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砂浜にはガムが落ちていた

それを鵜飼順平は拾いポケットに入れた

砂にまみれて湿ったガムが太ももをころころとくすぐった

鵜飼順平は波を見つめた

今日の波はいい波ではなかった

 ....
朝どこかで

読経の声がする

一日のはじまりの

静かの時間に

慎ましやかな叫びが

聞こえてくるのだ


明日への祈りや過去への懺悔

今を強化し越えてゆこうとする ....
森のなかにその広場はあった

その広場にだけ光が降り注いでいた


広場には

どうしても二つ食べたくなるホットドック屋があった

ホットドック屋のそばでは

サッカーに興じる者

ベンチから立ち上が ....
海まで自転車を傾けながら走る

耳のわるいおじいちゃんが耕している田んぼを通る

民家の建ち並ぶ屋根のうえには雲が光と競争している

太陽がぎらぎらと当たって汚い川が美しく見える

静 ....
こどもの頃からだ

ひとに相談なんてしたことがなかった

可愛いげもなかった

しても仕方がないと分かっていた

こころに届いてくるものなどなかった

見当違いのスコップで

 ....
まだ生きることを

諦めていないことをテストするかのように

困りながら

めんどくさがりながら

闘志を剥き出しにしながら

ひとびとが

幸せに幸せをかさねられることを目的 ....
祖国のいろには水色が入っていた

流れる血にも

身につけるものにも

プレゼントするものにも

愛のことばにも

愛の行為にも

生きてゆくエネルギーには

それはマイナスだったかも知れない

方法 ....
あたしはお母さんを待っていた

喫茶店で待っていた

いっしょにお昼を食べる約束をしていたからだ

この近くには乗馬倶楽部がある

あとで乗ってみようか

お母さんがやって来た
 ....
高原に吹く風が

レーザービームみたいに

追憶に照射され

旅の終わりに描きかけた

一枚が完成する


白樺は動物の皮革のようだ

誰かの故郷が傷ついている

歌手が風邪をひけないのと

おなじく ....
あなたは親戚やお母さんといると

やわらかい顔になる

とろんとした夢見がちな笑顔になる

オレの出る幕などなくなるくらい

でもたぶんそれは

オレが親戚やお母さんに溶け込んでい ....
めちゃくちゃ元気でびっくりした

オレンジぴかぴかお母さん

やさしい木みたいに笑ってくれた

オレンジぴかぴかお母さん

きれいな顔したおっさんみたいや


きょうあたしな
 ....
仮面ライダーになりたかった

あのときぼくはまだ

仮面ライダーじゃなかったから

そのことばかり考えていた


三日月は満月になりたかった

ひとはみなしあわせになりたかった
 ....
茶屋町からマリンライナーで四国に渡る

瀬戸内の海辺の町並みを眼下にしていると

あの津波を重ねてしまう

渦になりきれない潮のたわむれを見つめていると

いろんなこころを自分を使って実験してしまう
 ....
あなたを思い切なくなろうとする

そう思えることが気持ちの幸福だ


ときどきみじめになるけれど

星を見つめるみたいな孤独と似て

仕方がないやと名前をつける


あなたを思 ....
ぼくが残したものは決断の残骸か

それともそれはしばらく輝くものなのか


決断出来ない大人たちが増えている

そう一行書いて自分もそうなのかと考えている

オリオン座

なにを ....
一体どうしてしまったと言うのだ

ぼくはきっと正直に生きすぎ

疲れきったたましい入りの

肉のかたまりだったのだろう

客席はすでに埋まりはじめていた



観客は老夫婦から ....
月の見えない

そんな夜


いろんな気持ちがあり過ぎて

ひとのキズつく

夜がある

ひとりぼっちの

音のなか

いろんな気持ちがあり過ぎて


月の見えない ....
さみしいとか言ったらいけない

がんばるとか言わなきゃいけない

ひとのせいとかしたらダメだ

なあ、俺よ、この俺よ

ほんとうにそう思っていますか


澄んだ水色の空でした

ピンクとオレンジの色彩 ....
綿毛がひかりになる夢を見た

世界があったかくて平和だった

綿毛とひかりの

愛でも歌っているのかなあ

永遠かあ

空がこわいくらいの青だった


蛇行する広い河川の横を

木々の黄葉が連なってい ....
空の下には何もない

空なんてものも何もない

水が腐ったのが

カラカラに渇いたような匂いがした

そういうイメージがした

それは訓練の賜物だろう

やっとここまで来れたのだ

名づけられることの ....
大学のころひとりで

ヨーロッパの映画をよく観にいった

そのあとは音大生の部屋に行くのが常だった

テロリストがひと仕事終えて

女のところに身を隠しにゆくように

アスファルトには影がばれていた
 ....
見えないものを舞台に見つめる

それは無念

それは苦渋

それは憎悪

それは諦念

おどろおどろしい明らかなる男たちの声楽

鼓を打つ音

動物のような男たちの吠え声

鎮魂とはこういうことだった ....
中学のとき

それが休日の過ごしかたのような気がして

よく一人で映画館に行った

暗い映画ばかりを選んで観ていた


