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夜が、二足歩行で
足早に通り過ぎていく音を
淡い錯覚にくるまりながら、聴いていた
抱きしめあう行為は どこか
呼吸と似ていて、ときどき
わたしたちは声を漏らす
ともすれば ....
              07/07/09



ギタ

ギタ

ギタギタギタギタ
ギタ

ギター
ギタ
ギタギタ
ギタ



線香花火のマシンガン
飛び散る ....
空に浮かぶ
小さな、輝きたちを
指先でつまんでは
ごくりと飲み下す
 
たくさんの色で
彩られた私は
いつか、同じように
あの空に浮かぶこと
 
夢、見ている
 
 
**
 ....
私の体を キノコが 侵食する
菌糸は腕をからみとり
足をからみとり 心臓をからめとり
やがて 脳に達し
心すら からめとる
私は キノコと同化し
静かに 眠りにつく
やがてキノコははい出 ....
あなたの言うつまらないことで
空のブルーがわらいます
色えんぴつをかじったら、
少しだけストロベリーの味がしました

あなたの笑顔で
お菓子の家のチョコレートが溶けて
それは大きな海にな ....
 
小さなバス停を飼った
小さい割にはよく食べた
それでも店員の言ったとおり
あまり大きくはならなかった
一日に数本小さなバスが停まった
行先はどこでもよかった
夜、明かりを消して床に着 ....
わたしはさがしているのです

この世に生まれおちる
その前の

母のナカで見た
あの光を



わたしはさがしているのです

わたしが生まれおちる
その時の

慈愛に満ち ....
 
デパートに難破船が漂着する
甲板をいじくり
あなたは指の先を切った
立体駐車場から汗など
生活、の匂いがする
立体であることはいつも淋しい
家具売り場でかくれんぼをしている間に
誰 ....
 
ある日ふとあなたは
わたしの優しい母となり
慣れないヒールの高い靴を履いたまま
図書館のカウンターのはるか内側
シチューを煮込んでいる

戸外、三角ポールの静かな
駐車禁止区域に来 ....
入梅に映えるはな

雨の雫を身籠って

まぁるく結実して

空の蒼さをうつす
虹がミドリで怖い
茶色がミドリで怖い
喉の奥がミドリで怖い
目を瞑るとミドリで怖い
近所の肉屋がミドリで怖い
ドアを開けるとミドリで怖い
黒塗りのベンツがミドリで怖い
彼女の浮気の言訳が ....
見えないカルピスがながれていたの
日曜日のよるに
へやを暗、く・して
どうしてもそれが
ほたるのようで

やんわりと
灯し、宛てる
どこかに飛んでいきそうな
空のおしり
ぼくは ....
お風呂場にふった雨
バスタブに溜まった銀の雨
消えかけていたばらの芽が
音もたてずに開く とき


窓をすべる雨粒が
不機嫌な猫を起こしてしまって
引っかかれた夏空は
静かに笑って  ....
真実が、
私を知っていれば、
それで良い。
シオリちゃんは わたしを見つけるといつも
はじめまして、と言う
わたしも はじめまして、と言う

たくさんいっしょに遊んでも
次の日には わたしのことを覚えていない
でもシオリち ....
指先だけで、そっと
窓を開いてみる
隔てていた向こう側には
空の海があり
 
紙飛行機を飛ばす
誰宛てとかではなく
紙飛行機を飛ばす
そこに、意味なんてない
 
 
ここは海だろ ....
 
たくさんの鳥

そして少しの懐かしい人を乗せ
他に何も無いような空港から
飛行機は飛び去って行った

覚えていることと
忘れていないことは
常に等量ではない

夏の敷石の上で ....
                     2007/06/20


さて今日は、
この辺でお開きと致しましょうと
缶蹴りをしたつもりの鰹節の鉋に蓋をして
戸棚に収めてニルバーナー過程に入り ....
From: はらだまさる <xxmasaruxx@hotmail.com>
To:★@hotmail.com
Subject: RE:おまんこ
Date: Fri, 22 Jun 2 ....
ステンドグラスが光る
クラシカルな部屋で
私は無言のまま
珈琲を含み
ケーキを頬張っている
 
鏡張りの壁に
もたれ掛かる身体は
きっと、もうすぐ
溶けてしまうのだろう
 
 
 ....
自分の名前を失くしてみた

自分の名前をてのひらにのせる
初めてちゃんと手にとってみたそれは
案外に硬く
今までそれを身に付けていたにしては
まだ馴染みきっていないような感じがした ....
爪先がそっと
水鏡を優しく犯して
小さな波紋たちが
ちゃぷちゃぷと揺れている
 
指の腹でなぞった
かたつむりの足跡は
今はもう
乾いてしまった
 
 
抜けるような空は
白と ....
はしゃいで飛び込んだプールの底に顔面を泣けるほど打ったけど
涙をプールの水に紛らせ笑った夏でした

カルピスが痰みたいに絡んだけれど
白くて甘い夏でした

台風で傘が根元から折れたけど
 ....
弟はいつの間にか
僕の背を追い越していた
身長をたずねると
三メートル五十七センチ
と言って悲しそうにうつむく
明日になれば
弟は遠いところに連れて行かれる
多分頭のてっぺんも見えないく ....
今、会いたい人がいます
否、ずっと会いたい人がいます

会えない時間が
愛、育てるのさ
と言う流行歌が
昔あったけど

これは
会えると言う確約があるから
成り立つもので

 ....
               2007/06/12


クロッカス畑に
クロッキーを植えて
クロッキー、クロッキーと囃し立て
引き籠もったクロッカスのお人形の綽名は
誰が付けたのか付けら ....
あなたがいた
ある午後のことを
ただ
あおいビー玉と
して


ふと
体をわるものと認めたら大人になり
わるさがすでにこころに及んでいることに
気付くころには、あ、 ....
愛の向こう側へ逝ってしまった、アナタ

夢見ることも未来を語ることも無く

過去の想いが昇華した姿でワタシを抱きしめようとする、アナタ

喪ってしまったものの大きさにも気づかずに

欲 ....
一番線のホームを
羊の群れが通過していく
海の近くに
美味しい牧草地があるのだ
その後を
羊飼いの少年が
列車でゆっくりと追う

夕暮れ近くになると
列車に羊を乗せて
牧舎へと帰る ....
 
採石場の跡地を
ヒトコブラクダが
ゆっくり歩く
かわいそうな気がして
コブをもうひとつ
描き足してあげた
耳の奥を覗くと
夜が明けるところだったので
慌てて帳面を閉じた
 
小川 葉さんの自由詩おすすめリスト(1390)
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