寒さより不在の君のツイートよ
土の香を清々うたふ水仙の花
近づけぬきみの横顔薄氷よ
沈丁花香りの裾にある痛み
曇天に春菜を摘む手温い泥
今が旬夕餉は養殖寒の鰤
今朝の庭ちさきものにも雪帽子
今年初庭一面の春の雪
今朝の雪つい口ずさむ「早春賦」
束の間の寒さこじらせ生きている
踏みつけぬやう草の間の仏の座
ちらほらと薄日に映ゆる梅の花
けふ新たいちりん赤き寒椿
どこまでも今朝冬空に君の名を
笑顔みて温めるなり冬の雨
ゴミ出しでわかる寒さが頬を削ぐ
瀬音に秒針の音紛れ込む冬日
金魚がいると思ったら、赤いプラスチック容器
PayPayと鳴く鳥がいるらし
ジャンボ機から見れば小人のような私の暮らし
[鬼子母涙次キシモ・ルイジ冬の句③]
風邪引きの貴女が今日もミニとはね
水鳥や水掻き持つは足掻く為
取り敢へず手を繋いだり冬夕焼け
風呂吹きは裸に昆布コブを纏ひたり
....
溶けないで音なく積もる白いゆき
多様性クローンで無ければ誰でもそう
風花やビル立ち並ぶ回路舞ふ
庭の木の余すところなく襖雪
一瞬のワイパー回るみぞれかな
庭中の裸木をわたる雀二羽
瞬間を流るる冬月惜しみけり
人中にいづる発起の巳年かな
[鬼子母涙次キシモ・ルイジ冬の句②]
切干の煮つけの甘さ含む飯
湯豆腐やうつすり気付く事二三
不粋なり避寒にハワイなる一家
初鶴や巨き羽根直ぐ水に馴れ
室の花野生の菊を ....
[鬼子母涙次キシモ・ルイジ冬の句①]
わが髭に溺れよ女木の葉髪
東京を星に譬へて夜鷹蕎麦
暦売り去來の去しか賣らぬ人
織田作の関東炊きよ浪花遠き
寒椿立ち小便に寄り添ひ ....
調子っぱずれの音を奏でている駅ピアノ 冬休みももう終わりか
柱の隙間から拝む富士山となりました
子沢山の家の洗濯物 日が落ちてもまだ風に揺れている
最強寒波襲来 シクラメンも私も家に ....
一月のカゼに見た天と地ごくを
お正月、ゴミ集積所にも人形が貼ってある
冬空に鮮やかな花梨の水玉
内股でランニングしている人とすれ違う
冬枯れの木で沈黙する柘榴の実
子供たちが帰って、またシーンさんがやって来た
はにかみも初雪のごとやがてとけ
若いなあと思いつつ同じフレーズでまた泣けるフジファブリック
花を抜くのも潔いのが名ガーデナーらしい
ビスが一つ落ちている。もう元の場所には戻らないだろうな
歩行者一人行かせて不満げな ....
冬ざれの北朝鮮に餓死者あり
冬の夜に戒厳令の音が響く
箸の間をゆどうふつるり逃げまわる
熱い湯に浸かりし豆腐のぼせ顔
昆布退け湯豆腐様が今主役
湯豆腐や生姜やネギで髪飾り
湯豆腐の白肌柔く歯をあてる
幾年の梅酢の瓶は琥珀色
....
木枯らしにウルトラライトダウン着る
短日に早寝を決めて乳を揉む
凍てついたフリーウェイで尾崎聴く
寒空に煌煌と昇り月天心
海に向いた拡声器が知らせるある漁師の死
車の目前に降り立った白鷺にも母の話は途切れずに
街角に 行き交う声や 師走風
年迎え 子らの笑顔に 灯がともる
独り居の 窓に月影 風止まり
山の頂 見上げるたびに 心燃ゆ
風掴み 星を追いかけ 人の夢
黙々とボールを蹴る子冬木立
小さき鉢の菫に冬のひかり憩う
水平線を折るその指先から飛び立つ折り鶴
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