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たくさんの雀が
それぞれの空を持ち
わたしの内をはばたいている
淡い羽が 喉を昇り
外に出て 腕に乗り
別の色の 空へ帰る
繰り返す
今ま ....
雑音の雲の子守歌
雪を蹴り 光る
雪を蹴り 光る
凍ることのない遠い音
夜には優しい二本の手首
朝には見えない起伏を照らす
起伏のひとつであるわたし
片方の目 ....
街に新しい色が来て
赤はみんないなくなる
空の鳥は銀になり
小さな家を埋めたので
原の鳥はただ一度だけ
冬へ昇る階段になり
原を行き来する足跡に
雲と羽を散らしながら
空の鳥 ....
そんなひまがあったら
窓を開けて月に吠えます
そんなひまがあったら
空をつかみ鳥になります
そんなひまがあったら
雲をちぎり雨を描きます
そ ....
たくさんの旗
白黒の街
ベランダの雨
白黒の街
空を撲つ音
白黒の街
窓に映る陽
白黒の街
通りは祭
白黒の街
みんなを連れて
白黒の街
消えてなくなる
白黒の街
....
わ みみい ぷぷりんさ
みしなら もそで ぱる はふりもっこ
みんさら もへなへきから みんそうと?
もりさ みりみり なぐじゃりよ
むっとほいまな りゅんないで なぐじゃりん?
な ....
白の白からはじまる声
ゆるくほどける水の鳥
ひろくとどまる陽の光
町に渦まく影を着せる
散る鳥 生まれる鳥の中心
人と機械の目のなかでさえ
生きた絵のように咲きひらき
....
ほたるになりませんか
と 呟いたひとの目
雪を見つめていた目
私のいない目を
空と空の隔たりを
思い出す
右耳に車は聞こえない
左耳に降る金属音
追い抜くたびに空は笑う
切れぎれに拍手は過ぎてゆく
飛び去れ
飛び去れ
ひとりと
ひとりの道
ひとりの自転車の他はみん ....
青になってはじめての青
目のなかに鳴る金の糸
歌をつなぎ 手をつなぎ
熱い国の衣のように
風を立てる輪の踊り
雲を混ぜる手の踊り
遠い水に火を散らし
遠いふるえのした ....
目を閉じて
自分の身体をなぞる
髪がある 冷たい感触
耳がある したのほうが柔らかい
眼窩がある 目が飛び出そうで怖くなる
鼻がある 少し油っぽい
唇がある 言葉が溢れそうだ
首がある ....
冷たさだけの空を流れる星に
母親は
わけのわからない詩を書く子より
ボーナスの出る職に就く子がほしい
と願った
堕ちる天使と微笑む地使に
自分は
わけのわからない言葉以外
....
がちゃがちゃと
サンタの袋はかさばっていた
人殺しのおもちゃをほしがる子供で
世界はあふれていた
誰にでも 好きです
好きです と言って
みなを集めてまわる詩人を見て
自分は死ぬまでひとりでいいや
と思った
誰からも 好きです
好きです と言われ
みなに囲まれている詩人を見て ....
夜明けと午後と夜中の夢に
同じ女の子が現れて
わたすものがあるけど
まだなんなのか
よくわからなくて
と言った
気が付いたら
受け取っていた ....
夜の砂の上の家
花のように動いては止まる
朝になると人は戻り
少しだけ掃除をして
着替えをしては出かけてゆく
昼と午後は暑い
風と風のすきま
....
自身の無い
既視感の容れ物
底には穴
流れ出る天国
天使の足もと
雪はむらさき
少しだけ燃え残る
風と羽のなかに立っている
がんじがらめ
ゆうべの龍
さらした光
たなごころ
虹の根元を
地の夜にひたす
まわるまわる鋭角の
ところどころが蝙蝠の属
黒の流れに映る紅
散ってはひらく葉の ....
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