ちいさな ちいさな
そらを見つけたのは
近所の公園で遊んでいた
三歳くらいのおんなのこの
瞳の中
よちよち
浮かんでいるようでした
おおきな おおきな
うみを見たのは
田舎の天文 ....
欠陥だらけの地球の上で あたしたちは暮らしてる
我が儘通せない あなたのそばじゃ 息が詰まって苦しいの
あたしは独りでも生きていけるから
ごめんね いっし ....
いつか僕は死ぬ
目を閉じても何も変わらない
いつの日か僕は死ぬ
眠いとき寒いとき
弱いとき暗いとき
明日は遠く霞んでしまって
あなたの似姿が ....
春風が
少し恋しい季節
いつもの場所の
ちょっと広いベンチ
ゆっくり腰掛けて
ねぇ
空のない町に
行こうよ
そんでさ
僕が太陽で
君が雲で ....
宇治橋
夕霧にかすみつ渡る面影に
露けき花の色が重なる―――
観月橋
しめやかに
欠け満たされぬ夕月の
心を以ってなぞる君の名
....
真実が、
私を知っていれば、
それで良い。
サイコロをふって
コマをすすめたら
梅雨入りのため
一回休み
と、出た
しかたなく
ぼくは軒下で
ほかの誰かと相合傘の
あなたの後ろ姿
おとなしく見送った
薄い蛍光灯と
白い壁の部屋で
壊れる寸前でいた
強い太陽の光と
自然色の街並みを
瞼で焦がれていた
鍵など掛かっていない
歩けないわけでもない
ただそこにいた
壊れる寸前 ....
うりうり うりうり
うりぼうず かわいいぞ
うりぼうず、てへっと笑って
へちま顔
米屋の灯りは消えてしまって
もう夜だ
うりぼうず
まあ 風呂でも入れや
ぽかぽかして気持ち ....
いかんせん空は青いから
涙の色を隠してしまうんだ
すこぶる赤い夕焼け空なら泣いてもいいかな?
清涼剤が必要なくらい
熱い熱い熱い地球を冷ますのは
「一滴以上の何か」
心に ....
未来なしの今だから
今を生きている私です
まいにちの
ちいさな喜び
見つけることが得意です
過去の泥ぬま怖いです
こんどの手術はお断りです
未来なしの ....
玄関の椅子に座りて黙すればまた空しさを思いみるなり
鳩の居る庭の紅葉に目を移しわれが空しき鳩なおむなし
雛にえさ与うる鳩の姿にも生きる力を見出さむとしては
走り去る季節
振り返ることなく
いじらしい子供達がふざけあっている
それでいい
問題はない
梅雨晴れの空には飛行機雲
空を割っている
心奪われる
....
どうにも出来ない事があるとすれば
“時”が駆け抜けるのを 追いかけて捕まえるのは
勝負にならない
だから次の“時”を 待ち伏せて
罠にかける
卑怯者だと言われるのだろうか
....
愛してるとか、幸せ、なんて。
考えなくても、抱き締めてるだけで。
感じられて。
いつも、いつまでも続いて行くと。
信じてて。
いつものように、安心して。
眠っていた ....
ちいさい頃
留守番の夕暮れ時
椅子の下だけが安全な場所で
顔が出たら溺れてしまう
足が出たら喰われてしまう
と思いこんでいた
入学式前
ランドセルを背負ってみたら
ランドセ ....
僕はいつになったら日本人をやめられるだろう!
僕らはいつになったら地球人になれるだろう!
nan-nan-nanan-na"
nanan-na"
nan-nan ....
北側のカーテン押しのけて
今年も寒い夜が来た
君の吐き出すコトバが
曇って見えるようになった
誰かの背中にしがみついた
君の心は いったい…
僕のスベテを君にあげる ....
寄り添う民は顔を並べ
一つの空を仰いでた
真綿の雲に腰かける
マリアに抱かれた幼子を
逆さのままに
舞い降りる天使等は
丸い顔で母子を囲み
小さい両手を重ねてた
....
失う前のそれを ひっそりと
声に出して呼んでみたが
むなしい
虚しいばかりだった
私はいつから失ったのか
いや
私達はいつから失うのか
そっとなぞってみた ....
忘れ物思い出し歩を返し言う
独りごと人に聞かれし居しかも
凍る朝素足に草鞋の修行僧
声あげ行くに襟正したり
断絶と言わるる代に独り居の姑に
電話をすれば風邪ひき
家の建つ前 ....
私を悲しませないで
私達を引き剥がさないで
私たち愛し合っているの
愛のないあの人なんて嫌い
束の間の愛
一瞬しか許されていない
愛の力は大きい
病気を良くしてしまう。
でも結 ....
ひたむきさは許されず
素直さは捻じ曲げられ
行く当てはなく
なにもないわけではないけれど
ざわめくのは、やはり僕もであって
目的地なんて季節のように
移ろい続けるんのだろう
しとしと ....
夏の交差点で
朝に出会ったのは
真っ赤なトマトと
黄色のトウモロコシだった
トマトはトウモロコシの甘い匂いに
胸がきゅんとなって
さらに赤くなった
夏の交差点で
昼に出会ったのは
....
まだ、淡い光の粒が
生温い風に乗って
私の目の前を
きらきらと通り過ぎた
限り無く空に近い
窓辺から首を出して
その、行く手を追い掛けても
追い付ける筈は
なく
....
夏が浮いている
ぷかぷかと気持ちよさそうに
今の季節を楽しんでいる
どこまで行くのだろう
夏が泳いでいる
ちゃぷちゃぷと気持ちよさそうに
今の季節を喜んでいる
いつまでいるのだろう
....
空気で身体を洗って
空を仰いで
膨大な宇宙に
飛んでいく
あのころの
空は
青く澄んでいて
忘れられない横顔
長い睫毛が
煌めいていた
そのすべてが愛しくて ....
冷たい月までのデート
ゆっくりしてたけど
ラインは真っ暗だよ
道標が真っ赤になればいい?
逃げたいのね
始まりでしょうに
黒い夜の中を
乗り越えてあげる
通り雨が過 ....
人は皆移ろいでいく
夢の線路は行き先ちがい
くいちがう道の中
淡くも切ないドラマがうまれる
遠き日の同じ光に包まれていた頃
同じ輝きに人は包まれていた
過ちの欲望に振り回 ....
天空から降りた一筋の糸
あるいは
雑踏の中に聞き取る 一瞬のメロディー
能力さえあれば それをたどって
空を駆け上り 己の核心へ
あるいは 命を揺さぶるメッセージへと
飛翔する ....
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