年が変わる、と云うことに怖れだってあって
気が急ぐ年の瀬はよく御茶を飲む
急いでしかたない日向歩いてゆく
ひとり年をこすことになり咳きこんだ
妻の化粧品の埃ぬぐっている
....
陽があたたか孤心を照らす
氷を口に入れて陽にとかされる私
再出発こころ得てじっと手をみる
再出発の手ぶらでいく
お年玉用意してしずか座っている
煤逃げ、草の刈りさられた公 ....
白梅のたましひ活くや数奇のいへ
雅も俗も{ルビ粋=すい}に交ふや春の夜
春雨や傘傾けて道二間
松が枝に小雪ちらちら降りにけり
山茶花や天地を紅く染め抜きぬ
盃に白雪ひとつ降りにけり
思ほへ ....
けさは食事を摂らず青空ばかり
よい匂いの洗濯物ができました
妻とよく語り合いテレビが要らない
けさは小説を読む、言葉ながれてゆく
妻が動けば、朝が動く
わたしが家を発 ....
捨てるに捨てていちにち暮れた
聖書よすがにひとを信じる
遅すぎるがお金を愛してみた
ひとひ、ひとひ捲り一年を読みおえそう
もう御茶がない、コップ振っている
風の印象知りた ....
路地でカボチャ買い別れの言葉忘れた
石段ひとつずつ上がり草陰に鬼
楽しくなって側溝の穴にも興味持つ
鎖に繋がれた子犬無邪気に走り
波しぶき浴び今日もまた帰ろう
老いた心よりもからだよ軋むな
パンを食べられる幸せアントワネット様
美味しいバターを塗って美味しさを守る
いつか人並みにできるようになる
とてもいい夜の黒猫を抱く
....
顔に困ったと書いて道を塞ぐ
河豚に中るかのように禍い降りかゝる
路地先まで迎え出てきたポメラニアン
一瞬も止まらずに身体のあちらこちら動く
今日も身体の欠片どこかに置 ....
冬菫インクとなって夕空へ
冬すみれ行き着く先は夕日かな
夕市の瓶きらきらと冬の詩
そのさきに命灯したか針供養
水ひとしずく地面を穿つことなく吹き飛ばされる
あれもまた賃走のつもりとタクシー夜の街
穂紫蘇指でしごき指先また匂う
無くなりし言語を追いかける
その言葉に意味はあるの ....
軽石が 重荷になって 冬の海
何故此処に問われて林檎染まりをり
秋暮るる猫と私の三畳間
夕陽が背伸びして犬の影がおちていた
森や林にさびしい色が川や海にかなしい色があった
ゆく雲が鳥になるまで空をみていた
旅立ちの晩白い花一斉に咲く
何を吸い込み綿は湿る
葛切って箸立ての割り箸なくなる
少年美しく床の間から降りる
黄砂の頃韓国が懐かしくなる
野菜食べ窓ガラスにアマガエルはり付く
餅つきを外から見守る
砂風呂から遺体見つかる
鼻風邪引いて車輪回る
屋根に乗る虹昇りゆく
いたずらにつけられた名前で一生袖にされ
数億数兆数京の命それぞれに意味求める
盆に探しもしない雉の鳴き声聞く
黄色い花咲いて西瓜かメロンかカボチャか
指先が乾きすぎて ....
エビータの夕暮れしずしず岬の埠頭眺め
夜明け前遍路も持鈴鳴らさず歩く
カラスが喪服着て歌うプッチーニ
狼煙の足下に蛸壺数多転がっている
ヘボン式のヘボンはあの女優の名 ....
止まらぬ波濤をたゞ眺めるだけの午後
チンドン屋去って深く溜息
木槿の蕾揃って何念じている
紅い花散るまでのすべて見届け
一度渡れば帰れそうにない橋の前
汲み取り便所に何を落としたのだ
翼の記憶蘇るだけ重く重いだけ動けず
彼岸過ぎ河馬のように水飲む
見上げた空の青さに味噌汁の香り
陽が昇り苔の壁に蝸牛の足跡光る
若宮大路の鳥居3つ4つ
大宰の短編思いだす滑川の青砥橋
御成通り小町より居心地良い
弁天参るつもりが佐助で迷う
江ノ電と駆けっこした夕焼け空
退屈な人ばかり饒舌になる
南国の暑い村凋落す
火にかけた圧力鍋たまらなく怖い
頭にも雪積もるほどじっとしている
ジグゾーパスルに異物混ざる
雷雨の中頭に避雷針立てゝ歩くが如く
勢い止まらず足跡もころゝころ
屋根瓦揃って満月に輝いている
カンテラ探し夜も更けゆく早く寝よう
味のあるチンピラ作る食えぬキンピラ ....
理由知らず忙しく咳き込む
無理もたゝリ船が去った島に取り残され
夕べより冷蔵庫のモーター音気にかゝる
枯れスヽキ踏み分け鳶の声聞く
沈下橋の縁に腰掛け川底の石数える
....
全てそぎ落とし感謝伝える
結局経験以上は想像もできず
友にも似た犬家の前で糞をする
ボルシチにも石を入れる
言葉の波に吞み込まれメロンの夢を見た
叢に身を隠しその一部となる
うきうきと舞い出でて地下鉄降りる
みほとけの姿見るまで経唱え
一見て十知る 十見て一に返る
源流に近づく正月飾りの灰捨てに
くだらない話くだらない時くだらない腹
あの時ばかりは自分が正しい
枯れスヽキ足蹴にけもの道進む
今日と明日とを天秤に掛け
皿砕くなら食後
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37
【俳句】季語を含む17音律「5.7.5」の俳句と、その形式を崩した自由律俳句、無季俳句などの俳句作品のみ受け付けます。俳句批評は散文のカテゴリへ。
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