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夜に心があったなら
きっと淋しい心でしょう
闇夜になるのが
淋しくて
誰かを想わずにはいられない

星に心があったなら
きっと淋しい心でしょう
たったひとりで
何億光年旅をして
誰 ....
杉の林は等間隔に植えられている
不要な(人間にとって)
細い横枝は
ばっさり切り落とされて
そのまま
そこらに置いておかれる

君らは要らない枝なんだ
役にたたないものを
育てるなん ....
 透明の氷の中に泡ひとつ 
         がりりと噛んで恋を終わらす

 川に咲く半透明の氷花 
         いきつく海で碧い実となる

 大切なものを氷結してみます
     ....
私が
こうして
文字を綴るのは
この
鉛筆の芯がなくなるまでのこと

あれ
もう芯がないや、と
気づいてしまうその時を
想像すると
やはり切なくなくなるけれど
きっとその朝は
 ....
二月の天空は
コートも着ないで
冷えるのにまかせているせいか
時々
くしゅん、くしゅしゅんと
くしゃみして
そのたびに小さな雲をまきちらしている

いや、雲ではない
あれは羽じゃない ....
私の頭に
時々帽子がぷらりと帰ってくるよ

遠い昔
だれかが
私の髪の毛をくしゃくしゃっと
した時の
あの切ないような感触を
私の頭は覚えているよ

みんな
自分のことだけで精一 ....
言葉なんて
なんの役にも立たない夜があった
抱き合った体温が
生きている今を
実感する唯一の術であると
感じた夜があった

舌と舌が出会い
いくつもの嘘を従えて
口腔内で生まれ出た言 ....
 見えなくてもそこのあるものは、実際のところ世の中にあふれている。見えなくても聴こえる。見えなくても、そこに存在する。決してオカルトではなく、純然たる事実なのだ。
 実家の家の前には、かつて小さな川 ....
愛玩物ではない
友だちでもない
生贄なのだ その金糸雀は

愛くるしい黒い瞳に
健気にも
青い空を映し
そのさえずりは
未来の鈴の音のような かろやかさ
あばら屋に
不似合いな
 ....
重たい荷物の あれこれは
そこへ
置いて行きましょう
何も持たなくていいのです
宿屋の手配もご無用です

頁<過去>をめくる
しなやかな指を もちましょう

とうに肉体を無くした
 ....
バレリーナの背には
透明な羽がある

それは
一見すると
柔らかそうに見えるが
実は
アンドゥトロワと繰り返される
日々の鍛錬によって
美しい鋼になったその肉体と
同じくして
透 ....
 ここは武蔵の国、横浜村。
 黒船が来航してから、港が開かれ、もとは、ただの貧しい漁村が、外国の船が行き交う活気ある港になった。
 昼間、騒々しい音が絶えることなはなく、外国の香辛料の香りが橋桁に ....
上等な絹の布団が
重く
息苦しく感じられて
寝付けぬ
夜がある

棘だらけの
イラクサで編んだ
それこそが
妙にしっくりくることがある
物の怪の心というものは
不思議なものだ
 ....
昭和二十年八月六日午前八時十五分

ヒロシマは地獄と化した

おなかのなかで泳いでいた名もない 胎児
三輪車に乗って遊んでいた あやちゃん
竹の物干し竿に洗濯ものを広げていた 母さん
ア ....
ファスナーがいつも従順だと思ったら
それは思い込み もしくは 先入観みたいなもので
生地を喰うことがある
貞淑だった人妻が 
何を思ったか豹変し 
畏れをしらぬ 厄介なうえ 世にも面倒な 小 ....
少女が恋した相手は{ルビ舟人=ふなびと}だった
{ルビ陸=おか}で生きてはいけない
それが舟人

祖先をたどれば
互いに 海で生まれた小さな泡同志だが
海を捨てたものたちは{ルビ陸人=おか ....
Fの
セーターの裾から
一本の毛糸が出ていたので
引っ張ってみた

スルスルと
それは
面白いように引き出せる
どんどん出てくる
止まらない

糸の編み目が崩壊する時の
微かな ....
線路の上を
ただひたすらに走る毎日は
それが
仕事とはいえ
時につまらないものに
見えてきます

そんな時でした
あなたに出会ったのは

午前八時三十五分
あなたは向こうから
 ....
前世はおむつでした
その前は
朝顔を咲かせた藍染の浴衣でした

かすかに覚えているのです
あなたと
一緒に
縁側で線香花火をしましたね
華々しく燃えたあと
ぽたりと火種は落ちて
こ ....
  古骨をそっとかしげる わっちの手
  包むは惚れたお方の手
  初雪でありんす、あたたかい

