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どこかの駅で誰かとすれ違うためだけに生まれてきた
やあ、と言葉を交わし合うこともなく
親密な他人と認め合うような
静かな笑みを交わし合うこともなく
その目に
特有の孤独を共有することもな ....
おかしな時間に目が覚めて
それからずっと眠れない
閉じ込められた寝床で
脱出計画を練っている
きちがいは耳を澄まし
こそこそと覗いている
晴れるという話だが
夜明けまではなにもわからない ....
午後を通り過ぎた影、踏みしだかれた詩文、血溜りのなかの指先、白紙のままの便箋、風が息継ぎをするときに聞こえる嗚咽は誰のものだったのか、忘れたことにした記憶が膿んだ傷のようにじくじくと抉り続ける理由 .... 夜の足元に浸透する無色な表情たちは鋭利な棘を準備している、浮かれた心はだから、すぐに冷めて大人しく蹲る、折り曲げて抱いた両の膝越しに見える足は爪が少し伸び過ぎている、無色な表情たちはそいつ .... 枯れてしまった花々が横たわる道端で
明日来るバスを待っている
夕方まで降り続いた雨のせいで
街は水のにおいがする
ターミナルのベンチはわたし一人
これ以上誰もやって来ることはない ....
のべつ幕なしぶちまけられる脳下垂体のジャミングに幻覚と幻聴のオンパレードだ、グラついた壁の下敷きになった二人の子供の話をだれかが耳元でずっと囁き続けている、それがどんなに酷く損傷していたか .... 名も無い瓦礫の路は
昔話をしたがっているように見えた
激しい雨のあとの
過呼吸のような陽射し
喉元を滑り落ちる汗を
呪いながら歩を進める
息すらかすれている
午後は容赦が ....
衝突の挙句こぼれたガソリンに火がついて、薄汚れた街角はあちこちでウンザリするような昼間、警官や消防隊員たちの怒号と野次馬どもの罵声が下手なモブシーンみたいに飛び交って絡み合って、真夜中は破 .... ルーティンワークのように
絶叫し続ける脳髄は
血肉のような調子を欲しがる
ほら、もっと
ほら、もっと
よだれを垂らしながら…


浮浪者の死体を齧っ ....
日常の中空にぽっかりと空いた
それはそれはおぞましい
真っ白い穴を眺め
メタル・マシーン・ミュージック、のような
冷笑的なノイズ
俺は
やがて窓に突撃して死 ....
これは…
今年の六月のある日
高知県高知市の中央部にある
一件の古い住宅の中で
起こった出来事である…


「軽い気持ちだったんですよ。」
その家の住人、O氏(匿名 ....
このぼくのこころは
このぼくの鼓動は
このぼくの興奮は
このぼくの足跡は
衝動は
焦燥は
終焉は
再生は


あたらしい言葉を
燃やせば
古い皮質が ....
無呼吸性の暗示が
一番脳に近い毛穴で
不快な韻律の
歌を刻むころ
次々と実を落とす
植物は塗り潰された
路上で乾いた
失血死の痕跡を思わせる色に
落ちた実を齧るとどんな
 ....
もう生きるのも飽いた
そんな言葉が
マジシャンの剣のように
おれという人間の
人生の箱の外から
何度か差し込まれる
不思議なほどに
致命傷は避けて
まるで生身の ....
室外機、の
吐き出す蒸気
粘っこい舌で
べろりとやられる
そんなウンザリに
似てる
八月の終わりのこと
ブッとんだヴァイブが欲しくて
歓迎されない扉をくぐる ....
ぼくは遠い火になりたかった


ビルのかげや
山のむこうで
ちらちらと


ときおり
消えたみたいに見える


ながくながく燃える遠い火に


 ....
鈍い目眩とともに
やって来る歪な影
暗い夜明けのように
淀んだ白夜のように
めくれた上皮みたいな気分が
敷布の中から身体を捕らえて
煮物が駄目になるときのような ....
ぼろぼろこぼれおちた
身体のかけらを眺めているまに
時が時がどんどん流れた
神様、俺は泥人形か
干乾びて崩れるのみか
アーハーハー、アーハー
笑気に聞こえぬ笑い ....
踊りを踊るなら

