職場にとても変わった人が入社してきた。
出張者の手配をする仕事。
ひたすらJRや飛行機の発券をする仕事。

そして彼女は
聞いてもないことをよく言ってくる。

「わたし、電車が大好きなん ....
あなたの その 透き通った瞳の奥の
けっして揺らぐことのない 美しい信念の
まっさらで 汚れのない 鏡のような水面に
しずかに落ちる 一滴のしずくから 広がってゆく
ていねいに 塗り重ねられた ....
夜中に遊園地に忍び込んだら
観覧車の箱はすっかり片付けられていた
仕方がないのでその骨を登って
遠くに浮かんだ月を見た
丁度あの下辺りだろうか
君の住む町は

風がえらく強い日で僕は
 ....
正月ぼけで出勤すると
コーヒーメーカーで淹れたコーヒー
汚い共用灰皿からこぼれる煙草
   不愉快だったり
コンピュータのご機嫌と上司の会議
会議中の上司への電話
俺には意味不明な伝言
 ....
僕は
人よりもできることが すくない


僕は
人よりもあたまの回転が おそい


僕は
人よりも当てはまることが すくない


僕は
人よりも決まったことしか でき ....
「逢えない」の四文字が私に死刑宣告を下す
目の前が真っ暗になって
泣きたくなんかないのに 涙はぽろぽろ
受話器の向こうの死刑宣告


大袈裟だって笑う?


今日も明日も逢いたいよ
 ....
刺青は溺れる
暑い
静かな
暑い
午後
静かな
雲は走る
片言の
静かな
午後
心臓のおと
汗に
刺青は溺れる
産毛は
光り
静かな
陽光は縦に
産毛は
暑い
午 ....
本当はあれが欲しい

昔風の、赤いトースター

あれに、真っ白真四角の
スーパーのパンを入れて

しばらく待ってると
2枚一緒に
「パンッ!」と顔を出すのが
心憎いから

でも ....
今の瞬間を繰り返しながら
生き延びているだけのこの姿は
その小さな四つの瞳に
どんな風に映っていたのかな

幼い頃から何度も摩り替えつつ
一つを否定して一つを肯定して
いつしか永らえるだ ....
あの日子宮に辿り着いた時
私は多くの仲間を蹴落として
一人の女を犯した

彼女はとてもきれいな
色をしていたから
私は穢したくて
嫉妬していたのだろう

彼女と一つにな ....
おまえは輝いている おまえは輝いている おまえは輝いている おまえは輝いている おまえは輝いている 
おまえは輝いている おまえは輝いている おまえは輝いている おまえは輝いている おまえは輝いてい ....
キャッチボールとは
誰が言ったんだか

すごいイイ例え・・


メッセで
メールで


きみからの返事
待ってるぼく

友人に
擬態する癖のある女がいる

よく家の中で
かくれんぼうをする
二人で
わたしが鬼で

十数えて振り返ると
家の中はしいんとして
空気がうす青い
百年前からこうし ....
帰り道
巨人が追いかけてくるので困った
新年早々
巨人に追いかけられるとは
何と因果なことであろうか
先が思いやられる

とりあえず
通りがかった神社に入って
巨人が通り過ぎるの ....
人生には三つの弦があるという
理想と現実と失望と
それらをかき鳴らした音色が
夢と呼ばれるものであると
ある人は言う

理想を天とし
現実を地とし
失望を人とするならば
この世界に諦 ....
友人からの年賀状には離婚したことが添えられていた
数年前、結婚の挨拶に来た二人
こんな美人お前にはもったいねえな、なんて
憎まれ口にもニコニコしていた二人

昨年もいろいろな人がこの世を ....
今年の目標

ポイントを気にしない

ポイントを気にしないことを気にしない

詩を書くために詩を書かない

詩を書くために詩を書かないことを気にしない


人の詩を読む

人 ....
「今、決めた。 君、明日 銃殺ね」

不感症の空の夢
肩にオウムをのせた男がそう告げて終わる夢

ざらり

咽喉が渇いて
冷たい白い空を見る

夜のあいだに生まれたばかりのかまきり ....
夢のなかで、
女にふられたので、
冬の海で、
バタフライして死のうと思った。
目が覚めて、
ああよかった、
わるい夢だった、
と思ったのに、
やっぱりそれは、
夢じゃなかった。
俺 ....
 行き当たりばったり俺の人生
 今日も明日も明後日も
 通り道には通せん坊
 それなら俺は回り道
 くだらないことでも一生懸命
 何処かで誰かが認めてくれてる
 ありがたや、ありがたや
 ....
ニョロウイルスが猛威をふるっている

まさかの日本上陸で政府も急遽対策本部を設置
現在感染中の本部長を欠いたままの会議は深夜に及んだ。
現在把握されている症状は

・少食になる
・目の焦 ....
銃弾、放たれた 円錐 の、描く 螺旋には
Lu、が 似合う (若しくはLuLu、が)
レターナイフ、で 荒野の 黒山羊、其の
美しく、凶暴 な 角に、文字を 刻むなら
Lu、が 似合う (若し ....
二ヶ月ぶりに小田急線に乗った
眼がよく見えないと思ったら
乗客が全員保護色を着用している為
座席に溶け込んでしまっているのだった
水気の多い黒眼だけが幾つも
こちらを向いてぎろぎろ動いている ....
一年間ご苦労さん
会社は黒字経営、そうだね

黒縁めがねの経理がうなづく
「黒子ながら経費節減に努力させていただきました。
昨今日本経済をマクロ経済学的に俯瞰すると・・・」

その御説は ....
ロマンチックにおなり猫
あまりにも淋しすぎて
おまえに何ができるというの
ロマンチックにおなり猫
夕冷えのする野原の中に
ひとつだけ咲いた白い花
おまえのようだと言いたいけれど
ロマンチ ....
ここを漂っている。
ぶよぶよとしている。
意識はあるようでない。
自我なんてそんなものだ。
ぺちゃくちゃと馴れ馴れしく話しかけてくる奴らは、
それが分かってない。
 ....
僕ん家の家計は火の車で
ランドセルはお姉ちゃんのおさがり
小学校では心無い同級生に
赤い色が女の子っぽいと笑われた

そのたび僕は文句を言って
仕事帰りのパパを困らせたけど
 ....
「本当にごめんね」
その口癖を聞くのも今日が最後
本当は私が悪かったのに
貴方は一度も怒らなかった

返せなかった部屋の合鍵を
そっとキーホルダーから抜いた

帰りの駅のプ ....
噛んだ唇から
滲む血の味
鉄と酒と汗が混じり
この上なく不味い

今日も視線が通り過ぎた
降りかかる事の無い声が
目の前で遊んでいる

枯れた涙が頬を伝い
無為な恨み言だけが
今 ....
プレゼントには


口紅を買って頂戴




貴方に少しずつ、少しずつ


返してあげるわ
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