緑のたぬきとして暮らしている
暮らすことに対しては苦痛ではないけれど
もう随分と古狸であるものだから
化かされているんじゃないのかと
ボンズで飲み食いした後
カードを使用すれば
店員は裏表 ....
まるで帰り道がわからなくなってしまったみたい
進む方向も曖昧で
見えるのはあなたの背中や横顔だけ
なにもかもはっきりとしないのに
魅かれてしまったのはなぜなのか
向かい合ったときにじっと見て ....
放置された畑 咲き並ぶネギボウズ
バコン バコンと
プラスティックバットを振りぬいては
浅緑を空の彼方に弾き飛ばした
なぜそんなことをするのだと叱られたが
ネギボウズの高さが
ちょうど僕ら ....
身長4cmの南国風双児が同時にしゃべる「モスラが来ます」

白鯨に乗ってムー大陸を目指すケメ子と魔将軍ザンニンは、
磁石の力で日本海溝に逃げ込む。
海底2万里は、ペンペン草一本生えない、ぬ ....
車いすを押して歩いた
そんな日があった
Oくんはひざかけをして
「石川さん、こんにちは」と云った

「こんどな お父さんと…奈良いくねん」
寒い道だ
空が透明な血のかたまり
 ....
ねぇ、そもそも、
からだの中心ってどこに
あるのかしら?

ただ、
丸くなって眠るきみは
ドーナッツのなかま、みたいねぇ

まんなかの空白のふしぎがやがて
きみの中心のような気が ....
七月の雨上がりの午後/  煮沸されるコンクリート
防水シートが波のようにうねり 
ステンレスパラペットで囲われた放課後の屋上/  脱皮するコンクリート

(目をつむって/            ....
農家の母屋を改造した学生下宿が
家賃一万円の住処だった
わたしは床の間のある客間の六畳
一二畳の居間には親友が
離れの六畳には先輩が
隣の六畳と四畳半には後輩が
それぞれ巣くっていた

 ....
となりの人
   となりの人、名前は知らない
   いつも夜に帰ってくる人
   だからまだ会ったことない
   だってとなりの人が帰ってくる時間
   僕はもう布団の中だから

となり ....
ひきこもりというのは
「著しく欠落した自信が引き起こす 心身の喪失状態」だと わたしは思います
「ひきこもる」という言葉の妙のとおり「すべてから 身を引いた場所に自分を置かざるを得ない 激しく ....
ぼくらは空に近づこうとする、いつも包まれるばかりでひとつにはなれない。ひろびろと伸ばしたつまさきをゆびさきを、リンととがらせる。新宿にアスファルトのあちらこちら。渋谷を通り過ぎるどちらこちら。ビルとビ .... 君の既視感を舞っているのは
紙製の蝶だよ
いちめんのなのはな と君は呟くけれど
此処はうち棄てられて久しい館の中庭
君が坐っているのは朽ちかけたベンチだよ
とうの昔に涸れた噴水の傍の

 ....
一頭の牛が
ブランコを押してくれた
こんなに高くは初めてで
空だけがきれいに見えたけれど
必ず元の場所に戻って
どこにも進むことはなかった
明日食べられるのだ、と
牛は言った
 ....
名鉄の名物は
流電モハ52の
流れをくんだ
デハ3400系

きたもんだ
そんなもの
どこにいる
ここにいる
広見線の可児駅の近くに居るんだよ
ナマズみたいに大人しく
居るか居 ....
スパイスきょうじゅ
スパイクはいた
スパイクはいて
スパイスのんだ
いちめん ひろがる 
じゃがいもばたけ
おくさんうめたの
だれでしょう

*

あさ うたたねをしていたら ....
一万匹の野良猫たち―。私はそれを
誰もいない地下トンネルのなかで見た。
小さい火花がパチッ、と弾けるのを
「―死ぬまで身体をこすり付け合うのさ。」
イギリス人の学者の亡霊が囁いた。
 まった ....
行方もない風たちを
帆にはらませて
もう帰らない船の
船笛の消えていく先
短い呪文
アストロラーべ

二人の旅路を
羊皮紙に書き出しても
深海の底に
沈む姿があって
透明な海藻に ....
薄馬鹿下朗だっきゃ工場さ勤めで長げくて、数年前から屠殺係についでらっきゃさ。
レバー上げれば格子さ固定されでら豚運ばれで、
レバー下げれば豚の首っこ飛ぶ。
一日中椅子さ座ってさ。

塗装し直 ....
彼女は街の一番高い場所にあるカフェで
眺めは先をゆく教会の尖塔に係留させて
クランベリーケーキを焼いている

その白い腕
夜、二人は黙ったまま、二の腕を削った
蝋燭のカスが ベットに散らか ....
正月に日本酒を飲みながら詩を書いていたら
火曜日に詩を教えているキムからskymailがきた


