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人体模型は海を見ていた
筋肉の組織も内臓も剥き出しなのに
それは自分の何をも語りはしない
こうしていると
かつては本当の人間だったのかもしれない、と思う
電池の切れた玩具を
大事そうに ....
誰もいない教室で
机の落書きを消す

たいていが内容の無いもので
消すのにためらうこともないのだが

ふと窓をみると
結露したときに指で書いたのだろう
一つの文字が見えた

「海」 ....
いつもひっそりと
わたしの庭を守っていてくれた
垣根の木
なんていう名前だっただろう
とつぜん気になって
落ち着かなくて
たしか図鑑があったはず
なのに
本棚にも押入れにも
どこ ....
 
 
01
椅子に椅子が座る
約束は
決して泣かないこと
色鉛筆に魚が群がって
明日の支度をしている


02
階段は優しい
黙って骨を集めてくれるから
時計を正しく合わせ ....
                080410



見学に来て
写真を撮る方は
多いのですが
中に入って
食事を召し上がる方が少なくなって
それどころか
食事をするお店だと気がつ ....
山国で育った


目をとじると
どこまでも青いものが広がる
海だった


そうやって彼は
ときどき山を越えた


どど〜んと鯨になる
風のように
しなやかに両腕を伸ばし
 ....
 
 
見えない先から
ひさしぶりに糸を引かれ
私も
糸を引いて応える
紅い汗を流して彫刻のように削りだした核から伸びている、それは
時にたわみながらも千切れずに今も

在る、確かめ ....
大きいのも小さいのも
甘いのもすっぱいのも
出来がいいのも悪いのも
全部なべに放り込んで
コトコト煮こむ

いいにおいがして
トロトロになったら
熱いうちにビンに詰めて
ふたをぎゅっ ....
昨晩、眠れない僕に
妻が言い訳を考えてくれた

励ましの言葉はたどたどしく
いつものように
ありふれていた

外の方から
雪かきの音が聞こえてくる

真夏だというのに
人は忙しく ....
           080406




手のひらに載る
小型風力発電所
プロペラがクルクル回り
風力を電力に変換します
風を求めて旅に出よう

旅行好きの口車に同乗し
朝早 ....
夢の中でキリンと友だちだった
野原や森を走り回って虫とりをした
僕の運転でドライブした
キリンはサンルーフから首を出して
ご機嫌に歌った
作ってきたお弁当を文句ひとつ言わず
ウィンナーも卵 ....
西瓜のように
まるい地球をぶらさげて
その人はやってきた


裸で生きるには
夏はあまりにも暑すぎた
冬はあまりにも悲しすぎた


ぽんぽんと叩いて
いまは食べごろではない
と ....
              080404


コレでよい
コレで
ひとかけらの土塊を
脚で踏みつぶす
粉々にしてから
ふるいにかける
乾かしては水を加え
塊にして
叩く
叩く
 ....
               080404




マーニーなんてイイながら
テレビを見ながら
英語の発音聴き取りながら
ピーシーの
今日のニュースを開いてる
読み終わった
新聞 ....
風のなかで風を探して
気が付けばもう
誰も居ない
原っぱでひとり
終わることのない
鬼ごっこをつづけていた
少年はいつしか
風によく似た季節に
連れ去られ
四月になれば
アネモネと ....
夫の着ていたワイシャツの
袖口や襟元の生地が擦れてしまい

これで会社に行ってはいけないと
わたしが云い
名残惜しそうに夫はそれを差し出した

紺地に白チェックのワイシャツは
今日から ....
鳥が散っていく
春の風が吹くたびに
周囲の木から
ぽとりぽとりと
しずかに散っていく
その下で
人々は今日も
失うものを
探すことに忙しい
百年もすれば
鳥も人も
すべてが土に還 ....
すかすかの
からっぽ

からっ ・ ・・ ぽ



あたしいままで なにやってきたんだろ
ただ とどこおりなくすごして
ただ のぞまれるすがたとかたちをもとめられて ....
魚を丸ごと
皮も内臓もぜんぶ食べた
それは
ゆうべのことだ


目覚めると
私の骨が泳いでいる


なんたるこった
私を食べてしまったのは私だろうか


どこをどうやって
 ....
                080328



グライダーのように
空中ブランコのように
限りある人生を
ぶらぶらふらふらしていると
フラスコの悪魔に喰われてしまいます

化学 ....
禁じられた ハト

いま 飛び立つ

君は 迷っている

僕も 迷っている
背もたれが
椅子を飲み込んでいく
水槽の言葉で人は話す

たとえ古くても
あなたが好きだ
いつも日なたに
消えてなくならないから

またひとつ閉めらる
ガラスの窓がある
そして代 ....
わたしの頭にもやがかかってゆく
わたしの目に霞がかかってゆく


何も考えられず何も見えず
わたしはまはだかで歩こうとする
草がからみつき肌を切り裂くのもかまわずに
風になぶられる髪がど ....
何かが転がっていた
転がってきた
柔らかい何かを踏んだ
羽だらけの塊
小さな翼なのだった
踏んだのか
踏んだのか
振り返り見て見ないようにする
人通りの多い階段脇
誰も
立ち止まら ....
                 2000/04/21






死んだ君の眼を食べたいと思うことがある
白眼を向いてぼくを無視しているつもり
だけど120%意識しているのだろう
 ....
春告娘が電車に乗っている

ホーホケキョと鳴くわけでもなく

腕まくりをして吊革につかまっている

その腕の内側の白さが

僕に春を告げる
いくつもの読点で、あなたを区切って
体内へと運ぶ


元のカタチを、思いだすこともできないくらいに
細切れに、咀嚼していく
小指の爪から、過日の砂が落ちて
潮の匂いがした


 ....
コピー機の隣に
幼なじみが立っていた
靴を片方なくしてしまったと
挿絵のように
静かに泣いていた

右手を左手首のあたりに添えるしぐさは
昔と同じ感じだった
野で摘んできた白い花を ....
新宿の高層ビル群のすぐ裏手
ありふれた住宅街が広がる

(歩いている)

かつては丘陵地帯だったであろう
上り坂そして下り坂また上り坂

(立ち止まる)

雀の声烏の声
ヘリコプ ....
土のにおいなど忘れていたのだった
お隣りはもう長いこと空き家なのだって
気付かなかった

きっと幽霊の親子が住んでいたんだよ

瓦礫になった
こんなに広い場所だったのだと

足は止め ....
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