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ある建物のロビーに座っていると
少し離れた場所に並んでいるコインロッカーの鍵のうち
ひとつだけが震えていて
「どこにもいけない」
と聞こえた
「そうだな」
と言うと
....
呑もうとしても呑めない
コップのなかの氷
それは
自分の指の影だった
音が止まってしまったのに
映画はまだつづいていて
あたりを見わたすと
席に ....
----今日はどうされましたか。
ええっと、こころにぽっかり穴があいてしまったんですか。
----で、いつごろからそうなりましたか。
覚えていない、物心つくころから何となくずっと、で ....
あうぅぅ...ぅ
最近 ついてないなぁ..
あーぁ..
なんで
みんなに いやな顔されちゃうんだろう..
こんな詰まんないこと 書くのいやだなぁ..
だか ....
ドレスを着た小さな子が
ドアをあけようとして固まっていた
思っていたより重かったので
半開きのままふんばっていた
うし!うし!うし!
うし!うし!うし!
すり足でず ....
目の奥にまぎれこんだ
木のかけらを見つけては
通りすがりの墓場に撒いた
月蝕との対話
目の奥のジャズ
つながらない影
土と鉄線
音は雪に
音は虫に
光はバップ
....
昨晩 幽霊の子が部屋に来て
コンピュータの前に座り
しばらく居座っているウイルスと
何やら会話をしていた
書きとめようとしたが
いつのまにか眠ってしまった
目が覚めると
....
わたしを
知りたいというわたしはいない
わたしは
わたしが鳥でも人でもかまわない
わたしは
あなたによってかたちになるのに
わたしは
あなたがあなたなのかわからない
わたしは
....
道を分ける白線の上を
影のない影が歩いていて
こちらに気付くと
逆の方に歩きはじめて
突然消えた
日曜の夜は
誰もおいでおいでをしてくれない
「明日、注文していたものが届くの」と
少女が嬉しそうに笑って言う
何を? 私は訊く
すると
少女は真顔で黙り込む
わたしは窓から身をのりだして
身投げのような夕陽を見ていた
消える 消える と小さな声が
両手をあげて泣き顔で
通り過ぎる祭を追った
わたしは高すぎて
わたし ....
頬から頬へ
まなじりからまなじりへ
打ち寄せる震えを
降りおりる応えを
音は見ていた
けして くちびるには訪れないものを
音は見ていた
ひとり 見ていた
暑かった日の夕方
靄々の雲に
溶けだしているような
太陽の色
見詰めるこころも
染められていく
溶けかかったアイスクリームみたい
今の生き方なんて
....
{ルビ小女子=こなご}が 土肥へ行こうと言う
わたくし 線路上で手と足がちぎれて
向こうへ行きますけど
あなたは その先を電車で走ってくれますか
めざせ城ケ崎
旅の味は
裏 ....
この世界のどこかに
わたしにならなかったわたしがいて
やはり ひとりで歩いているなら
おそらく わたしは
声をかけることができないので
せめて すぐ前を歩いてゆく
少しで ....
ほんとうに哀しいときには
その哀しみを
詩にすることが出来ない
泣くことすら
どこかで自制している厄介
ベッドに入ったら
一秒で死んだように眠って
いっそ消滅 ....
私は一年ほどまえに勤めていた会社を退き失業保険となけなしの貯金にてパソコンを購入、偶然にもこの現代詩フォーラムに漂着、以来やっとこさ、人様に読んでいただくためにものを書くという行為に目覚めつつある寝坊 ....
今の時間までの投稿は
とりあえず全部読んだ。
本嫌い
(正確には長い文章を読み続けるのが苦手さん)の私が
ここまで読みふけるとは..
老けるわけだ..
さっきまで少 ....
急患で呼び出される医師 の妻
制服を着たままたしなめるパイロット の妻
いつも勘でつくってんの ....
異なる季節の雪に埋もれて
じっと静かに咲いている花
かたちは声を待っている
すがたは声を知っている
灯が灯をまわる ゆうべの目
灯が灯を染める ゆうべの手
うなじにしっとり汗をかき
顔を隠して駆けてゆく子ら
隠した顔で笑み交わす子ら
見える客人 見えない客人
....
忘れないように
aとanの差ほどが存在している
彼と彼女の過去と未来
今日がパンで明日がミソ汁ということ?
それも有り。て笑う母の笑顔にもらう
登校前の溜息が
ゆらり弧を描いて ....
つめあわせ
ふたを
あけました
最初のふたつ
かたいけどおいしい
まんなかのふたつ
見えないけどおいしい
はしっこのひとつ
わからないけどおいしい
最後の ....
感情ではなく観察で動くのです
見るとは何?
切りなさい
それは指ではありません
筆
まだまだゼロとイチの限りです
ここにはイコールで繋げないものが多過ぎる
だから
気付いたら打つ のが ....
だから,どうだって言うのさ
別に,いいじゃない,さぁ
そんなこと,どっちでも
何気にしてんのよぉ
行き先を,適当にでっち上げて,
出てきた先は,事務所の近くのいつもの隠れ家で
聞い ....
寂しかったら、僕の名を呼んでごらん
僕に聞こえるわけないけど。
苦しかったら、助けを求めてごらん
ちょっと忙しくて行けないけど。
切なかったら、僕の胸に顔を埋めてごらん
思いっきり送り襟絞め ....
左目を右目にあげたのに
右目は涙を流さない
目が覚めたら一緒にごはんを食べよう
そう書いた手紙を残して
眠ったまま逝った人の声が
もう一度どこからか聞こえてくるまで ....
道に生まれる影から名を受け取り
代わりに人差し指の火を手わたす
消え去らずにいる冬の手をとり
きょうからこれはあなたのものだと
受け取ったばかりの名をつぶやくと
道を灯す影たちの ....
家の間に間に沈む,うすら赤い月よ
発酵よ
若きオイディプスのため息よ
残光よ
名残のみとどめる冬の冷気よ
お前の移り香よ
一つの歴史となるか
二つ目の笑い話となるか
悲哀は,ただそ ....
ひとりの子が崖に腰かけ
流れ落ちる雲を見ている
左手に大きな一枚の葉を持ち
右手を降りようとはばたく鳥に差し延べる
鳥は子の手を傷つけることを迷い
崖のまわりを旋回している ....
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