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一、 某月某日 冬

凍る雨を浴びつづけて、一年を跨ぎ、
わたしの頬は、青ざめて、
虚ろな病棟の、白い壁に残る、
黄ばんだ古いシミに親しむ。
難い過去を追走する暗路を、
エタノールの流れ ....
どうして兄弟でもない男の人と
いっしょに暮らさなければならないのか

結婚前に、たずねた

そういう決まりになっているんだ
と 彼氏は言った

あんまりあっさりと言うので
笑ってしま ....
ああ また白馬が

やってきたんだね

まだぜんぜん食べてないのに

そんな目をして

いつも俺が

しんけんに作った

晩ごはんをふたくちぐらい

ゆっく ....
あたたかい寝まきです
でも
あたたかいふとんです
おかあさん
頭のほうが寒くて
しんとします


眠ったとたん 朝でした
お昼を食べたら
もう夕ごはん
ふしぎです ....
女にふられたので、
今度のこんどこそ、
この女でなければならない女にふられたので、
トマトジュースを飲んで、死のうと思った。
なんでトマトジュースかといえば、
野菜が足りないと思ったからだ。 ....
 

刈り入れ時もよくわからないまま
彼女は優しい鎌をかける
遠雷
そのテンの首巻きはいい具合に違いなくて
ここいらは雪が笠のように積もるから
いつだって粗食で
ネジをまかれている
 ....
深く息をすると背骨が軋んだ
にぶい はれつおんと
ちいさくなってゆく きみの よどみに
胎動



おかあさんは、
酸化してゆく真っ白なおでこに
くちづけ したでしょうか
ねぇ
 ....
空に、鳥の滑空していく
きん、とした音が響いている
いつも何かが足りない
青いだけの視界を補うように
手のひらはいつも、上を向いている


いつも着地する景色には
逃げ出してしまう色が ....
胎盤干からびろって罵られたって、
わたしは


歯茎の色が不愉快だって言われたって、
わたしは


いつまでたっても黄色、モンゴロイド
ひっぱたかれると痛い


誰かの ....
ぼくはまた青い砂漠にすわって
アルデバランを見ていた。
遠い星は焦点からうまく逃れる


ぼくはあきらめて少し横を見る、すると
たちまち機嫌を直したアルデバランが
現れる。
子どもの ....
押入れの中で目覚めると
いつものように優しくなってる
手も足もおもいっきり伸ばして
指先の細かい部品までもが
思いやりに溢れている
感謝の言葉は誰に対しても
正確に発することができ ....
生まれ変わったら
朝のコーヒーの湯気になって
きみのへやのなかに
とけていきたい

それくらいののぞみなら
かなえてあげよう


地獄の閻魔様はそう言った
ぼくは失恋した痛みに耐え ....
酔っ払ったみたいに踊る僕の手に
気が付いたら君の手があった
変な言い方だけどそんな感じ

おでこをくっつけて微笑みあった二人が
そのまま見つめあって
溶け出していく夏の夜の匂い

細波 ....
落ち込んでいる者がいる
もっと自信を持ってほしい者がいる

私はお前が大好きである

年に一度
お前がいちばん美しい時
私は涙が止まらなくなる
いとおしくて
流れる

私はお前が ....
            
            声を
              かけ て
            声が 睦み合う
            目ざめの息を
          ....
毎度のことながら、
女にふられたので、
ラブホへ行って死のうと思った。
どうしてラブホかといえば、
情死かと思われるかもしれないからだ。
死んだ後のことなどどうでもよいかと思えば、
にんげ ....
ヒトラーの「わが闘争」を
いつもポケットに入れていた
まるでサリンジャーの小説の
脇役のようなH君から
十二年ぶりに電話がきたのは
二年まえのことだった

十二年前H君は中国人の留学生に ....
想いはどこへ連れて行こう
涙はどこで手放そう
忘れられないことばかりを持って
僕らは何度もここに生まれた

円く繋がった道を歩こう
いつまでも終われない街を抜けよう
ガードレールの上で両 ....
きみの睡眠の中を走る
列車の軋む音を聞くと
世界が本当に
平面であることがわかる
ぼくらは座席に並んで腰をかけ
お手製の弁当を食べる
屋根の瓦が一枚落ちかかっているのだ、と
きみはさっき ....
発車ベルが鳴ると
髪の毛が風に笑ったね
誤算だったね
脚の長い女の子の
脚が長くてきれいだったね
「栞」を「おしり」と読んで
男の子がはしゃいでいたね
それはきっと僕だったね
 ....
凍てる指よ
  松井の骨折のように外野は
  草が深い
  ぼくの夕陽から伸びる野の球。
  眼球のようにやわらかいものが骨折している
  ぼくのさみしい眼球譚が
  そうして麦笛に ....
むかし、俺に親切にしてくれた人がいた。
初めて入ったそば屋のおばちゃんだ。
俺は浪人生でひどく痩せていた。
まるで勉強ができなかったので、
ひとつも大学が受からなかった。
どうやっても勉強な ....
母は優しい
兄貴より遥かに出来が悪い俺は、
絵が好きで詩が好きで、なんだかいろいろ中途半端で、
でも、
生まれてきてくれて本当に嬉しいのだと
臆面もなく言うから
俺はいつもあなたの目を真っ ....
ゆるいカーブのようでした 尾をふって泳ぐ
さかなでした えんえんと沿って進むだけの
からだは速度を知らずに うちのめすバット
を聞きました ひびくその硬さにふるえまし
た きみのこえで呼ば ....
 祖父が死んだ夜、私は世界の夜たちが一斉に瞬くのを知覚した。私はそのとき、一つのうつろな音階として瞬きの中に捕えられ、祖父の死んだ情念に触れた。その日、夜は間違いなく私を通過したのだ。背面から視界に向 .... 春に降る雨で
体のかたすみが
ざりざりです

   暗闇に体を置いて
   ぬくもりだけに委ねれば
   心の対流で
   とりもどす

ほんとうのすがたで
触れようと指を伸ばすと ....
 私には自分が岩であった頃の記憶がない。だが、確かに私はかつて岩であったのだ。恐らく私は、人の欲望に汚染されることのない高山の頂上付近で、時折空から降ってくる虚無の波を一身に集めていたと思うのだ。ある .... 仔猫は虫の卵を食す振りをして
実は機械をいじっていたのではなかったか
昆虫卵嚢内部は勿論精密機械構造になっている
油が トクトク 流れていたのではなかったか
となると
球体構造の機械を
仔 ....
メロディーがその仔猫を取り込むと
仔猫は
おびえた!!
あまりにも当たり前の光景なのでしばし見惚れると
たくさんのメロディーたちが仔猫を片っ端から取り込んでいった
これもあまりにもおあつらえ ....
「私がおばさんになっても」と森高は歌った
ついこの間のことのようだけど
もう十二年も前の話だ
その年に僕らは結婚した
つまり、僕らが結婚して既に十二年たった
ということだ

僕は一度、交 ....
青色銀河団さんの自由詩おすすめリスト(396)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
青い声が聴こえる日___デッサン- 前田ふむ ...自由詩19*06-10-2
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- 自由詩4*06-6-19
静かな耳- 静山和生自由詩306-6-17
ラブホへ行って死のう- しゃしゃ ...自由詩1906-6-17
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寝返り- たもつ自由詩2106-5-19
(´・ω・`)- たもつ自由詩18*06-5-17
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