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この街でいちばん美味いという
来々軒のラーメンを食べていたら
いつまですすっても麺が途切れない

適当なところで喰い千切ると
あなたはひどい人だ
という声がした
たぶんメンマが言った ....
ひき肉を買った
何だか退屈な日常を少し変えたくて
冬のわりには暖かく
スーパーは少し込んでいる時間帯で
特売ってわけでもなかったけれど

料理レシピのサイトでふいに思い立ち
ひき肉 
 ....
信号待ちの車の中

ふいに
シチューの匂いが

忍び込んでくる

こんなに濃厚なシチューを作る
幸せな家はどんな家だろう
と思うけれど

走り出した車の中
すべては押し流され
 ....
はるばる仙台から
鈍行列車で
故郷の{ルビ湖=うみ}に帰ってくるのだと
彼は言った

熱弁をふるう彼の
口から
指先から
瞳から
いまにも鳥が飛び立ちそうで

私の脳裏にはもう
 ....
湯船のふちまでお湯を張る
そっと揺らさぬように
しずかに身を沈めると
溢れ出たお湯が
洗面器をさらった


体の芯がやわらかくなるまで
ゆっくりと数をかぞえる


  幼い頃
 ....
錆色の夕暮れに沈む
その肩に
木の葉の視線が刺さる、

なびいているのは
髪だけではない
ただ
それが何であるかは
誰にも、言えない


まるで
雲を思 ....
貴方の
意味なんてない
と挑発する詩を読んで
心が
ざわっと動いて

コメントを書いていたはずだった
のに
手元が狂って
書いている途中で消してしまった

あぁ、なんだよ

 ....
ひとしきり被ったあとで
ようやくアレルギーに気付いたが
どうやら手遅れのようで
ああ、また、目が痒い

我慢していても
くしゃみが止まらないから
たちまち
みんな逃げてしま ....
プリンは大変うまいが
もっとうまくしたいと思い
鰹の出汁を加えてみたところ
それは茶碗蒸しであると方々から叱られ
私は心に深い傷を負った
あ、か、い、ち、

あか、いち、

私 今日女の子になりました

でも私は
自分がこれからどんどん汚れていくのだと
怯えていた

ただ一点を見つめて

あか、い、ゆう、

 ....
18という年齢を
しろい両手で握りつぶす


生きています、
ひとりひとりに、貰った分より多く返さぬよう

前を向かずとも、
後ろを向かずとも、
起き上がらずとも、
一日中茶碗を見 ....
世界に追いつけないでいるわたしに、椅子が用意され
明日という不在について語れと言う
目を閉じたときにだけ、
かつて捨ててきた言葉たちが 戻ってくる



根を、そこここに生やしては 日々 ....
不意に、もうひとり帰ってくる気がする


母は家にいて
私も家にいて
弟が帰ってきて
もうひとり弟が帰ってきて
それから父親が帰ってきて


机に張り付いて私は耳を澄ま ....
懺悔をしたいのです
普段は書く事もない漢字ですね
ペン一本で世界を変えてきた私の
言うことですから信じないで下さい
けれどもこれまで嘘をついて来たことを
皆さんに懺悔したいのです

ほん ....
コンタクトとあるく

壁、街灯、空、あと、電柱

顔のないものにさえ
こんなにも融和を拒まれていることなど
とくに知る必要はなかった
だけど毎日確かめないと歩けない

これがないと私 ....
 
 
 
私に手を掛ける三分前
あなたの世界は破裂したのだろうか
どろどろとした緑を排出しながら
あなたの世界は破裂したのだろうか
 
 
私とくちづけを交わす三分前
あなたの世 ....
動物がほとんどいなくて、すきっ歯な林だけがあるような
そんな植物だけが林立する場所にも、空き缶は捨てられていた
その缶を水が徹底的に錆び付かせ、風が土に埋葬した
泥に溺れそうな缶詰の、淵が顔を覗 ....
 マクドナルドの隅で自慰をして
 汚い安食堂のうどんで身体を温める
 指の指紋が剥がれるくらい
 心が痩せて
 今日も化粧のノリが悪過ぎるわ

