今夜 イラクサの布団で眠る
そらの珊瑚

上等な絹の布団が
重く
息苦しく感じられて
寝付けぬ
夜がある

棘だらけの
イラクサで編んだ
それこそが
妙にしっくりくることがある
物の怪の心というものは
不思議なものだ

イラクサを編み通した
少女と同じくして
私も
貝のように
押し黙ったまま
身体中から
血を流させて
痛みを友として
今夜 イラクサの布団で眠ろう

朝になったら
呪いが解けて
人間に戻っているかもしれない



自由詩 今夜 イラクサの布団で眠る Copyright そらの珊瑚 2012-01-23 09:21:23
notebook Home 戻る