ついに発見されたのですね
青空いっぱいの無色な孔雀の骨
嗚呼ただの伝説かと思っていたのに
雲雀の血のにじんだ五月の空の
気圏のいちばんの上層
きらびやかな氷窒素のあたりから
発見されたので ....
ニュー。ニュー。
新しくなることについて考える昼すこし前の柔らかい光だ。


上着のポケットにしまっていた石を垂直に投げる。加速度と重力。そう、加速度と重力がせめぎあうその瞬間の曇り空に、押し ....
3年前のクリスマスの午後
大きなマスクと髭をゆらし
その人は
目尻に波をつくって 私にこういった

おでんはないかね
ありませんが寒いのですか

いや 大根のオレンジ色がなつかしくなっ ....
春の電撃作戦。開始。
街のいたるところで僕らは耳に手をあてる
どかん
それは小さな破裂
作戦が始まった合図だ、ほら
そしてまた、どかん
コンビニで働くあの娘、最近きれいになったね
と ....
桜前線 が来て
花見客

そして
砂漠

ぎっしり 携帯した
迷彩服

の 中に 人

ほおばる 春
つづく 虐殺

信じてなんか いられない
みじめな 幸福 ....
干し竿に捉まったやかんが
風をすいこんで
ふるりゆれ

蓋はいつの頃にも
なかったようす

雲が影って 
うつむき
口をぶらぶらしているやかんには
少し水が入っていて
のぞく顔を ....
望遠鏡で
月を覗いたら

傷が付いていた


のは

望遠鏡の方で


月は今でも

美しく欠けていて
少し窓を開けた
テトリスのように積まれながら
ほこりひとつたっていない ビル
歩道には街灯がたたずみ
影に埋もれていた 夜

 最初に僕の名前をつけた人のことは
 よく覚えている
 
 ....
遠い国で鳥があの娘を
拾って育てる
鳥はあの娘に名前をつける
あの娘は鳥に名前をつけることを考えている

鳥はあの娘に
おいしいお粥を作らせる
あの娘は庭のいちじくを
鳥にもいで来させ ....
ミンドゥルはタンポポ
メアリーはやまびこ

ナルガエはつばさで
ポンソナは鳳仙花

ソナムーが松なら
マエミーが蝉

カルマエギはカモメだそうだ

北朝鮮の台風の名前は
どれも ....
風の強い夜だ
下弦の月のまわりに
虹色の光の輪を作っていた薄雲が通り過ぎる
窓辺に焼きついた油色の日々が
ガラス板から流れ落ちる

星々がさわさわ震えている

明滅する交通誘導棒を持ち ....
いらないよ
そんなお荷物 いらないよ
いいから そこへ置いてきなよ

そう言って赤子は指をしゃぶる
くだけた言葉の端々に
忘れ形見の思い出が
赤く染まって流れゆく
視界にて
生成される
着色料と甘味料


そこから逃れるようにして
ぽとり、と、うつ伏せるしかない
あなたとわたし
春に間に合わない体



ああ
お砂糖の誇 ....
ノート2002.7.29

工事車両の下によもぎ色の猫が一匹入りこんだ
知っているかい?
猫はエンジンオイルのこげた匂いなんかが好きなんだ
ときどき思うんだ
トラックの下にもぐりこんだまま ....
舞台、葬列を為すガス燈に架かる虹の円環
を射抜く牢獄。に、柊の苗木が抱かれている。
私は鋭利なifを取り出す。
しかし比喩苻の巣が樫の腕から昼を駆逐した。
錠が下ろされ、影の無い階段を昇る。ビ ....
    ひとさらい
    なら
    まだいいのだ
    身体ごと
    根こそぎ
    さらってくれたら
    よかったのだ
    安心して
    甘えられる
   ....
夜は、乾く、ので、ふらりと。


ここは、暖かいです
どこか、銀色の日々です
おだやかな、アラシが、ココにあります
やせたりは、しません
コトバがキンゾクのようです
ひとりごと、です
 ....
のたうちまわる場合
白い布団でなければならない
リンゴは
他人のかじったものを 横に
父の選んだブラインドに
埃が乗っていることは 好ましい

昨日 信号を歩いて
背筋がのびていたのは ....
                       きゃらめる 7


  ことば

  1

とてもさむいあさはやく
よぶこえでめがさめた
もうふにくるまったまま
ずるずる
ゆかをは ....
困った
どうしても食べたい
今すぐ食べたい
おいしそうなうさぎ
おいしそうないたち
おいしそうなまぐろ

