暖色の山の合間の分岐点開花未遂で冬がはじまる


先輩と呼ばれし秋の公園の噴水近くのベンチにも冬


少年が少女に呼ばれ午前二時 雪の黒さを確かめている


ひとひらの雪を蛍とたとえ ....
申し分なくうつくしい

海の夕焼けを

石段に もっそり座って

眺めています

終わってしまって 始まらない物語と

始まってしまって 終わらない感情を

かわるがわる フィ ....
隅々までほこりを吐いてこの部屋は呼吸も忘れた屍である


恐ろしき世界のごとき牙かくし小さな鳥を演じる小鳥


天体にばらまくひとみ瞬く間消えゆく星が消えゆく速さ


投げつけた夕暮 ....
丘しかない街の周りをてんねんと呼ばれるきみの自転車がゆく


「本当は円かもしれない」そう言って虹の半円探しだすきみ


ていねいに折り目をつけてあれはシャツ飛んでゆくのはアイロンですね
 ....


白い人は浜辺を見つめ
見つめられることで
浜辺は姿を変える
夏から秋へ

飛び交いながら鴎たちは嘆く
生まれそこなった夏を
背後には大きな波
あれは九番目の波

白い人は ....
老女になりたいと思うことがある
老婆 というのでは色気がないので
老女 というのになりたいのである
あくまでも 老女 なのである

お抹茶たてて優雅にきみしぐれなど食べながら
とい ....
閉じ込めて鍵を閉め忘れたがゆえに青空今日もひろがってをり


低地へと雨がながれてゆくはるか彼方の名も知らぬやま


生活のにおいを捨てて枯れすすき遠くに見ゆる鬼と目が合う


彼方 ....
今赤き風船ひとつきみの手をはなれ空へと浮気なぼくら


胎動を促すごとく数々の伏線蜘蛛の巣顔にかぶれば


ソヴィエトで焚き火にあたっている少女大陸横断鉄道の窓


金魚鉢のふちで指 ....
ドアが開くような音がすると
誰かが勢いよく飛び出していく
真っ直ぐに見せている道は
静かに湾曲していて
遠くの方で反射して、光が
不透明な景色を作っている

霧に浮かんでいる街で
探し ....
粉雪が、そっと舞い降りて・・・・

二人の頬を、赤く染めて

悲しいこともいっぱいあった。嬉しいこともいっぱいあった。
二人で過ごした日々、いつもどこかぎこちなくて・・・・

会話なんか ....
桝目をひとつひとつ埋めていく
あなたはまだ
自分が花びらであることに気づいていない
窓の外は想像を絶する想像に包まれ
僕はそれを夕焼けと呼ぶこともできる
かつて靴下をはかない男の子がいた ....
今青き蛇の抜け殻くぐりぬけ廃墟のごとき雨の降るかも


コスモスの群がる丘で赤と青 少年少女が燃やすむらさき


錆び付いたあなたが今夜もあらわれて僕のくちびる噛んでさよなら


降 ....
死火山に松明投げるかのごとくあなたが閉ざした扉をひらく


灯台の下で探すが見つからぬ懐中電灯を持ちしあなたが


ふたりしてベンチに座りブランコの鳴き声などを聞いた十月


畑には ....
はしごから降りたばかりのきみだから空のにおいが漂っている


桜より葉桜を見てはしゃぎだす僕によく似たバカがここにも


金魚すくい破れし網でいつまでもふたりで恋など追い駆けた夏


 ....
夜にしか会えないわたしたちだった合わない靴を無理して履いて


クラクション鳴らすあなたの矛先はわたしと彼女のちょうど真ん中


コーヒーを投げるあなたの手の平は薬指から冷めてゆくのね
 ....
生徒数ふたりの村の学校の日直いまだ解かれざるまま


箱舟に辞書を積み込み忘れたがために無数の言葉も消える


ソドムとゆう街が滅びたときでさえどこかで恋が芽生えただろう


「カイ ....
いってらっしゃい

ううん、ほんとは寂しいの

でもそんなことを言ったら
笑ったあなたの頬が困ってしまうから
言わない

昼間、楽しいことがあったとき
あなたがいないと、少し寂しいの ....
僕のなかで名もない何かが暴れている
鎮めるための唄をうたっておくれよきみ


タイムカプセルの話なんか持ち出したりして
そんなんじゃいつまで経っても
掘り起こすことなんてできやしないさ ....
あのひとの黒髪をみたことがない
彼女は髪の長いひと
はじめて手紙をくれたひと
姪っ子にリンゴ飴を買ってきてねと頼まれて
祭りの帰りに
「ちょっと待っててください」
と闇の中へと消えたひ ....
赤ちゃんがあまり泣くから頭が痛くなってしまって
鎮痛剤を2錠飲んだのだけれど治らなくて
もう2錠飲んだらついうっかり眠ってしまったの

