あの頃、君に告げられなかったことを今


 ***


ねぇ、君
冷やし中華を誰よりも早く始めたいの、とはりきる君の姿が僕は好きだったんだ



ねぇ、君
扇風機の首フリに合わ ....
すきとおる泪が
青い洞門をすべり落ちる
あなたほど自然に私をさとすものはない
美しく象形した蚕の吐糸がやさしく肌を包む
あなたは私を裸にせず裸にする
新しい息吹は真珠となり
このく ....
夏祭りの夜へと
手を引かれた私の
耳たぶ、薄く
汗の艶、熱く
提灯のように
風に赤らむことを
しっとり許された
夏祭りの夜に


石段の高みへ
鼓動と鼓動の、 ....
  行ってらっしゃい、気をつけて




  静かな朝の洗面所


  ちっぽけなスペースに


  無造作な歯ブラシ5本の安堵感




  本日も良好、我が家は ....
ブルー問ふ京の都の古家ぬけ落ち込むぼくに空指しながら


麗しき姿であれどきみに問ふ如何なる意図や人魚の胸像


高速の指の運びに混ぜられてゆく鍵盤ももはや灰色


「色たちが心中し ....
ラクダと探偵が恋に落ちた
ふたりは愛情を育んだが
所詮は偶蹄目と霊長目の許されぬ仲
お別れの日探偵は
沈むことのない夕日をプレゼントした
ラクダは泣き疲れ
二つのこぶをなくし
変 ....
今日という日は二度と来ない

あなたと会うとき

いつも思ってた


繋いだ手のぬくもりも

あなたの微笑みも

まったく同じじゃなかった


四角い小さな窓から

最 ....
土砂降りの雨の

雨粒をあつめて

白く輝く石にしてあげるよ

それが

僕から君への最後のプレゼント


あの店で

君の友達の紹介で会った

初めてなのに

意気 ....
僕らが歩き出す衝動は
希望なのかもしれない
その過程でいくつかの
意味のようなものを口に含むけれど
次々と廃棄しなければならない
進めば進むほど薄くなるものを感じながら
やがて一番 ....
八月の暦に耳を押し付ける少年いつしか海原のうへ


生い茂る真緑の原に埋もれゆく廃工場に響け恋歌


遠回りで帰る夜道に横たわる近道えらびし野うさぎの母


飛行機を追うてふもとの村 ....
てとらぽっとは海につながれて
夕日が燃えて琥珀に変わるのを
見ていた

さよなら
さよなら
さよなら


駆け足で過ぎようとしている夏の
スカートの裾 ....
空が割れて
夏で満たされたプールで
泳いでいる
さかなのアンテナで
誰とも触れることなく、すり抜けて
泳いでいる
すれちがう誰もさようならをうたわない


体の中心がどこなのか
わ ....
東京のかたすみで齧る
レモンの味は
とてもさびしく
小学生のわたしは
校庭のすみに駆け寄り
朝日に似たものを吐瀉する

(バラのとげはひとつひとつていねいに折ること)

希望の春のノ ....
降りそそぐ雨に濡れた道の上
白々と曇る空を{ルビ仰向=あおむ}けでみつめる
一匹の{ルビ蝉=せみ}

七日間の命を一心に鳴き続けた
体はすでに白く{ルビ濁=にご}りはじめ
六本の細足は宙に ....
16歳。




もう16歳。





なのに頭は子供以下





自分が欲しいものを手に入れたくてダダをこねているならまだ子供だなぁですむ。

 ....
月の欠片を集めて

ブレスレットを作りたい


あなたのために


愛しくて

夢に見て

口では言えなくて

風に託す


人を愛することが出来ないのは

寂し ....
生きていくのだ
ブルゾンに袖をとおして
ショップの店員が
ボタンを掛け違えたまま
しめやかに執り行われます
本日の埋葬
自分しか見当たらない台所で
悲しみの真似事をするのは止めに ....
幼い日々
などというものは
これまでも 
これからも
全く変わりありませんので
特筆いたしません



或るときから
うたに喜ぶようになって
泳法はままならずとも
流れゆく日々 ....
 金八先生の股下が
 あと3センチ長かったら
 どことなく銀八先生
 101回のプロポーズが
 あと3ミリ男前だったら
 がんばって91回のプロポーズ

