届いたのは
明日の朝刊だった
あわてて死亡欄をチェックし
自分の名がないことに安堵する

そのあとゆっくり
予定を手帳に埋めてゆく
熱海といわれても
有名な温泉地という以外
実はなにも知らないのだった
このお題、絶対残るよなと思いつつ   (※)
毎週書きつぶしていったけれどやはり残りつつあって
途方にくれながら飛行機で ....
2002年に詩人ギルドレビュウに発表した文章をもとに、雑談スレでの「詩の定義」議論に、私なりのレスポンスをしたい。下の文章は、あちこちの詩の掲示板で何かと問題にされることの多い「詩の定義」議論に私なり .... ねんどをさわっていると
いつも持ってきたくなるのは
プリンのカップ
ぜったい
そこが花のやつね!
プリンのカップのそこの花のとこはうすくなってるので
ねんどをくりぬくのにちょうどいいわけで ....
白黒白黒 テントに籠もる咳払い 秋の夜長の神経衰弱

七並べ アルミパイプの指定席 正面に花 照れるジョーカー

「大ちゃんの絵ができました」叔母の手による油絵を喪服で抱え

安らかに ....
見た目はパッとしない。
目立たない。群れない。
硬そうにみえてそうでもない。
脆いかというとそうでもない。

灰だか茶だか緑だか色曖昧な身体には
何のためだかツノがある。
これがまた雄同 ....
エレベータの中で
一人の羊飼いと出くわした
私はその羊飼いのことは知らないし
羊飼いも私のことを知らない

二人とも
なんでこんな所で出くわしたのかわからずに
どうしたものかと
す ....
これ以上
大人になったら

何日か 一緒に暮らしましょう
隣りでは君の咳が止まらずに
ウイルスが部屋中に降り積もって
負けじと僕も僕のウイルスを飛ばしながら
お互いのウイルスは僕らと同じように仲良くしてるのかなんて
そんなこと
ど ....
 帰ると 金魚が死んでいた

 台所の床に置いた水槽の中で
 腹を水面に浮かべて

 血の止まった体は色あせて
 生きていたころの鮮やかな赤ではなかった
 死骸から染み出した白い粘液 ....
 オレンジに染められた
 夕立の街はドラマチックだった
 そのくせ登場人物は一様で
 傘を差し身をかがめて
 濡れないように足元ばかリ見て歩くから敗残兵みたいで惨めだ
 情熱に溢れた雨粒 ....
日々此処。 であなたた。
 ちのこと。
 ばでおど。
 ると自己ってのがみるみ。
 るとずれ込みゆくようなきがす。
 るトレーシングペーパーでにっ。
きをつけ。
 るみたい。
 なそ。 ....
鉄塔に雨が降る

手馴れた笑顔で許して終わらせ
ひそかに持ち帰る湿ったフィルター

高圧線に変電設備 乾いて固まる絶縁体
継ぎ目で疼く火花とノイズ 青白い

鉄塔に雨が降る 何度でも雨 ....
暑さゆゑ眠れぬと生皮を剥ぐ

炎天や毒蛇暴るる腹の内

息づくよどみに足をとられた

君がやさしく手をのべれば滴る血

くすりゆびだけのびあがり霧の沼

首無しが首締めてゐる芒原
 ....
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