明日のために
ハーブティーでがまんって
それはないよ

透明なお皿に
 ....
きっとこれはライグレと煙草で
味とも匂いともつかない艶めきが乗りかかる部屋に
トタンに雨が踊り狂ってしまって 音楽のほうが薄っぺらで

勢いあまって気が違ったか なだれかかり
この季節の 凡 ....
まつげの先を黒玉に焦がし14歳が空を見上げる
来週までに国境は消すよ
さっきメールで約束をした
血潮が透ける張り詰めた頬に擦過傷みたい白い粉がふく
闇より深い両目を細めアオゾラをぐっと睨み付け ....
忘れないように


aとanの差ほどが存在している
彼と彼女の過去と未来

今日がパンで明日がミソ汁ということ?
それも有り。て笑う母の笑顔にもらう
登校前の溜息が
ゆらり弧を描いて ....
Boy
話のわかる先輩とグラスを重ね 
生意気を言い放っては 
頭を撫でられている

Boy
姉さん達より自分の肌を瑞々しいと言った後
懸命にフォローの言葉で繕って
やっぱり頭を撫 ....
チリチリしたものがふわふわして
涙たっぷりの朝の食卓になりました

誰もいない台所はいま荘厳なひかりにあふれています
醤油のこびりついた容器も金色に輝いています
空気の一粒一粒が新しく生まれ ....
ぼんやりと
視界の縁に揺らいでいる
僕は多分 君を見ているから
やわらかな陽射しに包まれて
ここは海に見えるのかもしれないよね
でも
いつしか君は居なくなっ ....
二〇〇〇年隠居元年一月一日。墓参。
東京都立多磨霊園二四側四九。
おふくろとおやじとおとうとに「無職」報告。

おそい午前のひざしはおだやかで風もない。
よどんだ時のながれのなかに六九歳 ....
ゆっくりと確かめる指のひとから
手わたされる言葉のような
雪の散る道をすぎるひとから
聞こえてくる色のような
朝の水平線に消えかけながら
まわりつづける季節のような
寄せては返す ....
空は氷点下どころかマイナス240度に下がって
熱いのは内部だいつだって
だからいま昇りかけてる太陽だって
氷点下の空が無邪気に冷めた顔をしたって
気にしないで熱くなる自分勝手

何度目の飛 ....
駅のホームは終電まで1時間の23時で、ぼくは「のりかえ」が「チェンジ・ヒア」と訳されているのに気づく。「チェンジ・ヒア」というのは「いる」ところからスタートしているが、ぼくらは「いない」ところからスタ ....
角田寿星さんのおすすめリスト(545)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
空の骨- まんぼう自由詩704-4-16
ニュー/ヒア- nm6自由詩21*04-4-16
おでん- 無理なリ ...自由詩304-4-15
春の電撃作戦- たもつ自由詩2004-4-15
前線- 砂木自由詩9*04-4-15
やかん- 湾鶴自由詩904-4-14
月で満ちて- あとら自由詩1204-4-14
名前- 湾鶴自由詩4*04-4-14
メルヒェン- 鏡文字自由詩23*04-4-7
まだ生まれない台風- 小池房枝自由詩6*04-4-5
夜警- ダーザイ ...自由詩24*04-4-5
赤子の思い出- ukiha自由詩204-4-4
間に合わない体- A道化自由詩904-4-3
七月のノート- ダーザイ ...自由詩1704-4-3
シガレット- 六崎杏介自由詩2*04-4-2
ひとさらい- umineko自由詩4*04-4-2
『乾いて候』- 川村 透未詩・独白12*04-4-2
自室- 山内緋呂 ...自由詩8*04-4-1
きゃらめる_7- アンテ自由詩12*04-4-1
透明なお皿- チアーヌ自由詩204-3-31
ラブソング/トタンに雨が踊り狂ってしまって- nm6自由詩604-3-31
ち_ょ_う- yozo自由詩204-3-31
pre_..- yozo未詩・独白304-3-28
川の底に置かれた石- 服部 剛自由詩9*04-3-28
朝の食卓- 青色銀河 ...自由詩704-3-27
菜の花畑- 自由詩404-3-27
隠居元年- 狸亭自由詩1204-3-27
- 木立 悟自由詩404-3-27
あけがたのうた- 佐々宝砂自由詩404-3-27
ハロー、ぼくらは都合がいい- nm6自由詩13*04-3-27

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