俺は推敲していた
つまり、ちゃんと書こうとしたところや詩っぽくしようとしたところを省いた。
1.
シナ子
今、列車に乗っている
田舎に帰る
トンネルに入るとヒューィって音がこだまするの
それは列車の車輪の音
昔よく吹いていた草笛にも
車掌さんが切符を切る音にも似てる
....
冬は太陽が低くて
オープンキッチンのカウンターは
暖まっていて
太陽から連なる
六角の連凧が
ブラインド越しに差し込んでいて
左目を射抜かれてしまう
カップの中のアー ....
{ルビ医師=いし}らバス{ルビ停=てい}にいてすばらしい
{ルビ酸欠=さんけつ}さん{ルビ診察検査=しんさつけんさ}
{ルビ残念捻挫=ざんねんねんざ}
インテリ{ルビ庵癌=あんがん}あり{ルビ転 ....
夢の中で土左衛門を土葬にした。
土葬にしたのは火葬にする費用がないからで
金が有れば火葬にする。
火葬にすれば墓が湿らなくて良いし
燐が燃えたりしないので気持ちが悪いこともない ....
むかし むかし
パイロットのきみ は
大きくなったら
ひこうき になりたかった
運転士さんのきみ は
大きくなったら
でんしゃ になりたかった
宇宙飛行士のきみ は
....
桟のきしむ音のする
ほこりっぽい網戸をひくと
あごの線にそう
あどけないおくれ毛が
すずしく 揺れた
たとえば を
話すとき
そのよこがおは
やわらかそうに 笑うのだけど
うっか ....
ねこ
先生は頭をなでる
簡単に
声をかける
簡単に
かわいいねって
ねこ
ずるい
でも、ミスドでたこ焼きは食べません
命かけて便所掃除はだめですか
所詮人事なのです 悲しんでる人はいっぱいいるけど
クローン人間てどんな気持ちなんだろう
ここは星が少ないし
....
そんなこんなで
私は今上空 3000m にいます。
30秒に沈黙の後
私は意を決して飛び落ちます。
その時少し左の口腔の辺りを少し噛んでしまいましたが
幸い切れていないようです。 ....
いくつもの命があるのにもかかわらず、幾人の手に取れるだけの人間の言葉しか、目にとめることはできない。
人生80年。一度くらいは人を助けることのできる機会には恵まれるだろう。その場面から逃げること ....
思ってみること
ここにいる僕等の存在を
君のその歩幅を
かたかた、と
時計の裏側で回る歯車の
噛み合うその一つ一つを
階段に登っている
繰り返している
繰り上げている
そ ....
誰の所有でもない
扇風機が回っている
建売の新築住宅の壁にこびりついた
電信柱の影は
皮膚病
二階の窒息のベランダに干された
布団は
....
釣り竿の 藍編む露ed year,year,夜
glass水 手と螺、ポットに 沈んでる
釣り糸の 不意ed Backが 箱形崩し
笑む、どっと 球は居合いと 鉛雨期
黄金の ....
結婚したてのころ
奥さんがバスンバスン布団を叩く音を聞いて
親のかたきじゃないんだから何もそんなにまで
なんて思ったけど
十年目に
「布団は親のかたきなの」
衝撃の告白
親のかたきに ....
すいません
まだここに詩はありません
実は詩の種を植えておいたのです
↓
→ ←
↑
....
何かを待ちすぎたのでしょう
蜘蛛みでだべ、
あたしの白ぇむなもと、に、
まだ恋してらった。
蝶みでによ、
からまってらった。
もういねえのによ
そこに蜘蛛だば、
んだはんて、
こうやって
ひとりでねらんだ。
「世界の脳髄」ときたら
もういっちゃってるの
あっちのほうへ
えっ あっちがこっち?
こっちはあっち?
あるべき(恥ずべき)ぼくの
灰色の脳髄は空っぽ(からから)だから
どどうどどうと ....
たおれてしまったものを
たてなおすとき
きみがどう思っているのか
ぼくが
知らないとでも
思っているのかい
かえらざる
都合があり情緒がある
結構なこと
思い出は
日記と写真で ....
饒舌に、
あれもこれも言葉にして、
言葉の中で、
あれもこれも決めてしまって、
いちばん外の皮が
少しずつ厚くなって、
一番芯には、
暗い穴があいている。
つぶやく君の言葉
両手で すくって
ひとつひとつに付箋をつけてゆく
数字も混じっているね
拾って大切にとっておきたいけれども
写真には収めきれない すべて
汗がひざの裏をつたう ....
私のグラスに小さなチェリーが
ピンクの炭酸に揺れて
開店すぐからハイで
ワインボトルを開けてからの
この様です
閉店後のデパートの
シャッターの前で歌う2人組みに
盛大な拍手とシ ....
その眼は、何を見つめているの、
その眼は、何を見つめているの。
無粋だな。
お前に聞いてるんだよ。
踏み込んだ厚顔無恥
連鎖はずれの
滅びの土足
いきなりの土足
打ち込まれる
鉄板、鉄板、鉄板、鉄板・・・・
演出されるセレモニー
まるで
スローモーションを見るよう ....
飛行船はるか下方に点となり僕らふたりは帰れないまま
「ふらわぁ」と君がひとこと呟けば辺り一面芽吹きだす花
明け方に鏡の部屋に迷い込み乱れ咲いてるきみの朝顔
花園で追いかけ ....
からだが どうん、まばたきしたときの
あのせかいが まっぷたつ から、ゆうぐれて
頭から 地球の中心に ぐん、と押されると
わたし、いつも きまって あやまってしまう
ごめんなさい、ごめんなさ ....
母の背中に顔をうずめ
家路に向かう
赤い怪獣が
大きな口をあけ待っている
赤い怪物が姿を消すと
青黒い怪獣が
大きな口をあけ待っている
母の背中に顔をうずめ
静かに息を潜める
見つか ....
骨になるしあわせ
骨になる幸せを歌おう
骨になるしあわせ
骨になる幸せを想おう
苦しんだ夜
劈くような痛みの
苦痛に震える一人部屋の片隅で
伸ばすことの出来ない指先を開きながら
赤 ....
あまりに懇願されるので
試しに小指を与えてみた
男は急いで口に運び
コクリと飲み込むと
生あたたかい求愛がわたしに届く
唾液に光った男の喉をうっとりと通りぬける
わたしの小指
満たさ ....
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