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いつだってただ生きるためだけに眼をこらしているけれど
たしかにあの頃はそうして寝転んだまま泣いてさえいたら
おいしい物だとかやわらかい声だとかあたたかい手だとか
そういうものはいつもかたわらにあ ....
サキとは昔から似てなかった
サキは母親似で
それがずっとうらやましかった
サキは生まれたときから妹だった
サキは小学校のころから
勉強が苦手だった
勉強が得意だったわたしは
いつもど ....
雨降りが続くと
そこいらじゅう軒下に
てるてる坊主がぶらさがっていた
あの頃
昇降口から振り返った校庭は
ところどころ
コーヒー牛乳の水溜りで
少しだけ、おいしそう
なぜだ ....
街外れの小さな本屋で
彼女と偶然再会した
本屋でよかった。
きりりとした空間では
おしゃべりにならずに
すむ
彼女が手にしている
水色の背表紙の本が何であるか
なんてことは
....
死んだつもりで生きなおせ、と
誰かが言ったけど
死んだつもりになんて
なれない
ぼくには過去があるし
ぼくには記憶だってある
こんちくしょう
死んだつもりになんて
なら ....
僕たちは
そんなにも 長い間
夢を見続けた
夢は見続けていたら
叶う、と
信じていたのは
いつの頃までだったか
今はただ
明日に追いつくことだけに
必死で
昇る太陽を ....
空が笑ったら迎えにきて
そう言って
きみは去っていった
わかった
とぼくは言った
ぼくは
今もあの時のあの場所に立ち
一歩も踏み出せないまま
シャボン玉をとばしている
....
ぼくたちが住む
この星の
実態を知るべく
ならば
地球を割ってみよう、と思いついた
ぼくがやらないにしても
いづれ壊れるみたいだよ
と
誰かが言ってたし
それなら いいよね
....