すべてのおすすめ
オトナでもコドモでもなくて、トモダチでもコイビトでもなくて。
ただ背を合わせあって、互いの温もりと心音を確かめ合っている。
青すぎる空に内心、恐怖しながら、まだ見ぬ明日をバカにして。
何処ま ....
ぼくにはあしが二本あり
うでが二本ある。
どうたいが一つあり
しかもそのどうたいには
おもてがあり
うらがある。
あたまが一つ、かおが一つあるのだが
左のあしを三十分
右のあしを三 ....
ふにふにした
ウサギの人形抱っこして
車のライト数えて遊ぶ
冷たい香りのする空に
ふわりふわりと浮かんで泣いた
今日は特別
白いウサギの人形
連れて来た
ウサギの黒 ....
花を負う花が雀になり
鴉にやさしくついばまれている
音は聞かれる間もなく火となって
水だけを求めて落ちてゆく
別の音が別の音を得て空に生まれ
二羽の鳥の背の上から
川に沈 ....
きゃらめる 1
とけい
1
あさおきて
さいしょに
とけいのふりこをとめる
かおをあらって
きがえをして
おちゃを ....
いちばん最初にその音を聞いたのは
体育の時間
運動場のまんなかで
野球をしてるみんなにまざって
ちっちゃい歌をうたった
こんな歌、誰にも聞こえないよーって
言うみたいに ほら
誰かがホー ....
遠くは近くにある
カーテンの裏
机の引き出しのなか
本の一ページ
遠くへ行きたいな
君と遠くへ行きたいな
そいつは結構な男で
今は版画を作っている
中学校のとき、鉄棒で
ぐるぐると大車輪をやったときは
体育館の皆がざわめいた。
そいつは夏休み、
1枚5円の画用紙を買って
30日間、ぶっ通 ....
[さ]
さあ差し向かいで
鯖煮
里芋
さよりの刺身
薩摩焼酎
差しつ差されつ
さわさわさざめき
早苗さみどり
さかなではさかしら
さかねじはさかうらみ
さしず ....
君と僕は天気予報をしよう。小さな声で。今日のことで明日のことを考えるので、植物がのびるようにそのまま続いていくから、おぼろげな勘でいい。
ウェザー・リポート、ウェザー・リポート。スープはトマ ....
鼓動の響く夜に
僕らは
互いの石を探しに海へ駆けった
ひざ下まで埋まる光の棉を踏みしめて
薄い呼吸を散らして
僕らは
過去を ひそめる
今宵
君があんまり強く握るから
はしゃぐか ....
朝が沈黙している
少し開かれた窓辺の片隅で
その隙間から海に似たものたちが
ぼつり
ぽつり
と入り込んでは
満たそうとしている
出会ったばかりの幼子は
「さようなら」と ....
脊椎小脳変性症による両上肢機能の軽度障害 6級
両下肢機能の著しい障害 2級
心内膜床欠損症による心臓機能障害 1級
脳性麻痺による日常動作が殆ど不可能な両下肢機能障害、歩行が不 ....
なぜ これほどに哀しいだろう
秋は雨粒の輝きのように
軽々と走り去り
数々の贈り物を
私の町に残していった
その道を
にこやかな天使が歩み来るのに
あなたが私の朝となり
あなたが私 ....
初めての男の子を
六ヶ月で持っていかれた母は
あらん限りの声を
張り上げ
それはどこまでも澄んだ
秋の青空に吸い込まれていった
その煙もやがて
秋の青空に吸い込まれていった
....
夕焼けの頃)
机の上、広口ビンの透明な壁面には
「真空」と書かれている
私はただ、じっとそのビンを見つめているだけだった
あなたはそんな私を若かったのだと笑うだろうか
あるいは、 ....
自分の名前がついてるとも知らず
いわしは
雲を見ていた
自分の名前すら知らないままに
その赤く染まるのを
お前は
ビタミンを含みながら落ちていく
お前のばか
嬉しいばか
お前は
ビタミンの味も知らないで
そんなに若くして
ビタミンを含みながら落ちていく
お前のばか
お前のばか ....
カーテンを開けると大雨だった
ひどく気が滅入る日曜日だ
さらに気が滅入ることに
カーテンを開けたのは彼女の方で
私は外で立ち尽くしていた
今
君が飛び立つ理由を僕は知らない
君が微笑んでいる理由も僕は知らない
なあ エンキドゥ
この世でやるべき事は僕よりも多いはずだし
この世で愛されているのも君の方だ
....
ちゅらさ ちらす ちらさ{引用=(美しさ 散らす つらさ)}
笑って
と三回繰り返した後
泣き出したのは
どっちだったっけ
まぶや まぶや
ちらさん ちゅらー ちらさに{ ....
1.
「理解が世界というのなら、あまりに世界は小さい」
ブルゾンかぶって 青い瞳の彼は言う
男の人ってみんなそう
理解さえ信じてないもん わたしは
それにしても
画面いっぱいに青い ....
ス、べる
ファスト、ぶ
レク、ファスト
モゥロウ
ティーン、ン
ウ、える、コ
ンドル、ド
ルフ、エンド
ルフィン、グデビ
....
プラスチックのトレイに
黒い礼服
転がすように
茶を一杯
一個一個並べて
赤いニンジン
口ずさんで
第三の男
色を読みながら
岸恵子
取っていく
みどり児
そのままそっと
青 ....
滑車の前で 光を背に
腕をひろげて 動けずに
崩れ重なる門の残骸
霧を貫く鉄の橋から
したたる滴を聴きつづけていた
霊はいて
雪の地に立ち
応えを受ける
....
テーブルの上に何かを忘れてきてしまった
いったい何を忘れてきたのだろう
それは大きなもの
ではなかった
かといって小さなもの
でもなかった
賞味期限が切れそうなもの
でもなく
....
「ずっと恋人でいましょう」
と言って 結婚をしました
結婚をして15年
ずっと敬語を使っていますね
「待たせました」
「出来ていますか」
が好きです
ついに私達の娘は
ロングス ....
1 バス待ち
陽だまりの停留所に
車椅子の老人
声かけようか
たとえば
今日もお陽さん輝いていますね
でもすぐそこには冬将軍で
そのブランケットは暖かそうですね
サング ....
東北の湯治場
暗く高い天井にもうもうとこもる湯気
湯に漂う吸い尽くされた乳房
東京の銭湯
午前三時
夜の女たちの化粧を溶かし込んだ湯が
白く濁る
水に集う
サバンナの象の群れ
....
五反田へは
品川まわりの方が早いけど
君を思いだすために
久しぶりの家並みを見ながら
今の僕には池上線が
ちょうどいい速度で
君と出かけた日
洗足池で降りだした雨は
五反田で本降りにな ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14