山のふもとの

見晴らしのいい草原に行きなさい

夢中になり過ぎても

誰に咎められることはないから


歌を歌うなら

そのま ....
白濁色の幻聴がミミズのように潜りこむ寒さ、よりの朝、寝床の感触は死に忘れ、生ぬるい亡者の笑い混じりの生業まみれ
汚れた目尻を洗う時に思いついた今日最初のポエジー、目尻 ....
青い光、死に急ぐ時、俺は
時を吸い込んだ埃にまみれながら
網膜の疲労のせいで動脈のように赤い
海岸線を見つめながら無力であろうとした
出来たことを数えながら見送るなんて ....
日の暮れかけた堤防沿いに横座りして汚れた川面を見つめているアリサ
「時々この川がすごく美しい流れに見えることがあるわ」と彼女は言うのだ
アリサの左目は幼いころに父親に傘の先で突 ....
晴天には雨を忘れるから、いつか遠い国で無残に殺された幼児のニュースも(そういえばそんなこともあったねえ)なんて言葉で語られるだけのものになった。ベッドの上で、音を出さずにテレビをつけて、ただ画 .... 月の眠る丘に
最低限の荷物を隠して
遠雷が鼓膜を脅かす
暗がる夜に僕たちは
つながりと呼べるものの
一切を断ち切った
淋しくはなかった
悲しくもなかった
た ....
混線した電話からほんの一瞬だけ聞こえた名も知らぬ誰かの泣声のように、どう対処していいのか判らない種類の痛みを残してあの人は消えてしまった。テーブルの上のエスプレッソすら、きちんと始末して行かな .... ナマの心臓の感触というのはなかなかそうと膝を打てるような言葉にはならないものだ、本来俺たちはそうしたものの動きには無自覚なものだし、そもそも下手に自覚なんかしてしまったら日 .... 僕らは虚ろな階段を
カモメのように
カメムシのように
ひらひらと
ごそごそと
やりながら
途方もない一段を
へろへろと
へろへろと
のぼる


 ....
淫らな夜に唾を吐きながら飛び惑う鳥だった、嘔吐のように溢れ出る鳴声のせいでいつでも水が欲しくてたまらなかった、カットされた景色のような電信柱の影をかすめながらうち捨てられた巨大なマンションの最 .... ふと
あなたは
それが罪であることを知るでしょう
深い罪の上に、深い深い罪の上に
自らの人生があることを知るでしょう
生きることの出来なかった
様々な生の死体の上に
自らの生 ....
赤い血が時々生命を忘れて凝固して俺の血管はサビついたプラントみたい、尖った先端が劣化したチューブを内側から削いでいくんだ、砂浜をサンダルであてもなく歩いているみたいな… ....
北村 守通さんのホロウ・シカエルボクさんおすすめリスト(66)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
どこかの駅で誰かとすれ違うためだけに生まれてきた- ホロウ・ ...自由詩3*20-4-14
白紙のページを信じる- ホロウ・ ...自由詩5*20-4-2
ただ赤く塗り潰して- ホロウ・ ...自由詩5*19-1-1
夜光虫たちの晩餐- ホロウ・ ...自由詩2*16-5-11
夜明け前、記憶の中で明日を- ホロウ・ ...自由詩10*16-5-2
まともな話をするやつは正面からやってくる- ホロウ・ ...自由詩1*16-1-10
イノセントのありかた- ホロウ・ ...自由詩5+*15-7-7
いまのところは- ホロウ・ ...散文(批評 ...1*15-2-6
ホット・スタッフ- ホロウ・ ...自由詩2*14-6-13
まるで閉じられた目蓋が開いただけとでもいうように- ホロウ・ ...自由詩3*14-5-16
地獄の闇ナーベン!!_の巻- ホロウ・ ...散文(批評 ...2*13-6-21
生きてるかぎり書けるもの- ホロウ・ ...自由詩9+*12-5-14
冷たい溶岩流- ホロウ・ ...自由詩1*11-4-22
artery_and_vein- ホロウ・ ...自由詩2*11-4-9
だけど、そういうことって- ホロウ・ ...自由詩4*10-8-30
ぼくは遠い火になりたかった- ホロウ・ ...自由詩6*10-8-18
明方、その暗がりに- ホロウ・ ...自由詩3*10-5-6
パンク(夜がゼリー)- ホロウ・ ...自由詩1*09-11-18
英知- ホロウ・ ...自由詩5*09-11-6
あなたの右手は狂人だ- ホロウ・ ...自由詩1*09-10-28
動脈のような潮騒- ホロウ・ ...自由詩2*09-10-26
汚れた川面を見つめている右目だけのアリサ- ホロウ・ ...自由詩2*09-10-20
Babelogue- ホロウ・ ...散文(批評 ...3*09-10-17
遠雷- ホロウ・ ...自由詩5*09-10-3
あのとき、こころはきずだらけだったのだと。- ホロウ・ ...散文(批評 ...2*09-10-1
すべては気まぐれみたいに行われるのがイカしてる- ホロウ・ ...散文(批評 ...2*09-9-24
それでも僕らはきっと祈りのために- ホロウ・ ...自由詩2+*09-8-5
風に吹かれて- ホロウ・ ...自由詩1*09-8-4
HOPE- ホロウ・ ...自由詩1*09-7-20
今日が天気かどうかなんて本当はどうでもいいんだ- ホロウ・ ...自由詩3*09-6-21

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