すべてのおすすめ
☆いつまでも飾るお雛様
独身の 理由を母に 転嫁する
「おさめないで」と雛{ルビ愛=め}でた春
☆おさななじみの雛祭り
ひなあられ 「おには ....
まっさらな 白いガーゼを 赤く染め 私は大人になりました
きっと前世は 人魚だったのかも 私の間に 海があるから
体内に 地球を抱いて 丸くなる 愛おしむ程 母になってく
振りかざし 性器めがけて 打ち下ろす 鬼の顔した 木彫りの聖母
・・・ルラさんの幻視による
かわいてる ぼくをそっと 湿らせて 水を吸い込み 吐き出すは、きみ
血に濡れた 人差し指を 筆に変え 夕陽を浴びて 樹をなぞる姉
山頂に登れば見える恋の色星の光と混ざり合う愛
梅雨入りし届く葉書を湿らせて滲む言葉に哀しみ宿る
一言も話そうとしない今日の君香水だけが何かを話す
夢の中離婚のことで話し合う浮気相手の ....
気の抜けたとんびが空をとんでいる。コペルニクスに会いにいこうか
如月の温くき休日二人して柿右衛門展思い出になる
洋服を二・三点も出されけりどれも似あいて妻はみめよき
妻出勤部屋を出でゆき戸を開けば横顔見せて運転席に
よく見える? そんなわけない 見えないよ 重なりすぎて 見えるわけない
{引用=
*あいうえおにあこがれている
あってみたい。まだ見たことない朝焼けに ぴったりの名前、つけられる人と。
いまだけを生きているから。いまだけを生きていたいと思って ....
tongueという怪物の棲む洞穴にまず招待の愛の共食い
歯の裏を口蓋打ちつ舌踊る孤独吐くだに異国語になる
恋人は菓子パンに似て買う前と装裂き食らう刹那が美味し
窓の外 ぐるり見渡し 水浸し 街を沈めよ 雪解けの水
外の街 人の差す傘 並び替え 空に届けよ 赤青黄色
街の空 雲の谷間に 春の色 赤に染まるよ つないだ手と手
空の赤 視界を覆う ....
{ルビ鬱人=うつびと}の 命の水を くみ上げて {ルビ六花=ゆき}を咲かせる 水銀の空
冬空をひこうき雲はまっすぐに。どこまでもゆく、どこまでもゆけ。
あのこはね、きれいなはなびら はなびらはちょうちょ ちょうちょはきまぐれなはな
陽の照る日おにぎりを二人して勾当内侍の塚の前にて
友くれし水仙の花しばしの間さびしい色に妻の花瓶に
ソロモンの言える如くに空しかり花も吾らの愛でさえをも
あの空はきっと誰にも描けない{ルビ薄紫=うすむらさき}のグラデーション
白き花 グラジオラスに 魅せられて ひろがる心 おさなごのよに
いつだって留守電のままの息子たち声が聴けない寂しさは闇
バス降りる園児の声がよく響く日本の未来君らに託す
牡蠣フライフワッと揚がる瞬間に別れを告げたあなたを捨てた
赤い薔薇悪いイメー ....
気がつけば骨まで{ルビ柔=やわ}くなるようだカルシウムが少し足りない
この道は知らない場所へとつづく道なくしたものの重みを{ルビ背負=しょ}って
北風を歩く麦の穂影こぼし月なき夜の炭水化物
ふくろうは鳴かぬか檻に閉ざされし脳という名の北辺の森
キリストは冬の季語なりあお黒く風にはためき電線ゆらす
きらきらと何処から降る雲母の粉乱視の眼 ....
母に似た 痩せた女を 抱いた後 髪を撫でられ 眠りに堕ちた
見えなくてすんだまなこをひと晩で開けたあなたの 眼をえぐりたい
綾辻行人・児嶋都「眼球綺譚」に寄す
暗やみの道の途中にぽつぽつと火が{ルビ焚=た}かれている道しるべだろう
日(休日出勤)
日曜日「宴のあと」の風沁みて いて座の子らがゼロを吸う街
月(週休)
月曜日一人ぼっちのアイドルで『ありあまる富』口ずさむ丘
火
今朝も ....
大鉈で マネキンの首 縦に割り 床に並べて 口づけさせた
7:30 コンクリートの 巣穴から ヒトがうじゃうじゃ 這い出してくる
しましまの囚人みたいな服を着て四角い窓から空を見ていた
廃 院 の ベ ッ ド の 上 に 捨 て ら れ た 注 射 器 ....
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