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{画像=090909004233.jpg}
現場監督が路面に
配管図面をトレースした
作業の痕跡

解かれることを意図しない暗号が
街の中に密かに生きている


それはシンプルな記号 ....
 
初夏の光
ひとつ前の駅で降ります
虫かごもないのに


+


栞はかつて
誰かの魚でした
本の中で溺れるまでは


+


夕日のあたたかいところに
古いネ ....
心の闇
なんていう安っぽい言葉ひとつで
人殺しの気持ちを説明できた気になるなよ



薄っぺらなプラズマテレビの向こう側で
薄っぺらな現実が不意打ちみたいに暴発する

眩しい
眩 ....
{引用=ただいま}
毎年の
「ただいま」
が年々ぎこちなくなってゆくのを
自分で感じているのに


{引用=おかえりなさい}
あなたの
「おかえりなさい」
は年々なじんで
小川の ....
桜桃を美味いという人の気が知れない
身が小さい割には種が大きいし
小振りなスモモの甘さしかない
驚くほどに痛みやすくてすぐ腐る

果物屋で売り物にならなくなって
処分に困っていた変色した桜 ....
 


1/4

あしのした と うなじ と あばら に
くものすがはっているので うごけません
女の子だから くものすを
やぶるようなおいたは いかんのです



1/5
 ....
食器を洗う熱湯
湯気、水流弾ける音を
換気扇が吸い上げていく

じゃばざ
じゃばばばビタばば
つるるろるうう

きゅんと蛇口を締めて
前掛けを擦り上げるように
手の水分を拭き取る
 ....
 
 
 
 
玄関を覗くと
見知らぬひとが
まるで、見知らぬひとのように
寝そべっていて
会釈で挨拶を済まし
扉を開くと
そこには黒い影だけが残り
あとは色だけだった
 
 ....
 


1ミリ2ミリを計るではないが
確かに
傾いていく肩だ

 さっき歩いた道はもう充分だし
 もう通んなくてイインだヨイインだヨ
 
リズミカルに弾いてみせて
わたしを追い抜 ....
 


基幹農道の左右は区切られた水面
あの小高いのは 川のへり
足の悪い男が傾斜へとうつむいている

   なずなは もう しまい
   つめくさは もう せんから さかり

水 ....
少し湿ったね と
旧道沿いの
あしもとのほうから
梅雨のにおい と
祖父のにおいがした


ふりかえると
あたり一面にシャガの花

思い出すひとがいるから
咲くのだろう
 ....
指でなぞる
水の裏側
剥がれていく
記憶のような
古い駅舎
影踏み遊びをしながら
呼吸の合間に
母とひとつずつ
嘘をついた
砂漠に父は
キョウチクトウを
植栽し続け
一面き ....
いたずらめ
げんこつがとんできて
くわえたばこだ

ふというでで
いとぐいっとひくと
おとうさんのたこは
どこまでものぼった
ぎんがみたいに
まーじゃんぱいがぐるぐるまわる
ひ ....
あなたは帰還した
本能ではなく
知識によって
懐かしい海 
夕日に染まる
新しい血液
骨のあなたに
 
 
捨てようとしたものは
様々な色を持って
どんなときも
私の中で弾けているの
、と
 
そう言ったのは
昨日の私だった
 
 
 
生温い肌が
ゆっくりと/音をたてて ....
停留所の影
鳴くヒグラシ
模写の中で


+


石の階段
落下していく
ランドセルへと
 
 
+
  
 
夏時間の早朝
別に区分される
地下茎と言葉と ....
 新しい芽が出る
 それは心に生まれるわが子

 おはようという

 答えはない

 それでも生きていると答える
 葉っぱが答える
 上を向いて、生きている
 上だけを見て、生 ....
          080606



現象を現象として現象と茄子
困ったものと訂正するのですが
次のチャンスを狙うのか
あっさりと身を引く潔さ
(あっさり富を引 ....
電車を降りたら
小雨が降っていた
セブンイレブンで傘を買った
駅前の商店街を抜けると
道は一気に暗くなる
細い道の両側から漏れる
家々の明かりがメインで
わたしは足早に家路を急ぐ

 ....
シロツメグサで
首飾りと花束をつくり
ぼくたちは結婚した


わたしの秘密を
あなたにだけ教えてあげる
と花嫁は言った
唇よりも軟らかい
小さく閉じられた秘密があった
シロツメグサ ....
ましろい部屋の空間で 
宙に浮いたペンが 
血と涙の混じった文字をノートに綴る 
開いた窓を仰いだ神保町の曇り空から 
誰かの涙がひとつ、落ちて来た。 
  
                   080523


99と書く
次は100だと思うとそれ以上書けなくなる
思い切って進め
そんなこと言っても可哀想だと思う気持ちがあり
迷っていると
 ....
 
遺影のある家に行くと
線香の良い匂いがして
羊羹を一口食べた
奥さんがずっと昔からのように
右手で左手を触っている
側では子どもたちがわたしの名前を知っているので
窓から外を見ると
 ....
 
 
 
 
・おやゆび村
 
 
広場の真ん中は
噴水が陣取っていて
そこには
何人かの子供と
一匹の動物がいた
 
動物は
子供たちの真ん中で
小さくなって
子供 ....
 
男は椅子に座っている
頭の上には青空が広がっている
けれど屋根に支えられて
男は空に押しつぶされることはない
屋根は壁に支えられ、壁は男の
視線によって支えられている
目を瞑る、それ ....
こどもの頃

僕はポポという おもちゃの兵隊に優しくキスをした

ポポは照れ臭そうに 真っ赤になって土に潜った


ポポを知ってるのは僕だけ

僕のことを知ってるのもポポ ....
ぞうきんがけでもありません

クッキーなんてやきません

ただ、たいくつなにちようび

いのるように

ハーモニカをみがくんです










 ....
ぼくらだけに降りかかってきた
ぼくらの出来事は
だれにもその正体が分らず
だれも振り払うこともせず
いまはただ
キリンのように
背伸びした首だけが
ぼくらの味方となった
                 080519







癒着した粘着液を
B29から落とし
不発弾に垂らし
静かに土を被せ
そのままにしておいた

不安が的中した
 ....
 
夏至、直射する日光の中
未熟な暴力によって踏み潰された草花と
心音だけのその小さな弔い
駐屯していた一個連隊は
原種農場を右に見て南へ進み始める
わたしは網膜に委任状を殴り書きする
 ....
小川 葉さんの自由詩おすすめリスト(1390)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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夜の散歩- 縞田みや ...自由詩5*08-6-15
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おもちゃの兵隊- 末上シン自由詩5*08-5-22
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