いまでも思い出すのが

神田川とミ・アモーレの鐘という映画 ....
酔いどれが

月の真下を歩いてら

線路沿い

ふらつきながら歩いてら

ぜつぼうの

冬の星座がぽつってら


かじかむ手指になみだが凍る

噴き出す鼻血がすぐに乾いた

これ以上もない孤独のなかで ....
その身を削って

明かりを燈して

寄れば暖かくて

触れれば熱くて

これなあんだ?


ただただ一心に祈りきれる男でありたい

他人事ではなく

自分事と気張るわけでもなく

愛するひとの幸福を
 ....
その娘はいつの間にか貴女になっていた

貴女の全部を愛しているから

こんな気持ちになれるのだろう

貴女の全部を愛してゆくから

こんな気持ちになれたのだろう


出勤中いつも ....
ぼくだけが四の段おちた

せんせいが心配した

とぼとぼと家に帰った

まえのひ四の段カードをなくしてしまった

だからお家で練習できなかった

つぎの日は九々のテストがなかった
 ....
ぴゅん ぴょぴょ ぴゅんぴゅん ぴょぴょ

美観地区の入り口の交差点が

信号がかわるたびにそう囀る

ぴゅん ぴょぴょ ぴゅんぴゅん ぴょぴょ

欠けたまま生きている

欠けてい ....
新規事業として計画しているレストランについて

既に上場を果たしているレストラン経営者に話をしたとき

素人が手を出して成功するような甘い業界ではない

僕の名刺を裏返したりしながらそう憎 ....
ジャカルタ行きの便を2時間待っていた

雨雲だったが滑走路はまだ濡れてはいなかった

雷がごろごろ言っている

クアラルンプールの町の一角にも

たぶん親に見捨てられた姉と弟がいる

彼らはマレー語で ....
beebeeさんの吉岡ペペロさんおすすめリスト(322)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
こころの光(1)- 吉岡ペペ ...自由詩312-1-22
美しい大作戦- 吉岡ペペ ...自由詩312-1-21
その広場- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...612-1-19
海まで- 吉岡ペペ ...自由詩512-1-15
孤独の告白- 吉岡ペペ ...自由詩1012-1-15
ミッションインポッシブル- 吉岡ペペ ...自由詩512-1-8
水色の系譜- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...512-1-7
馬とオレンジ- 吉岡ペペ ...自由詩4+12-1-3
松原湖高原にて- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...5+12-1-2
- 吉岡ペペ ...自由詩5+12-1-1
オレンジぴかぴか- 吉岡ペペ ...自由詩4+11-12-31
こころの光- 吉岡ペペ ...自由詩711-12-30
光よ!光!- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...4+11-12-27
星ときどきみじめ- 吉岡ペペ ...自由詩5+11-12-27
大人たちの哀歌- 吉岡ペペ ...自由詩511-12-23
ある映画祭- 吉岡ペペ ...自由詩711-12-23
月のなぐさめ- 吉岡ペペ ...自由詩511-12-22
冬の夕景- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...7+11-12-19
綿毛とひかり- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...3+11-12-16
夕暮れの青のなかに- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...4+11-12-15
テロリストの憂鬱- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...3+11-12-12
屋島- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...4+11-12-12
中学のとき- 吉岡ペペ ...自由詩4+*11-12-12
金網越しの月- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...4+11-12-10
答え、ロウソク。- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...4+11-12-7
貴女の幸福- 吉岡ペペ ...自由詩5+11-12-5
四の段おちた- 吉岡ペペ ...自由詩4+11-11-30
ひとは白を正視しない- 吉岡ペペ ...自由詩7+11-11-28
鉄人の言葉- 吉岡ペペ ...自由詩511-11-27
クアラルンプールにて- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...311-11-24

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