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むかし むかし
パイロットのきみ は
大きくなったら
ひこうき になりたかった
運転士さんのきみ は
大きくなったら
でんしゃ になりたかった
宇宙飛行士のきみ は
....
チョコリットも積んだし
燃料も じゅうぶんだ
さて。
火星へ行くことにしたよ
彼女があんまりうるさく
ぼくをがんじがらめにするから
もう、ぼくは
火星ならタコ(みたい ....
どこから夢で
どこまで夢だったのか
わからない
という 朝
さざ波がたっていたので
ただ
風をさがした
前に進むための
1オンス
やがて
なにもか ....
気がつくと きみは
魚になってしまっていたので
ずっと
きみを知っていたのに
はじめて見たような気さえした
望遠鏡をのぞくと いつも
波がよせては砕け
飛び散る
セロハ ....
草むしりの昼下がり
庭の芝生に紛れる
名も知らぬ青く小さな花
ひとつ。
ぼくは 一瞬の迷いもなく
それを引き抜いた
玄関の前の電柱の下
にも
と、思ったら
たんぽぽで
....
両思いなんてものを
当人よりも先に
他人に知られてしまった
ときは
ひどく やっかいだ
必要以上に
ぐるぐる ぐるぐる
と歩かされて
息苦しいこと
このうえない
それでな ....
新しい長靴に浮かれて
水溜りを探し
右足をそっと入れると
次の瞬間 目が回り
どこかに迷い込んでしまった
「噴水の広場」
あやまって
噴水の真下に立ってしまった
と 思 ....
寝ているすきに
あの娘の目ん玉を
拝借してきてしまった
薄目をあけて眠る癖が
あまりに
かわいかったから
鼻でも 耳でも
なんでも良かったけど
薄目にやられた
枕元に置い ....
風船
つばめの急降下にも
動ずることなく
ただよう風に押されて
やがて 点
水面に映る丸い残像
滝
世の中のすべての音を盗みながら
アピールするものは
引力 ....
街外れの小さな本屋で
彼女と偶然再会した
本屋でよかった。
きりりとした空間では
おしゃべりにならずに
すむ
彼女が手にしている
水色の背表紙の本が何であるか
なんてことは
....
いつだって
熱くなれるってのは
うらやましいこと
このうえない
放出するだけが
能じゃないことも
ちゃんとわかってる
から
やられる
きみの額に
フライパンをのせ ....
お菓子の家は
どこにあるの。
雲ひとつ見つからない
青く平べったい空が広がった
あの日
雲だけでなく
あの人までも
見つからなくなった
心からあの人を
信じてきってい ....