「幹さんやばいっす、オレ犯罪犯しちゃいそうです」
『ちゃんと詳しく説明してミソ』
「ちんこ ....
「タンバリンをね
買おうと思っているのよ

できれば
きれいな色がいいわ
菜の花色の黄色とか
桃の花のようなピンクとか

ターンターンって
飛び跳ねるような音が鳴ってね
パリョーン ....
その日
チカテツが「おかわり」と言ったので
駅員さんはバケツいっぱいの鬱憤をチカテツに与えた
そうやって今日が特別だってことを体に教える
チカテツは震えながらそれを
お腹いっぱい食べた

 ....
先月のダイヤ改正のおかげで朝飯だって食えるようになった
朝から天気予報に身を焦がしている
この豊かさはうまくできている
感心する間もなく牛乳とパンによるもの
で、敏感な俺は感じ取ったわけだ
よってまた ....
パレード。パラーデ。歩いているものを集めて、ただそれだけのこと。川のような世界で、素数のようにひとりぼっち。2、3、5、7、11、とそこまで数えたときは、最盛期たる朝。いっそのこと、きみは世界をよく見 .... ぼくが包茎だったころ
アフリカはとおく
象の足は八本あった

あのひとのほほは白く
うつむくまつげは長かった
どんな人にも天使のように微笑むので
誰もが自分はあのひとに愛されていると勘違 ....
Kくんの家はぼくの家のとなりです
Kくんとぼくはいつもいっしょに遊びます
ゲームをしました
その前の日は漫画をよみました
そのさらに前の日はやっぱりゲームをしました
ぼくもKくんも漫画が好き ....
叩いて

柿の実の ポト ポ ト
落ちている ト なり。
毒虫のついた枝葉。
鋏で ちょきん

私の毒虫叩いて。

断崖の見晴らし。
血の ポト ポ ト。
私の這う姿が


 ....
{引用=*四行連詩作法(木島始氏による)
1.先行四行詩の第三行目の語か句をとり、その同義語(同義句)か、あるいは反義語(反義句)を自作四行詩の第三行目に入れること。
2.先行四行詩の第四行目の語 ....
続いてほほえましいニュースです
今日、O市P区Aヶ丘のI幼稚園へ
サンタクロースがおっぱいのプレゼントにやってきました
一人一人におっぱいが手渡されると、園児たちは大喜びで
かけまわったり、重 ....
乾いた風が汗ばんだ額と髪の毛をすり抜けるときも
大地を蹴る爪先に火山性の礫がかすめるときも
棕櫚の緑が覆う甘いオアシスの水の飲むときも
いまだ おまえの低いうなりと乳臭い匂いが
俺にまとわりつ ....
角田寿星さんのおすすめリスト(545)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
緑のたぬき- tonpekep自由詩11*06-3-3
あなたの断片- チアーヌ自由詩506-3-1
少年のまま- 佐野権太自由詩16*06-2-28
スーホの白い巨塔- 三浦謙樹自由詩206-2-27
それぞれの時間- 石川和広自由詩5*06-2-27
綴じる、サイレント- みい自由詩19*06-2-26
湧出- 英水自由詩506-2-25
二台の洗濯機における青春の一考察- たりぽん ...自由詩37+*06-2-23
となりの人- 夕凪ここ ...自由詩8+*06-2-23
ひきこもりのひきこもりによるひきこもりのための文章- 第2の地 ...散文(批評 ...506-2-23
いつからかはじまっている- nm6自由詩1306-2-11
架空の春- 塔野夏子自由詩15*06-2-7
明後日- たもつ自由詩22*06-2-6
南セントレア市- あおば自由詩3*06-2-4
ファザー・グース(2)- たもつ自由詩11*06-1-31
詩力発電- プテラノ ...自由詩5*06-1-29
とりたちの星座盤をまわして- たりぽん ...自由詩14*06-1-28
アルビノのウスバカゲロウ- 人間自由詩906-1-27
ミュンヘン_2006- 英水自由詩3*06-1-24
金(キム)- 馬野ミキ自由詩90+*06-1-22
踊り子タンバリン- 初代ドリ ...自由詩9+*06-1-19
チカテツの日- ---自由詩806-1-18
さてここでチカテツです- ---自由詩406-1-8
パレード(いっそのことのための)- nm6自由詩1606-1-7
ぼくが包茎だったころ- ZUZU自由詩22+06-1-5
何を後悔しているんだろう、ぼくは。- 北乃ゆき自由詩7*06-1-3
ここにはかべもうすいまくもありません- 山本雅代自由詩3*05-12-20
四行連詩_独吟_<刻>の巻- 塔野夏子自由詩10*05-12-19
おっぱいばんざい- ヤギ未詩・独白9*05-12-18
生きる- The Boys On ...自由詩5*05-12-18

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