ふふふふふと笑う地蔵尊

雨のない日は舞踏会
風のない日はドライブと
天気予報に縋って暮らす
 ....
飛び降りたら街道だった
山駕籠を襲って客を突き殺す
駕籠かきは慣れた顔して寄ってきて
分け前を寄こせと言う
知るもんかというと
てんでに杖を構えて挟み打ちにされた
ひとりは払いのけ
残り ....
いつもおそばにおります
柿木の傍らで言われた
たねはそっと埋めておきました
囁くように告げられた

沢庵のおかずで夕食を摂るときは
気が散らない目玉汁を
かき混ぜてはいけません
言 ....
台風11月号が東京都を襲う
それはセクハラと言うより
パワハラに近いなどと言うつもりはない
殆どレイプなどとは絶対に言いたくない
居直り強盗と言うより
テロリスト集団のゲリラ活動のよ ....
世界に終わりがあるのなら
命の期限もあるのだろう
人の寿命は短くて
命の期限は長すぎる

酷い混雑見ないふり
酷い醜態見ないふり
美味しいお菓子も
食べたふり
綺麗な時間は短 ....
再会の地に佇んで草臥れた
10年間待ったけどまだ来ない
樹海では磁石が効かないから
GPSが必需品といったのに
頑固なデジタル嫌いなお人なの
あの人は古臭い
ゼンマイ時計が好きなの ....
冬の支度が忙しい

水車小屋から糠
炬燵にパジャマ
電気毛布に掛布団
口の減らないパン
売れない米の廉売
嬉しい知らせのキス
食べ飽きた政見放送
食えないお好み焼き屋

これから ....
摂氏マイナス60度で貯蔵される本マグロ
真っ白な凍った頭で吠えている
クジラが食べるオキアミは養殖魚の餌ともなるのだが
こちんこちんに固まった肌色煉瓦の真ん中で
溶かされる日をゆっくりとしっぽ ....
ゴミ箱のふたには
大きく達筆で

 燃えないものは
 潰して中の空気を抜き
 嵩を減らしてください

         と記してある

おそらく読者は私だけだから
あらため ....
激しい嵐の中を走るときに
なにをおもう
なにも
なにもかんがえないよ
ただ夢中で走っていくよ
アクセル開けて
後輪加重を増して
風に向かって突き進む

全開加速でスリップする ....
谷口さんちからきた
シェトランドシープドッグの仔犬
お利口なので誰にも誉められる
公園で遊んでいても道を走っても
嫌な顔をされることがない
私の手柄みたいな顔をして
今日も散歩に連 ....
湿った初夏の夜の闇に
ケラケラケラ ケラケラケラ
ケラケラケラケラ ケラケラケラケラ
ケラケラケラケラ ケラケラケラケラ
ケラケラケラと無機質な含み声
ケラケラケラとケラが鳴く
 ....
ケチケチケチと悪戯小僧はハンケチ飛ばす
ケチケチケチと叫びながら飛んで行く
ケチケチケチと飛んで行くのでバッタかな
バッタかな
バッタかな
マットの上では格闘技
バッタバッタと ....
青い空に白い雲
やわらかく反射して
川面を流れる春の景色を
岸辺に座って見ていた。

空は見上げなくてもいつまでもそこにあると思うのだけど、
気がつかないうちにすぐに流れていってしまい ....
光りが消えた後では、記憶と幻覚が新しい宇宙を
符号的に再構築してくれるのだろうか。

ミミズは夜の地表に顔を出したときに
なにを感じるのだろうか。









 ....
私は一度も死んだことがありません
だから、よく解らないのですが
静かに息を吸いながら
あなたの詩をゆっくりと読みました
ゆっくりと

もう一度と言う声にうながされ
残照の黄色の花に気 ....
あめんぼうの湖に
ちょっかい出したから
君の子供は滑って転び
どろんこの濡れ鼠
あわれでゆかいでつまらない
びしょびしょの人間の典型だ

石ぶつけたら泣きだした
なんで君は石投げる ....
ふしだらな森の朝
ふしだらけの杉板を
ふしだらけが削ってる
ふしだらけふしだらけ
ふしだらふしだらふしだらけ

ふしぎな暗号反魂胆
ふしぎなおしゃもじ飯盒の
ふしぎなからくりからく ....
「超音波モーターを動かすと
 なんだか
 足の指がくすぐったい
 そんなことはないのだけどと
 理性が諭す
 感受性が首を振って
 モーターの回転速度を制御する」
そんなこと ....
がらがらなので油断したのか
可愛らしい蜘蛛が天井から
電車の天井からまっすぐに
するすると降りてきた

慌てて写真を撮ろうとしたが
うまく撮れない

         (可愛らしい蜘蛛 ....
あの日も
この日も
眠たくて
午前三時になりますと
まんまるい
おやつの氷が溶けるので
風呂桶に蓋をして隠れます

水を入れられ逃げ出すと
薄目を開けたお日さまが
よっこらしょ ....
懐中時計がチクタク
どこから来たのか
金剛石のクツワムシ
ガチャガチャと喧しい
ガラスのお城を建てた

お腹が空いたと
建てたばかりの
お城を囓る
ガチャガチャ囓って
あっという間 ....
小さい色したカエルの子
小さな瞳で恋をして
一億年が過ぎたけど
健気で綺麗な心映え
心はすこしも変えないで
透き通る小さい瞳で見つめては
小さい色に恋をする
盆休みのUターンラッシュのクルマの群れ
へのへのもへじのおとなたち
なんか語呂が好いなぁと口笛を吹く
潮溜まりではイソギンチャクが手を振って
近寄ってはいけませんよと
ダボハゼのおかあさん
 ....
あおば(1462)
タイトル カテゴリ Point 日付
花火未詩・独白11*05/9/10 2:07
草原の土自由詩2*05/9/9 7:21
御台場へ自由詩7*05/9/9 6:28
洋梨未詩・独白4*05/9/2 4:48
月夜自由詩12*05/9/2 2:39
夏コミ未詩・独白2*05/8/29 7:13
残暑見舞い未詩・独白2*05/8/28 23:57
稼業自由詩2*05/8/28 3:14
ボンレスハム自由詩2*05/8/28 2:06
脱腸脱獄チェーンソーハニー未詩・独白105/8/27 0:28
世界の終わり自由詩5*05/8/25 19:45
樹海で待ち合わせする青白い恋人未詩・独白205/8/25 7:10
偽造愛憎既成事実〜あれから〜未詩・独白105/8/25 6:14
オキアミの海自由詩0*05/8/25 0:47
半透明未詩・独白3*05/8/25 0:32
快感[group]自由詩1*05/8/24 4:27
油蝉自由詩0*05/8/24 4:07
ケラケラ未詩・独白0*05/8/24 3:57
ハンケチな子未詩・独白005/8/24 3:56
川岸自由詩005/8/22 23:12
視覚から捉えた宇宙未詩・独白3*05/8/22 23:08
日時計自由詩5*05/8/22 23:03
水たまり自由詩005/8/22 22:53
ふしだらけ未詩・独白2*05/8/22 21:52
爆裂モーター未詩・独白005/8/22 15:53
蜘蛛を撮る自由詩505/8/21 1:23
眠る夏自由詩5*05/8/20 1:08
懐中時計[group]自由詩405/8/19 23:40
一億年未詩・独白305/8/19 2:11
初ヒッキーDJ、放送事故寸前未詩・独白5*05/8/16 19:58

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