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郵便局の方から来ました
と言い残して校長先生は
ぼくの枕を盗っていった

庭ではぼくを産んで
その後育て続けた両親が
淋しい冬の作業をしている
三年前、僕の腕を
きれいな形だと褒 ....
にぎやかな街を生むものは
孤独なのだと思います

ひとりぼっちで
とても寒かったあの日
逃げる、という行いそのものに
迷い込んでしまったあの日
わたしが覚えたものは
背中だったと思 ....
私の心のなかには
冷蔵庫と電子レンジがあって
冷めかけた向上心は
電子レンジへ
さっきの失敗を
冷蔵庫へと
毎日、毎日、使います
使い間違えることもあって
反省のために温める失敗と一緒 ....
その坂の上は外人墓地になっていて
少しだけ風がそよぐ。
港町を見下ろすその場所で、
土の上に居場所をなくした人々が 眠っている。

その風を、汗に濡れた指先でなでるのが好きだ。

 ....
プラットフォームの
割れた電光掲示板
傷ついた蛍のように
オレンジに
滲んで


ゼリー状の夜を滑りゆく
ゆるやかに
最終列車のネオン
行先不明の僕たちは
いつだって最後 ....
若いときいちばん食べた即席麺は日清のあれではなくサンヨーのサッポロラーメン醤油味だった。
大きめの丼に粉末スープと麺をいれ刻みネギをのせスパイスをふりかけてから熱湯をたっぷり注ぎ
大学ノートで蓋を ....
 黄色く塗られたカラスが
 朝のバスに轢かれ
 夜のバスにも轢かれた


 親がつけた
 火事のなかで
 こどもたちは遊び
 眠る


 道端に転がる
 ひび割 ....
使い古されたピアノが一台
早朝の小さな港から
出航する

ピアノの幅、奥行、高さ
しかもたないのに
言い訳をすることなく
ただ外海を目指していく

誰もが自分自身のことを語りたがる
 ....
昔、
浜辺に白紙が漂着した。
それは昨日、
ぼくが君に貸した
本の一ページだった。
文字はおろかシミさえ無くなっていて、
大海で起こりうる時間の消失を
実証するのに充分だった。もしくは、 ....
華やかなのは

時代ではなくて

なあ、おまえ

今どうしている

青い影を歩くのか


友よ

夏の日の葉裏よ

秋の日のコンビニよ

冬よ

春の夜のセックス ....
陸地がだんだんと溶けていってしまったので
今はもう 小学校の運動場ほどの大地
そして水平線
終わりに着いたんだね、と君は言う



 ....
           080110



チュウチュウねずみが
チュウチュウ
中央線でチュウチュウ
竹輪を食べ過ぎて
チュウチュウ
猫いらずでチュウチュウ
毒を食べ過ぎチュウチ ....
ポットの注ぎ口から
授乳温度の液体ネコを流出させて
膝の上に置く

ネコは不定形
とろーり とろーり
湯気を立てて 
うたた寝をしている

ネコの脳波はカップの上で波紋を立てて
き ....
 満月が
 飽和してゆく


そっと
するどい涼しさは
船乗りだけの
うろこです

ただ一言でかばわれて
消え入ろうにも
悔やまれて

丸みを帯びた
涙の甘さに
 ....
隣に誰かが住んでるのは
わかっているのだ

ときおりの咳(しわぶき)
まだ夜になりかけの時間に
聞こえるラジオの音
ゆるやかにまわる
洗濯機の水音

彼は
食事を終えると
すぐに ....
(きみは近く
 足元から古い崖が、伸び悩み

 きみはすぐ下のことが分かる)

 ひどく、近く
 じっとしている
 長いこと
 息を奪われて、呑みこんだ夜
 ふさわしい音はながれ ....
 
わたし、
だからうまれたの
 
 
きゅうたいのいのちに
いくどとなく
はもんがつたうとき
わたしは
すいてきになる
そのあと、
またいのちになる
 
からめるいとは
 ....
爆発する
夕日
の上を
駆け抜けていく走者
の影を
追いかけて
いく轍
に足をとられて
転びそうになる走者
の右手に
握られている
バトン
は理由のように
あやふや
だから ....
 