目をさますと 部屋中に片づけてない洗濯物
たっぷりウン ....
どっちを向いても砂浜だらけの砂
部屋が思い出砂漠しているのでゴースト バイ ゴースト バイ ゴースト
あなたが沼へ帰るというので
わたしは途方にくれる
あの森はあなたの兄を食べ
わたしの妹を ....
木の葉を一枚 硝子の器に浮かべてみました

空 をみつけました

心は 揺れておりました
それは 私の中の悟りのようなものなのかも

小学生の時に こんな事がありました。
「どんな風景でも良いので 風景画を描きなさい。」と言われ 好きなようにスケッチして絵の具の色をおきました。
 ....
玄関の扉を開く真白いてのひら
その直前に十月の金木犀の香りに包まれて
ふと立ち止まるあなた
かなしみの胎動を青空に聴くことができる巨大なこすもすが咲いている森で
倒れゆく木々
その生前のざわ ....
潮の流れをぬうように 群れなす背黒 秋のうお ひと竿

ふねより なにより 活きに優る二の 腕にきかせて ふた竿

秋 味を 竿に捕らえて 父 にんまり

笑み 食卓へ み竿の 飽き ....
どこまでも続くこの空は 徒然

それぞれの 秋 思いを乗せた 雲は 流れて行くそうな

明日といふ日を追いかけもして

夕暮れに 辿り着く あかね色に染まりながら

伝えて

 ....
雨は降りそそぐでしょう禁じられても
大地は受け止めるでしょう嘲られても

たとえ何億回囁かれたとて
愛は愛でございますとも
たとえ道端で売られていてさえ
人は人でございますとも

あた ....
いつまでもそうやってそこにいなさいかみさまとみんなはあなたを呼んでいるけど


まだ誰も知らない土地でひっそりと虹の種など埋める秋の夜


悪だくみしてもいいけどもう二度と砂のお城は作れな ....
うちの近所の橋の下に
ホームレスのおっちゃんが一人住んでいて
橋下さんと呼ばれている

橋下さんは五十代半ばくらいで
よく釣りをしている
釣れた魚は焼いて食うらしい
釣りをしていないとき ....
微笑みの匂いがする最後の頁を
めくるかのように
僕が女を忘れたころ
女はいつもと同じ場所で
いつもと同じ歌を
歌っていたそうだ
未明
人も車も動き出さない冷たい駐車場
空を見失 ....
草野大悟さんのおすすめリスト(530)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
開花未遂- 本木はじ ...短歌604-11-8
夕焼け- こむ自由詩5*04-11-7
午睡未遂- 本木はじ ...短歌404-11-7
生活未遂- 本木はじ ...短歌604-11-6
白い人- 佐々宝砂自由詩104-11-6
営業活動としてのマドリガル- 佐々宝砂自由詩3*04-11-6
大和未遂- 本木はじ ...短歌604-11-6
帯色未遂- 本木はじ ...短歌1304-11-3
氷面- 霜天自由詩904-11-3
小さな心のつまり。- 天使自由詩104-11-3
花が降ってきた- たもつ自由詩1304-11-3
退色未遂- 本木はじ ...短歌2804-11-2
Sundown_dazzling_day- 本木はじ ...短歌804-10-31
DAYDREAMYOUTH- 本木はじ ...短歌604-10-30
Wicked_Child- 本木はじ ...短歌9*04-10-28
starlessandbibleblack- 本木はじ ...短歌8*04-10-27
だんな様へ- ふるる未詩・独白11*04-10-23
邂逅- 本木はじ ...自由詩404-10-20
10_years_ago- 本木はじ ...自由詩1004-10-19
いと- 佐々宝砂自由詩3*04-10-15
DEEPHITOFMORNINGSUN- 本木はじ ...自由詩804-10-15
それぞれの_秋- ひより自由詩16*04-10-15
曼陀羅絵巻のように- ひより散文(批評 ...10*04-10-13
閃光- 本木はじ ...自由詩7*04-10-10
それぞれの_秋- ひより自由詩8*04-10-10
それぞれの_秋- ひより自由詩9*04-10-8
わかりやすい最古の商売- 佐々宝砂自由詩904-10-6
PASTICHIO_MEDLEY- 本木はじ ...短歌16*04-10-6
橋下さん- 佐々宝砂自由詩7*04-10-6
忘れられた女- たもつ自由詩1504-10-4

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