 明日が春で
 あさっては春
 ....
今日一つ嘘を吐いたら

明日も嘘吐かなきゃなんなくなって

その次もその次もいっぱい嘘を化粧したら

私の顔がみるみる別人に変わり

いつしかオオカミになっていた
ひかり/ぶれている、腕
扉の向こうでは
誰も彼もが微笑んで
私を見つめている


頬の肉が
引きつって千切れるほどの衝動

愛想笑いも
程々にしなくては、という ....
まだ名づけられていない、
連続する瞬間で構成された時間を
拾い集めつづけても 
綴じるためのすべを、忘れてしまった



わたしたちは、かわるがわるに
世界を四角く切り取ったり
はが ....
脱ぎ散らかされた
コート
冬のしめり気
誰が
ぬくもりを求めて
どこへと旅立ったのか
探して
さがした

マグカップの縁の
ブラックの
コーヒーの跡だけが
もう
冷たくなって ....
遠ざかる木枯らしに
鉛筆が舞っている
私が前髪を切った午後
小さな窓辺の話

反射した日差しが
溜まりになって、揺れる
それは、限りなく白い/暖かい
まるでまっさらな
例 ....
私の祖父はうまく焼けなかったので
2度焼かれるというレアな体験をして
ウェルダンされた

生乾く人

小林宏史という写真家の本に『死と葬』というものがあ
る。インド、カルカッタ。寺院の前 ....
懐かしい声から
その表情が見える

突然消えたその人は
数奇な人生を送り
普通の人生では
見ることのない風景の中に生きた人


老いた目蓋の奥に
鋭い瞳を覗かせて

奥底から笑 ....
「 いってきます 」 

顔を覆う白い布を手に取り 
もう瞳を開くことのない 
祖母のきれいな顔に 
一言を告げてから 
玄関のドアを開き
七里ヶ浜へと続く 
散歩日和の道を歩く 
 ....
こころ秘かにそう呼んでいた

――温泉宿ではなく海辺の一軒家を

灰褐色をした雑木林と
露出した山肌が囲み、
いつからか戻らなくなった主の代わりに
月に一度か二度、ぶらり現れては泊まって ....
風呂あがりの
ほてった身体を
常夜灯だけがともる
洋室で冷ます

妻も娘も寝静まった
夜更けに
フローリングの床に
じかに座る

柔らかな闇に身を浸すと
穏やかな気持ちになる
 ....
僕が女になっても好きでいてくれますか
女に生まれていても 好きになってくれましたか
姉に生まれていても 好きになってくれましたか

僕の肌が黒くなっても好きでいてくれますか
日本人じゃなくて ....
夜ふらふら歩くあなた
いっぱい傷が見えるよ
それでも必死な笑顔
それはいらない
涙を貸すよ
思いっきり泣いてごらん
あなたの涙で種から芽が出るよ

朝よたよた歩くあなた
そんなに涙を ....
小川 葉さんの自由詩おすすめリスト(1390)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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nonessential- 山中 烏 ...自由詩4*09-2-11
零れてしまった言葉- kauz ...自由詩6*09-2-8
ねこ- 山中 烏 ...自由詩3*09-2-7
工夫- セガール ...自由詩11+09-2-7
あかいち、- そらの  ...自由詩8*09-2-6
ゆく、かえる- 因子自由詩1*09-2-6
未完の、ソネット_「春」- 望月 ゆ ...自由詩23*09-2-4
もうひとり帰ってくる気がする- 因子自由詩20*09-2-2
創書日和【嘘】_告白- 大村 浩 ...自由詩9*09-2-1
コンタクトとあるく- 因子自由詩209-1-31
私に手を掛ける三分前- ゆるこ自由詩909-1-30
ひとのきかん- 木屋 亞 ...自由詩7*09-1-30
若い女- ヨルノテ ...自由詩14*09-1-30
創書日和「嘘」_嘘吐き化粧- そらの  ...自由詩4*09-1-29
睡中魔- 山中 烏 ...自由詩4*09-1-29
未完の、ソネット_「遺」- 望月 ゆ ...自由詩17*09-1-29
冬の片隅で- かんな自由詩4*09-1-27
冬の日に贈る即興詩- 山中 烏 ...自由詩3*09-1-26
生乾き- mizu K自由詩9*09-1-25
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海に還った祖母に捧ぐ_- 服部 剛自由詩3509-1-24
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?- 北大路京 ...自由詩32*09-1-23
涙を貸すよ/ハンカチ貸すよ- そらの  ...自由詩8*09-1-15

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