すべてのおすすめ
電気を消した暗い部屋で 
月明かりの射す窓に向かって 
扇風機よ 
お前はやけに 
凛とまっすぐ立ってるなぁ 

夜風にふくらむカーテンと 
何かを話しているようだ 
初老の母ちゃんを乗せた 
旅客機は 
赤ちゃんを産んで間もない 
姉がいる富山を目指し 
羽田空港の滑走路から 
大空へ 
飛んでいった 

定年をとうに過ぎた親父は 
警備の泊まり ....
「 いってきます 」 

顔を覆う白い布を手に取り 
もう瞳を開くことのない 
祖母のきれいな顔に 
一言を告げてから 
玄関のドアを開き
七里ヶ浜へと続く 
散歩日和の道を歩く 
 ....
「 落雷の影響で 
  特急ロマンスカーは停車いたします 」 

( えぇ〜・・・ )という 
乗客等のどよめきに 
僕はぱっちり目が覚めた 

遅れてきた各駅停車に乗り換えた 
うん ....
「免許を取るには、年齢位の金がかかる」 

誰かさんが言ってた通り 
33歳にして33万という金を 
母ちゃんは惜しげもなく貸してくれた 

二俣川で筆記試験に受かり 
初めて免許を手に ....
ら ら ら という文字が 
いつのまに薄れゆく 
都会の空です 

と ほ ほ という文字が 
滲んだ墨汁の雨雲となり 
黒いにわか雨の降りそそぐ 
21世紀のTokyoです 

黒 ....
ましろい部屋の空間で 
宙に浮いたペンが 
血と涙の混じった文字をノートに綴る 
開いた窓を仰いだ神保町の曇り空から 
誰かの涙がひとつ、落ちて来た。 
  
はじめて車に乗った日 
すでに僕は30を過ぎていた 

はじめて車に乗った日 
先月25になったばかりで 
自ら世を去った君のことが 
頭から離れなかった 

はじめて車に乗った日 
 ....
先週皮がめくれてた 
お爺さんのお尻の傷を 
トイレの時に確認したら 
するりときれいになっていた 

看護婦さんもやってきて 
「先週塗ったわぜりんが効いたのね 
 わぜりんは、いい奴 ....
銀座の路地裏に入ると 
色褪せた赤い{ルビ暖簾=のれん}に 
四文字の 
「 中 華 食 堂 」 
がビル風にゆれていた 

( がらら ) 

曇りガラスの戸を開くと 
「 イラッ ....
プレハブの 
休憩室の入り口に 
日中の仕事で汚れた作業着が 
洗ってハンガーにかけてある 

ドアの上から照らす電球の 
茶色いひかりにそめられて 
干されたまま 
夜風にゆられる作 ....
小川 葉さんの服部 剛さんおすすめリスト(11)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
扇風機_- 服部 剛自由詩509-7-11
幸福の食卓_- 服部 剛自由詩1809-4-3
海に還った祖母に捧ぐ_- 服部 剛自由詩3509-1-24
野球帽の少年_- 服部 剛自由詩308-9-7
免許を取れた日_- 服部 剛自由詩27+*08-8-26
「_ら_ら_ら_の人々_」- 服部 剛自由詩4*08-8-3
Gallery_112番_- 服部 剛自由詩6*08-5-26
オリオンの唄_〜_亡き友への_requiem_〜_- 服部 剛自由詩5*08-2-16
わぜりん君_- 服部 剛自由詩7*07-9-19
中華食堂- 服部 剛自由詩1007-8-31
夜ノ電球_- 服部 剛自由詩15*07-5-29

Home
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する