 かっこうよさの
 遥か遠 ....
矛盾した水槽の住人は
矛盾した椅子に腰をかけ
矛盾したテーブルにクロスをかけ
矛盾したグラスで
矛盾したワインを飲む

矛盾した水槽の住人は
毎日が矛盾しているから
その矛盾し ....
 許される時知らず
 流れ着く場所知らず
 其の手の瓦礫
 其の血の痛み
 乗せたまま
 時を越え
 流れつづける浮船の
 哀しみ
悲しげな横顔を今も思い出す

雨の日も晴れの日も


切なくて

悲しくて

愛しくて

届かない


想い出は

もう

葬ってしまおう

墓標は白いユリの花 ....
海に行く
護岸の上でいつものように
体操をしているおじさんと挨拶する
釣り糸を垂れる
魚が一匹釣れる
魚を一匹殺す
やがて日が暮れたので帰宅する
途中おじさんはもういない
今日 ....
金魚鉢に
南は燃えうつるか
わたしは見ている


溶けない黒出目金の生体
燃えない色彩の存在を
本当は願っている


願いながら
燃える南に金魚鉢を晒す
晒しながら ....
私は風鈴

あなたが風を送ってくれると

綺麗な音色がするでしょう

あなたの心はなごみますか


あなたが風を送ってくれないと

私は鳴りません


はるか昔

あな ....
呼ばれていく
わたしの行く場所は
今はもうない
小さな平屋の家
家々の裏をすり抜けるように駆け抜け
小さなコンクリートの階段を上がると
カラカラと音がするサッシの引き戸
薄いガラスが嵌め ....
明日がある
と貴方が言ったので
私はすこしだけ淋しかった

いつだっけ
明日がどこにあるの
と尋ねたら
東北東
と答えたのよね
貴方は

どこからくるのか知らないけれど
明日は ....
わたしがむやみに数えるものだから
蛍はすべていってしまった


わたしが思い出せるものは
ひとつ
ふたつ

美しい光

いつつ
むっつ

美しい光

けれどもそこ ....
 容赦ない夏の
 どこかの軒下で
 わずかな風を拾い集め
 リンと鳴ったところで
 気休めなのだろうけれど
 気休めに救われる
 瞬間もある


 声にならない声が
 遠くから鳴り ....
日記は忘れています
かつて
誰かの小鳥であったことを
目を瞑ると
まぶたの中で風景が裏返る
人は皆
空の切れ端でした
草野大悟さんのおすすめリスト(530)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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聡明- つきのい ...自由詩1605-8-27
夏祭り- A道化未詩・独白505-8-26
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第三芸術- 本木はじ ...短歌1905-8-25
ラクダと探偵- たもつ自由詩1305-8-23
@11_青いうさぎ- 貴水 水 ...自由詩9*05-8-21
☆201_サイゴノ、プレゼント- 貴水 水 ...自由詩305-8-21
すいか- たもつ自由詩20*05-8-21
八月生まれ- 本木はじ ...短歌1705-8-15
さよなら夏- 落合朱美自由詩19*05-8-15
満水の夏- 望月 ゆ ...自由詩37*05-8-15
曇りの日- 青色銀河 ...未詩・独白905-8-15
蝉の臨終- 服部 剛自由詩6*05-8-13
16年_- 柚姫自由詩105-8-13
@6_ブレスレット- 貴水 水 ...自由詩305-8-8
ブルゾンに袖をとおして- たもつ自由詩905-8-8
履歴書- 千波 一 ...自由詩19*05-8-8
武田さんの歩き方- yaka自由詩6*05-8-7
僕の中の矛盾した水槽- たもつ自由詩1205-8-7
浮_船- yaka自由詩9*05-8-7
@4_墓標- 貴水 水 ...自由詩11*05-8-6
海に行く- たもつ自由詩1405-8-4
冷たい背理法- A道化自由詩705-8-4
@3_風鈴- 貴水 水 ...自由詩5*05-8-4
走り抜ける- チアーヌ自由詩605-8-3
明日について- 佐々宝砂自由詩9*05-8-2
清流- 千波 一 ...自由詩43*05-8-2
凛_々- yaka自由詩8*05-8-1
童話(日記)- たもつ自由詩2005-7-31

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