 
鳥として生まれ
鳥として逝く
その間にいくつかの
鳥ではないものがある

車の通り過ぎていく音を
人の小さな話し声を
洗濯物が風に揺れて触れ合う姿を
幸せと同等のものが包み ....
洋なし畑で生まれた
不細工な洋なし
出荷できません
市場で買い手が付きません
農家の腹の中でバンドを結成
それでも僕は生きているを演奏
無計画に君は踊った

殺人現場の調査
犯人は必 ....
すれ違う為に生きてきたのか
言葉を重ねながら
体を重ねながら
折り紙の練習をしていた
焼き付いた肌

使わなくなった鍵は
給料袋の中に閉じ込めたままだ
全てを拒絶していた
その度に叫 ....
足を拾いに行きました
海の匂いのする街でしたが
この街に海はありませんでした
足を拾いに行きました
この街にも海があればいいと
子供の頃から思っていました
父に海をねだったこともありました ....
                   080103

寂しすぎる空間に卵を落とす
目玉焼きを作るのだ
フライパンの中で目を覚ましたケダモノが
電磁探傷を開始するので
傷だらけのフライパン
 ....
 
 
夜になると
鳥は空を飛ぶことを諦め
自らの隙間を飛ぶ

高い建物の立ち並ぶ様子が
都会、と呼ばれるように
鳥は鳥の言葉で
空を埋めていってしまう

知らないことは罪ではな ....
 
十六歳だった
終わったあと
ひとつになったんだね、と囁かれ
雑誌の読みすぎだとおもった
このベッドの下に隠れてるなにかかしら、とか
制服がしわしわになっちゃった、とか
私ははじめてで ....
美しくなった、本当に
美しくなった
成人を迎えるからだの中から
魂の
幼い部分だけ
すくい集めて
投げる

そこに生まれた空間が
やさしく
かたまったら
ほし
と名づけて
揺 ....
すなおな円の中に
さかなや鳥や
そしてほ乳類を集めて
食べる

それぞれの
交差する部分で
わたしらは健康を保つ
それは罪深いことではない

ラベルには
聖書のことばのようなもの ....
                 071228

電流起源の神話があって
電圧起源の御国を脅す
そんなお悪戯はいけません
ホテルのお客はただ働きの
派遣の女将に面食らう
皮肉な喩えで済み ....
 理由はありません、っていう理由について
 もう少しやさしくあれたら、
 と思うんだ





さびしい時刻が生え出したのは
ぼくの、背骨を笑う
星のした

だ ....
 
 
男の人が白い塀に寄りかかってる
ぼんやりした格好で
衣服には模様のようなものがついている
何をしているのか聞くと
誰かの夢の中なので勝手に動くことができないんです
と言う
かわ ....
小川 葉さんの自由詩おすすめリスト(1390)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
後姿- たもつ自由詩408-1-23
にぎやかな街- 千波 一 ...自由詩6*08-1-23
冷蔵庫と電子レンジ- よしおか ...自由詩5*08-1-22
ありし天文所の休暇- もも う ...自由詩28*08-1-20
トゥデイ- ねことら自由詩808-1-18
そろもん(麺の歌)- みつべえ自由詩408-1-17
黄色く塗られたカラス- カンチェ ...自由詩408-1-17
沈黙- たもつ自由詩1908-1-16
漂流- プテラノ ...自由詩1108-1-15
青い影- 吉岡ペペ ...自由詩508-1-13
終わりに着いたねと君は言った- Utakata自由詩808-1-13
鳩時計中毒- あおば自由詩3*08-1-12
液体ネコ- アハウ自由詩22*08-1-11
銀食器- 千波 一 ...自由詩9*08-1-10
A_Man_Next_Door- 風音自由詩5*08-1-9
心臓をたもつ為の、遺された- 石田 圭 ...自由詩2008-1-9
ふぉんでゅ- 山中 烏 ...自由詩12*08-1-7
走者- Tsu-Yo自由詩408-1-6
鳥の間に- たもつ自由詩708-1-6
殺人現場の調査- 狩心自由詩2*08-1-5
東北への旅_初夏の風- 狩心自由詩2*08-1-5
帰郷- Tsu-Yo自由詩1108-1-4
電磁探傷- あおば自由詩4*08-1-3
鳥の隙間- たもつ自由詩24*08-1-3
ひとつひとり- 石畑由紀 ...自由詩3307-12-30
白い大人- 石田 圭 ...自由詩2707-12-30
食事- tonpekep自由詩13*07-12-29
でんりゅう- あおば自由詩1*07-12-28
真夜中しっぽ- 千波 一 ...自由詩20*07-12-28
夢を見る人- たもつ自由詩1407-12-24

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