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{引用=――昔の旅を思い出して}


海沿いの
裏の国をさまよっていた
背後に山が迫る狭い平地で
当然のように道に迷った

時はゆっくりと勾配し
私に追いつきつつあった
いくつかの ....
玩具屋から
長兄が竹と網を買ってきた
二本の竹を十文字に交差させる
曲がりにくいところは
ロウソクの火であぶって
柔らかくして
十字の結び目を針金で固く縛る
網を竹の先端の四隅で止めて
 ....
夜な夜な嫁に空気をいれて
一方的に愛をささやき
日の出と共に洗って丸める
むなしくないかと言われるけれど
別にむなしいことはない
俺は嫁を愛しているから
 
 
今日はワカサギが良く売れる
いつもは店の奥まったところに並べているだけなのに
学生も社会人風の人もノートや鉛筆には目もくれない
いっしょに良い匂いのする消しゴムや
綺麗な色の蛍光ペ ....
バスの中で後ろに座った関西弁の男を
持っていた画材の入った袋で何度も殴る夢を見た
小さな声で歌っていた鼻歌が五月蝿いと言うから
黒い画材の入った袋で殴ったり喉元を突いたりした
俺は滅多にバスに ....
夜道に伸びているのは 
棒っきれの姿で立ち尽くす 
私自身の、影でした。 

深夜の川のせせらぎだけが 
無心のうたを囁きながら 
何処か見知らぬ明日の方へ 
流れてゆくのでした 

 ....
          奇数行 奥主 榮
          偶数行 鵜飼千代子


草むらにもぐりこみ
 地平線がゆるむころ
息をひそめた虫たちは
 オパールの海が{ルビ有明方=ありあけが ....
          伊豆急 城が崎海岸駅の裏手に
          白いペンションがある

          庭に大きく茂る木
          それが やまももの木だ
        ....
大晦日に体調が急変して 
救急車の中で息絶えた友の 
告別式が行われた一月九日 

遺影の中から 
微笑む顔も 
棺の中に 
花を置いても 
まるでフィクションのようで 

制服姿 ....
雪虫が渡ってとまる
制御盤のなかで
秘かに育つ樹がある


ひとの思いはよそごと
基板のうえに銀の枝を広げ
青い火花を散らす


雑音に紛れて吐息
ことばは自生される
透視図を ....
 車が三角になって走る

 首の太い太陽が 時間の想い出の中で

 約8つ転がっては過ぎ 人びとのオシリの穴から

『あそびは オワリ』 のうんこ文字が綺麗に出 ....
木が倒れ
声は枯れ
栄養忘れの
内臓は腐り
夜は怒り
怒っちゃやーよと
雷はスベリ
鼻は咲き
泥が湧く
苦雪は山を覆い
空は雲を押し倒す
風の ....
カマイルカの背中のような月
山の端に突きささって
高層大気ただようクラゲ
明るいクラゲがやって来た

透明なクラゲに覆われて
ユーラシア東端の島弧からはひどく水色なシリウス
泳ぐようにス ....
ぼろぼろこぼれおちた
身体のかけらを眺めているまに
時が時がどんどん流れた
神様、俺は泥人形か
干乾びて崩れるのみか
アーハーハー、アーハー
笑気に聞こえぬ笑い ....
木枯らしがからからと乾いた音を立てる
あらゆるものの輪郭がくっきりと描かれ
移り変わる季節への感傷に浸りたいのに
冷えた手は無意識のうちに摩擦を起こし
細胞の根元から発信される欲求を満たそうと ....
嫌いなものの多くは
好きだったから嫌いになったものだった
好きにならなければ嫌いになることもなかった
好きなものの多くも
初めは嫌いなものだった
初めは嫌いだと感じたものでも
どこかに好き ....
                      091110


屋根が五重になっていて
天高く聳えるが
警護の僧兵が巡回するから
寝そべっては居られない

五十の塔が
空高くそびえ ....
           091110




毛皮を着て
山の中を彷徨う
鉄砲で撃たれそうな気もするが
この山の中は静かで
誰も訪れない
雪が降ってきて
毛皮を着ていても寒い
コ ....
踊りを踊るなら

山のふもとの

見晴らしのいい草原に行きなさい

夢中になり過ぎても

誰に咎められることはないから


歌を歌うなら

そのま ....
白濁色の幻聴がミミズのように潜りこむ寒さ、よりの朝、寝床の感触は死に忘れ、生ぬるい亡者の笑い混じりの生業まみれ
汚れた目尻を洗う時に思いついた今日最初のポエジー、目尻 ....
愛してる
と言う声が遠く残響のように
聞こえた気がしたけど
恋人なんてどこにもいない
鈍く尖った耳鳴り
オレンジ色のベースギターが
ゆっくりと首を締め上げていく

誰か
名前を
呼 ....
鞄はあまり好きじゃないんだ
手が塞がるのが苦しくて
リュックならいいんだけど
サラリーマンになったら鞄を持たなきゃいけないのかな
黒いスーツを来て
地味なネクタイをして

リーマンにはな ....
青い光、死に急ぐ時、俺は
時を吸い込んだ埃にまみれながら
網膜の疲労のせいで動脈のように赤い
海岸線を見つめながら無力であろうとした
出来たことを数えながら見送るなんて ....
 昼、何もしたくなくて眠くなる寝る
 夜、皆は寝入っているので 
 静寂は 何かを創ってみたくさせる
 脳の中、あらゆるイメージとひらめきが遊び回り
 皆の夜の ....
日の暮れかけた堤防沿いに横座りして汚れた川面を見つめているアリサ
「時々この川がすごく美しい流れに見えることがあるわ」と彼女は言うのだ
アリサの左目は幼いころに父親に傘の先で突 ....
地面から声がする
見おろすと小さな
白い帽子が揺れる

帽子を乗せている茎を折って
目の前に近づける
帽子に見えたのは
米粒よりさらに小さな女の子たちが
たくさんぶら下がっている姿だっ ....
足利の旧市街から渡良瀬橋を渡り少し行くと、草木のこんもり茂った小高い丘がある。男浅間神社だ。頂へと続く道を上っていくと、やがて視界が開け、渡良瀬川沿いに足利の街並みが一望できる。ハローワークから所在な ....                091008


カマンダレが
雨の中で
大きな石を持ち上げては
池の中に
ドボンと
音を立てて
投げ込んでいる
音の善し悪しが
彼にとっては
重 ....
月の眠る丘に
最低限の荷物を隠して
遠雷が鼓膜を脅かす
暗がる夜に僕たちは
つながりと呼べるものの
一切を断ち切った
淋しくはなかった
悲しくもなかった
た ....
            090927



三味線の爪弾く音が
かすかに聞こえてくる
母様が弾いているのだろう
母様が家を出たら
教えてくれる人が居なくなるので
母様が家にいる間 ....
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