  北風を待つ渡り鳥
  いつか別れの袖ふるを知り
  もちぃっと一緒にいておくんなまし
 ....
「行ってきます」と 
「さようなら」は
同義語

「さようなら」と 
「行ってきます」は
同義語

はて
どちらを言うべきか
最期の時に

選べないのなら
いっそ ばかばかし ....
かがり火が灯る冬の夜
どこかで
誰かが泣いています

寒々とした出窓に置かれた
ピエロのオルゲエル人形
1ミリたりとも動くことはありません
ネジを巻かれたのは
いつだったか
もう思い ....
一年の最後に
日めくりカレンダーは
ちょっとさみしげに
でも満足げに
最後の仕事を終えた

一日は
吹けばとぶような
薄っぺらい紙だったのに
過ぎ去ってみれば
こんなに厚い
めく ....
去年
義母が急逝した

晩年
持病で苦しんでいて
会えば
病気の苦しさばかりで
死にたいけど死ねないのよね、と言われると
そんなこと言わないでと
答えながら
鬱屈した気持ちになった ....
さあ、
詩を書こうと思ってひねり出す言葉と
太陽を浴びて
じわりと体温があがり
沸騰はしなけれど
静かに蒸発してくものを
理科室にあるような
ガラスで出来た清潔なフラスコに
再度集めて ....
小さなガラス壜の中は海
群青のさざなみでゆらめく

海をコレクションする女は
孤独であるけれども
絶望的に孤独ではなかった
本当の海まで
もはや歩いていくことは不可能
この部屋から出る ....
リリィ
あの娘は私のことをそう呼んだ
いつまでも友達よって
つぶらな瞳が笑ってた
毎朝
私の髪を象牙色の櫛で梳かし
樫の木の椅子に座らせてくれる
あの娘は私にいろんなお話をしてくれた
 ....
折り紙
あなたは何を折りますか?
折り鶴
空へ飛ばしませんか?

紙を折れば線がつく
たとえば人生が一枚の紙であったなら
線の数を讃え合いましょう

紙を広げれば最初からやり直せる
 ....
beebeeさんのそらの珊瑚さんおすすめリスト(208)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
星月夜- そらの珊 ...自由詩18*12-2-10
杉林- そらの珊 ...自由詩5*12-2-8
氷物語- そらの珊 ...短歌7*12-2-6
風の棺- そらの珊 ...自由詩20*12-2-6
みちくさ- そらの珊 ...自由詩6*12-2-6
帽子- そらの珊 ...自由詩9*12-2-4
HELP- そらの珊 ...自由詩10*12-2-1
アオミドロ(散文詩)- そらの珊 ...自由詩7+*12-1-28
金糸雀- そらの珊 ...自由詩5*12-1-25
旅をしましょう- そらの珊 ...自由詩11*12-1-24
バレリーナ- そらの珊 ...自由詩7*12-1-24
白象のいた港(掌編小説)- そらの珊 ...散文(批評 ...4*12-1-23
今夜_イラクサの布団で眠る- そらの珊 ...自由詩2*12-1-23
折り鶴- そらの珊 ...自由詩9*12-1-21
我が愛しき小娘(ガーリッシュ)- そらの珊 ...自由詩8*12-1-20
ひなぎく- そらの珊 ...自由詩11*12-1-18
いたづら- そらの珊 ...自由詩5*12-1-17
午前八時三十五分恋に落ちて- そらの珊 ...自由詩7*12-1-16
布讃歌- そらの珊 ...自由詩14+*12-1-15
古骨情歌- そらの珊 ...自由詩7*12-1-14
黄昏が満ちてくる- そらの珊 ...自由詩4*12-1-14
かがり火が灯る冬の夜に- そらの珊 ...自由詩16+*12-1-10
日めくりカレンダー- そらの珊 ...自由詩7*12-1-5
薄墨の絆- そらの珊 ...自由詩24*12-1-1
一枚の布のように- そらの珊 ...自由詩9*11-12-24
てのひらの海- そらの珊 ...自由詩8*11-12-3
視線恐怖症の人形- そらの珊 ...自由詩6*11-12-2
折り紙- そらの珊 ...自由詩11*11-11-30

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