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{引用=
かくかくしかじかで
魚の骨が喉に刺さっているからどうにかならないかなって食卓を挟んで彼が言う。
かくかくしかじかで
多分どうにもならないんじゃないかなって私は箸を口に運びながら、そん ....
いろいろ伝えたいのに

この言葉しか書けない

それが悲しくて泣いた
俺たちは列車を見送っていた
線路の脇の柵に囲まれた高台の上で
俺たちは黙って立ちつくし
通り過ぎる列車をただ見送っていた
柵を乗り越えて列車に飛びこもうと思えば
出来たはずだがそうはしなかっ ....
うつろな視界の外側で小鳥の囀る気配
ひとしきり肩の上を行ったり来たり
動こうとせぬ私の様子をいぶかしく感じたのか
右の頬を軽く啄み樹海の奥へと飛び去った

時の感覚を失う
それがこんなにも ....
受信
下書き
送信済み
ゴミ箱
送信
迷惑メール


今の若い世代と付合っていると
私との会話はだいたい
メールボックスのように
振り分けられる

例えば、息子
私の言った ....
なまぬるい風に
ウエルニッケ野原はがらんどう
すずめを いちわ
ちからまかせに
にぎり もだえる
臨月まぢかの手(うで)をひろった

縄をまわし
大地に丸太をいくつもしいて
石油コン ....
幸せ


孤児院住まいの見習いウエイトレスは
真っ赤な口紅のついたコップを載せた
ステンレスの盆を厨房の隅にそっと置くと
裏口から同じくらいにそっと出た
ダイアモンドとマスカラのお客はま ....
十一月の凛とした

午前のひかり、風、匂いのない匂い

カーテン越しでさえ

きみの部屋を充たしている

カーペンターズが流れている


ノンビブラート

体温を超えることの ....
崖の上を覆う
赤い紅葉の
庇の下に
渓谷の底
竜が滑る。

鱗状の水飛沫(みずしぶき)
突然竜頭が
川底からなお落ち込む

崖の上には
紅葉楓の緞帳が
視線の上を覆っている
 ....
努力をした
歯を食いしばった
だから
生まれてこれた

努力をした
歯を食いしばった
だから
一等賞をとった

努力をした
歯を食いしばった
だから
試 ....
26年目の記念日

落ち着く和食居酒屋の個室で
あたしは
貴方に
指輪ケースを差し出した

 もう一度 はめ直して

いつの頃からか
あたしの薬指には 指輪の跡さえ
なくなってい ....
ひとはみかけによらぬものと
ははを三度叱れば
四度言い返される
そうしながらも雪は溶け
湿地に辛夷の花が咲く
わたしもすぐにははになる
月曜日は生ゴミの日
ロマンチストとエゴイストは
しっかりと分別してね

何かを背負っていないと
ビル風に飛ばされてしまうよ
なんて
あなたの
猫も興味をもたない
そのプライドは
き ....
水は瓶を零れ白い指先をつたう
冷たい大理石/泉の奥底に
褸褸と血はうすくながれ落ちた

女は腰に蛇を巻きつけ、小脇に山羊を抱えこむ
秘部を隠す羊歯の葉はかたく
その陰部を突き刺し ....
瞼の奥で失っていたことに気づく。しかし、
それが、髑髏を巻いていたひと夏の感情だ
ったのか、それとも、行きずりの女が床に
棄てた水着の匂いだったのか。朦朧と立ち
込める喪失感だけが、ドラム ....
少女達は駅の回りでたむろしていた
少女達は皆乾いていた 
全てのものが無機質な情景の中で
既に前からそこに居たように乾いていた

見えない虫の魂がボウと浮かび上がり
それはまるでカゲロウの ....
{引用=

せかいのあちこちに
内緒で敷かれている
内緒の線路を走行する
打ちっぱなしの
コンクリートの
でっかいとんねるは
せかいの中身を
くり抜きながら
こわれた部分を直して
 ....
ひとひら
手のひらに乗せてみると
ちっさい象みたいな形で
足の裏がかゆくて
恥ずかしいような
気がして

いつかわたし
旅に出る時の
準備を
まだしていなくて
それは
きっと
 ....
遮光レンズ越しの
淡い背景が
拡散する持ち時間を
しばし彩る
グラデュエーション
緑色のかみ人形の林立に
研ぎ澄まされた
ペーパーナイフの
握り締めた刃先の赤
指の間の憂鬱な黒い ....
かつて、私の泣き声の
代わりに歌ってくれた小さな川
その横を闊歩する

