すべてのおすすめ
生ぬるい夜だ。時折吹く風は昼間とは違って重さがなく、ただ空気をかき混ぜて通り過ぎる。
僅かに髪を揺らす微風が心なしか清涼に感じることに、人の生み出した毒が世界にあふれているのを知る。
夜の風は ....
孤独な hungry wolf
陽気なボルフガング
笑顔のたえない少女
可愛い2歳の男の子
歌を歌い
喉を鳴らし
泣きましょう
笑いましょう
お調子者は
損をする。
真面目 ....
1
明るい陽光を浴びて
僕の黒猫は
幸せそうに膨らんだ
黒い鞠となって
朝から眠り込んでいる
彼女の黒い体毛は
朝の陽光を吸い込んで
幸せ一杯に膨らんで
....
くだらない話を
長々と電話して
卑猥なことを言う
相手をコケにする
おっぱい吸って
寝んして抱っこして
おんぶして
また明日。
明日は飲み会
明後日は夕食会
明々後日は
....
処女の下着を脱がすみたいに
やさしく一枚一枚皮膚を剥いでいっては
シミの痕 ホクロの母斑
何も残らない生鮮な肉体を
あなたの前にさらけださせて
あふれだす粘液
真っ赤な舌でコロコロと舐めま ....
ぼくは病院を経営していた叔父叔母に育てられました
ぼくの部屋は病室でした
かたくて高いベッドと狭い机しかなかったけれどなんの不自由もありませんでした
妹の部屋は病院の最上階、叔父叔母の居住するフ ....
ダンボールの中の子猫
雨の日に、ミュウーミュウー
ないている。
お腹減ってるのかな
寒いのかな
同じ命なのに
人間とは待遇が違う。
他の生き物がいるから
人間も今の生活ができるのに ....
{引用=
なにかいつも悔しくて
無理に笑うことなど
できなかった
さくらばかり、知らぬ顔で
春ひと色
それでも、
きまって咲く花に
いつも違う春がやってくる
矛盾が好きだった ....
夢を諦めないで
夢を捨てないで
夢を見せてくれ
夢を叶えてくれ
苦しいときには
ぐっと耐えて
自分のできることを
コツコツとこなす。
言いたいことを
ぐっと堪えて
息をのむ ....
女が死んだと聞いたのはいまから五日後のことだ
川沿いの夜に白がしなだれかかる頃それを聞いた
死世界のぼんぼりを幻視して生の回廊を歩いていたのは
私である筈なのに三年前別れた女がさきに ....
あー遅刻しちゃう
パンをかじって
牛乳飲んで
ネクタイして
そしてボールペンを
持っていた。
急いでコピーをして
お茶を飲んで
いつの間にかに
ゆとりを忘れて
いつも時間と ....
おびえたカラスみたいに
があがあ鳴くの
つややかな黒の羽を
ばたりばたりさせながら
いっぽんの電柱の上で
歩く人を見下ろしながら
同じカラスが
飛んできたのに
くちばしをとがら ....
頼んでも死なないので
ラーメンを食べて風呂に入る
猫を触っても毛が抜けないのは
毛を抜かない強い意志力を備えているから
勝たなければいけない場面で勝たなければ負ける
勝たなければいけ ....
喉を掻きむしりたくなるのは
山の輪郭を際だたせる秋の夕暮れ
寂しげな街路樹は
話し相手を欲して
その幹を、枝を、四方八方に広げるが
望み叶わず
排気ガスに体を犯され空しく朽ちる
おまえは ....
「いつかはこの関係が崩れてしまうものなんだと思ってた。」
そんな悲しいこと言わないでよ
意見がすれ違ったりケンカしたりいたことも
あったけれど
あたしは一度も
関係が ....
腫れて高校生になることのできたわたし
また一歩前進することへの期待と
大きくなるにつれて増えてゆく責任への不安
失敗と成功を繰り返しながら
わたしは
みんなは
成長する
....
せっかくの初登校なのに
朝っぱらから雨がザーザー
友達と待ち合わせして行くはずだったのに
電車の時間を間違えて
次の駅まで急いで送ってもらった
「最悪だ」
と思ったけれど
差 ....
{引用=
なんにもないとおもっていたあのころが
いちばん
うしなうことをこわがっていた
わたしの手に
だれかが触れる
小さなやらかい繋がりが
ほしがればほしがるほどとおくなる
....
葬式いろの装飾の
さくらのぼんぼり
きみがなまめいた
生理にせがまれて
おれペニス口紅の
スティックになる
つまらない命いろ
葬式いろの装飾の
さくらの ....
可哀相な音がする
車も人も少な とぼとぼと
あなたの足でやって来る
歩いてんのは子供ら だろう
ぽつりぽつり
ジャージャー橋を
そしてぽつり と
歌の匂いをのせている ....
彼は人並みだ
情も愛想も
必要がないからすこしずつなくしていく
空から降ってくるようなmarchを
追いかけるほど、日々に怯えていないから
今年も淡々
見送っていく
明日にはもう ....
僕のお尻を洗う業者に三行半をつきつけて
今 君は進むんだろう自ら次なるステージへ
僕のお尻を洗う業者に三行半をつきつけて
今 君は歌うんだろう声高らかに革命のうたを
そしたら僕は明日からアルバ ....
私のお墓の前で泣いている女が
私の全然身に覚えのない女で怖い
時折愛おしげに腹部をさすりながら
私のお墓に縋りついて泣くから怖い
なんのための休養か
未来のため?
過去のため?
自分のため?
誰かのため?
仕事の年目が上がった今日に
さくらが八分のこの時期に
難しいことはわからない
....
{引用=
うばっていくんだろうとおもっていたんだ
記憶もにおいも痛みも。
酸素さえぼくらは不必要に摂取してしまうのだから
なにかを共有することなんて出来ない
ひとつのせか ....
やべえやべえ、私は毎年エイプリルフールに気づかずに終わるのである。
今日がエイプリルフールであることを忘れていた。
先ほど、友人に「4月1日(しがついっぴ)おめでとうの電話」を掛けようとして、
....
北風のたけり立つなかにもめげず
冬枯れの庭に 精気をとりもどしてくれた
もくれんが 去年とおなじいろあいで
でも なぜだろう
....
生ぬるい風が吹いている
曇りの日だった
男はごわごわした髪を女に触らせた
「ふわふわ」
女は思いつく限りの形容詞で褒めた
遠くで猫が鳴いている
....
僕は困ってるんだ
君の匂いが
匂いが
面影を
呼び起こして
良く眠れて
眠れなくて
安心して
安心できなくて
今までそんなこと
なかったのに
ベッドで
独り
....
それは黄昏れ時の一室 夕、だった
蛇と蛇は見留め合い からまった
それは黄昏れ時の一室 ふたり の ....
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