今の私の泣き声は
私の子宮にうずまいているから
軽やかに
川縁を散歩することが
できる
水の流れる音
さらさ ....
ひがな一日
猫のように

ぼうっとして
まどろんでいる
あたし

たまぁに
さくさくと
動く

ふっと
感じる

脳のどこかで
きらっとひかる
何か

すると

 ....
終わりの果てだと 葉っぱのふち
緑の雲を浮かべた陽気
体を掠めて靴の先で紐をとく

小さな精密が一生懸命
育てた木は また残る

根元に散らばる慈しみと親愛が
腐りはて かさかさに乾い ....
親子で罵りあいの口げんかした後は脳みそがカラのまま膨張したみたいで
このまま大見得を切って飛び出してやりたいと思うのだけれど
空を見上げれば虚しくて
大地はちっともわたしの味方をしては ....
夜の地球には宇宙からだと

約20くらいの大きな光が見えるのだそうだ

そのなかでいちばん大きな光は

ニューヨークでも上海でもパリでもなくて

東京なのだと

ぼくはそのことがと ....
地球にない道を僕はオルゴールとともに歩いている
そんなことを想い描いていると、うしろの誰かが遠い神秘な世界を指差しながら僕の小さな肩をポンとひとつたたいた。
「おまえの遊び相手は田んぼの蛙に ....
ドモ、ロボトデス
ヒト、スキ
モノ、スキ
コトバ、スキ

キセツ、ハ、メグッテ、ハナヤグ、コロニ
トリヤ、ムシラモ、カナデル、コロニ
プレリドッグノ、デアタ、コロニー
・・・ボク、コユ ....
「じれったい!」と叫んでいた男の背中にすがりつこうとして
彼が必要としてたのは私じゃないことに気付く

う〜ん、淋しいかも

開けてはいけない扉を自らの意思で開けてしまったのだし
それが愛 ....
一日に一度は玄関を開けているだろう
仕事に向かうためだが
僕は薄汚れた透明な抜け殻を羽おり
「僕」の言葉を放り投げる

外に出れば
そこは樹木の生い茂る密林だ
昨日通ったはずの道は
 ....
直線的な飲み方をしたら
その酒は喉を焼いた
甘美な味わいの後の
ヒリヒリした後悔は
終電後の情事

一杯飲めば十分で
それ以上求める気はない
倦んだのでは無く
違う刺激に酔っている
 ....
酔いすぎたあとの朝の目覚めは
透明な悲しさ
霧の湖の水面に
さざなみがたち
底がゆれる
どこまでも沈めるようでいて
波間にただようしかない

ぼくの影はぼくの形から
女の長い髪が広が ....
豊島ケイトウさんの自由詩おすすめリスト(486)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
割愛- 佐藤真夏自由詩7*10-11-9
ごめんね- 吉岡ペペ ...自由詩410-11-9
見送る- 岡部淳太 ...自由詩310-11-8
安らぐひと- 恋月 ぴ ...自由詩22+*10-11-8
メールボックス- ナカツカ ...自由詩11*10-11-8
がらんどう- 乾 加津 ...自由詩10*10-11-8
十一月の童話- salco自由詩16*10-11-7
十一月のカーペンターズ- 吉岡ペペ ...自由詩910-11-7
竜化の滝ー塩原渓谷- ……とあ ...自由詩8*10-11-7
努力- yumekyo自由詩5+*10-11-7
指輪- 森の猫自由詩14*10-11-6
辛夷- アラガイ ...自由詩3*10-11-6
分別の日- アズアミ自由詩5*10-11-6
不幸な女- アラガイ ...自由詩4*10-11-6
喪失感は地面を掘っていって- 乱太郎自由詩14*10-11-5
乾いた少女達- 山人自由詩10*10-11-4
ぷろぐらむ- 佐藤真夏自由詩12*10-11-4
ひとひら- 遠藤杏自由詩4*10-11-3
老い- ……とあ ...自由詩11*10-11-3
川縁にて- ナカツカ ...自由詩9*10-11-3
もうひとりのあたし- 森の猫自由詩4*10-11-3
木漏れ日- 砂木自由詩16*10-11-3
因果- アラガイ ...自由詩7*10-11-2
ぼくは夜を抱きしめる- 吉岡ペペ ...自由詩610-11-2
_道‥(端)- アラガイ ...自由詩6*10-11-2
ロボト- 乾 加津 ...自由詩5*10-11-2
ケーハクなひと- 恋月 ぴ ...自由詩23*10-11-1
玄関- 乱太郎自由詩11*10-11-1
Kiss_OF_Fire- ……とあ ...自由詩9*10-11-1
霧の顔- 殿岡秀秋自由詩510-11-1

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